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pyenv 使い方ガイド
pyenvとは
複数のPythonバージョンを管理・切り替えできるツール
- プロジェクトごとに異なるPythonバージョンを使える
- システム全体やディレクトリ単位でバージョンを設定可能
基本的な流れ
- インストール → 2. バージョン設定 → 3. 使用開始
チートシート
操作 | コマンド | 説明 |
---|---|---|
バージョン確認 | pyenv install --list |
インストール可能なPythonバージョン一覧 |
pyenv versions |
インストール済みPythonバージョン一覧 | |
pyenv version |
現在使用中のPythonバージョン | |
インストール | pyenv install 3.11.0 |
指定Pythonバージョンをインストール |
pyenv uninstall 3.8.0 |
指定Pythonバージョンをアンインストール | |
バージョン設定 | pyenv global 3.11.0 |
システム全体のデフォルト設定 |
pyenv local 3.9.18 |
現在のディレクトリのみ設定 | |
その他 | exec $SHELL |
設定を反映(トラブル時) |
インストール可能なバージョン一覧
コマンド
pyenv install --list
バージョンの種類
種類 | 例 | 説明 |
---|---|---|
標準Python |
3.11.7 , 3.10.13
|
公式のCPython |
Anaconda | anaconda3-2023.09 |
Anaconda配布版 |
Miniconda | miniconda3-latest |
軽量版Anaconda |
PyPy | pypy3.9-7.3.12 |
高速化されたPython実装 |
古いバージョン | 2.7.18 |
Python 2系(非推奨) |
推奨バージョンの選び方
-
最新安定版:
3.11.x
または3.12.x
-
企業環境:
3.9.x
または3.10.x
(安定性重視) -
学習用:
3.11.x
(最新機能を学べる)
「安定版」の意味について
技術的安定版 vs 実績による安定版
バージョン | 技術的安定性 | 実績による安定性 | 個人利用 | 企業利用 |
---|---|---|---|---|
Python 3.12 | ○(安定版) | △(リリースから約1年) | 推奨 | 様子見 |
Python 3.11 | ○(安定版) | ○(十分な実績) | 推奨 | 推奨 |
Python 3.10 | ○(安定版) | ○(枯れている) | 可 | 推奨 |
企業が新しいバージョンを避ける理由:
- ライブラリ対応待ち:全てのライブラリが対応するまで時間がかかる
- 実績不足:大規模システムでの長期運用実績がまだ少ない
- リスク回避:本番環境では少しでもリスクを避けたい
-src
の意味
pypy2.7-7.3.0-src ← ソースコードからビルド
pypy2.7-7.3.0 ← プリコンパイル済みバイナリ(推奨)
種類 | インストール時間 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
通常版 | 短い(数分) | 簡単・速い | 一般的な環境のみ |
-src版 | 長い(30分〜数時間) | カスタマイズ可能 | 時間がかかる・複雑 |
推奨:初心者は-src
なしの通常版を選択
インストール済みバージョン一覧
コマンド
pyenv versions
表示例と解説
$ pyenv versions
system
* 3.9.18 (set by /Users/username/.pyenv/version)
3.11.7
3.12.1
表示内容の意味
表示 | 意味 |
---|---|
system |
システム標準のPython |
* 3.9.18 |
現在使用中のバージョン(*印) |
3.11.7 |
インストール済みだが未使用 |
(set by ...) |
バージョンが設定されたファイル場所 |
実用例
プロジェクトごとに異なるPythonバージョンを使う
# プロジェクトA(Python 3.11が必要)
cd project_a
pyenv local 3.11.0
python --version # Python 3.11.0
# プロジェクトB(Python 3.9が必要)
cd ../project_b
pyenv local 3.9.18
python --version # Python 3.9.18
基本的な使用手順
# 1. インストール可能なバージョンを確認
pyenv install --list | grep "3.11"
# 2. 必要なバージョンをインストール
pyenv install 3.11.7
# 3. インストールされたか確認
pyenv versions
# 4. 使用するバージョンを設定
pyenv global 3.11.7
# 5. 確認
python --version # Python 3.11.7と表示される
まとめ
- 軽量:Pythonバージョン管理のみに特化
-
シンプル:基本は
install
→local/global
の2ステップ - 柔軟:プロジェクトごとに異なるバージョンを簡単に切り替え
- 注意:仮想環境やパッケージ管理は別途必要(venv + pip推奨)
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