Ubuntu 22.04 で Alacritty をインストールしデフォルトターミナルにするまで
GNOME Terminal も悪くはないのですが、クロスプラットホームで使える Rust 製の GPU アクセラレーションターミナルの Alacritty を使いたかったので、そのインストール方法をまとめました。
Alacritty の特徴
Alacirtty の特徴として以下のものがあげられます。
- Rust で作れらている
- Open GL を使用している
- GPU を利用したレンダリングの高速化
- クロスプラットホーム対応(Windows/Mac/Linux)
インストール方法
Ubuntu でのインストールではコマンドの補完やデスクトップエントリーの機能を省いた簡易インストールとすべての機能が使用できるフルイントールがあります。
各ディストリビューションごとの詳細な手順は公式を参考にしてください。
公式インストール手順
簡易インストール
とりあえず Alacritty を使ってみたいという方は以下の手順でインストールしましょう。
- 依存パッケージのインストール
sudo apt install cmake pkg-config libfreetype6-dev libfontconfig1-dev libxcb-xfixes0-dev python3
- Rust と Cargo のインストール
curl --proto '=https' --tlsv1.2 -sSf https://sh.rustup.rs | sh
- Alacritty のインストール
cargo install alacritty
これで最小限 Alacritty を使用できます。
フルイントール
次にすべての機能を使用できるフルイントールについてです。
フルイントールを行うと以下の機能が使用できるようになります。
- コマンドの補完
- コマンドのマニュアル
- terminfo の追加(正常な色を表示させるのに必要)
- デスクトップエントリー(Dock にアイコンを表示できるようになる)
フルイントールは Git からリポジトリを clone し、build する必要があります。
- Git リポジトリを clone する
git clone https://github.com/alacritty/alacritty.git
cd alacritty
- Rust と Cargo をインストールする
curl --proto '=https' --tlsv1.2 -sSf https://sh.rustup.rs | sh
- 依存パッケージをインストールする
sudo apt install cmake pkg-config libfreetype6-dev libfontconfig1-dev libxcb-xfixes0-dev python3
- Alacritty を build する
cargo build --release
- build が終了したら terminfo のチェックをします。
infocmp alacritty
- 上記でエラーが出た場合は、terminfo の設定をします。
sudo tic -xe alacritty,alacritty-direct extra/alacritty.info
- デスクトップエントリーの設定を行います。
sudo cp target/release/alacritty /usr/local/bin
sudo cp extra/logo/alacritty-term.svg /usr/share/pixmaps/Alacritty.svg
sudo desktop-file-install extra/linux/Alacritty.desktop
sudo update-desktop-database
- マニュアルの追加
sudo mkdir -p /usr/local/share/man/man1
gzip -c extra/alacritty.man | sudo tee /usr/local/share/man/man1/alacritty.1.gz > /dev/null
- コマンド補完の設定
echo "source $(pwd)/extra/completions/alacritty.bash" >> ~/.bashrc
これで alacritty のインストールが完了し、ランチャーにも表示されるようになりました!
Alacritty をデフォルトターミナルに設定する
せっかくなので、今後はデフォルトターミナルとして Alacritty を使用したいと思います。
デフォルトターミナルに設定することで Ctrl + Alt + T
で Alacritty を起動することができるようになります。
- x-terminal-emulator の alacritty の優先度を50に設定します。
sudo update-alternatives --install /usr/bin/x-terminal-emulator x-terminal-emulator /usr/local/bin/alacritty 50
- 以下のコマンドで確認することができます。
sudo update-alternatives --display x-terminal-emulator
優先度が他のものより高ければ問題ありません。
これで設定は完了です。Ctrl + Alt + T
で Alacritty を起動することができるようになりました。
優先度は以下のコマンドで変更することが可能です。
sudo update-alternatives --config x-terminal-emulator
仮に Alacritty をデフォルトにするのをやめたくなった場合は以下で削除可能です。
sudo update-alternatives --remove "x-terminal-emulator" "/usr/local/bin/alacritty"
最後に
これで Ubuntu 上で Alacritty が使用できるようになりました!
Alacirtty はシンプルさを思想としており、.alacritty.yml
で設定を変更することが可能です。今回は設定ファイルについては割愛させてもらいますが、ぜひ自分の好みの設定にカスタマイズしてみてください。
参考にした記事
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