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ジンジニアになって一人のEMがどう進化したか

2024/12/24に公開

この記事はジンジニアアドベントカレンダー2024の23日目の記事で
22日目はrocky_manobiさんの実践「退職ダイアログ」 - メンバーの退職にチームで向き合うためにでした!
https://adventar.org/calendars/10363

自己紹介

勝丸(@shin1988)といいます。今年も採用活動にEM側から関わる時間が多く、自分なりに今感じていることを記しておこうと思います。ポエム成分多めです。

ジンジニアとは

ジンジニアとは、「人事(HR)」と「エンジニア」をかけ合わせた言葉です。自分の周りではエンジニア領域から人事領域へ染み出していった方が多いです。会社によってやっていることはまちまちかなとは思いますが、リクルーターという意味ではなく、人事制度についてまで深く関わっていく人もいます。

自分の経験したジンジニアの領域

自分も現職で一瞬だけ人事領域を担当していたことがありました。

採用活動
採用が大半を占めています。やったこととしては、ポジションの特定、スカウト、カジュアル面談実施、採用面接、構造化面接の導入、アトラクト、面接官のスキル向上施策などを経験しました。

評価システムへのフィードバック
プロダクト組織内での運用をよりシャープにするなどを行いました。

EMの仕事の一部ですが、組織変更や評価や1on1の実施なども行っています。これはよく議論になりますが、EMも大いに通常業務から人に関する課題を解いているので、ジンジニアとマネージャーの線引きみたいなものはパキッとは決まらないかも知れません。

人事の領域は広く深い

人事領域に片足を踏みこんで一番驚いたことは、領域の広さと深さです。また専門職であり、それぞれのトピックで深い専門知識が求められます。
以下の記事がわかりやすいですが、人事領域の広さを感じることができます。
https://blog.allstarsaas.com/posts/bootcamp2023-vol4

全社的な制度設計は人事部がリードしますが、現場での運用と接続は現場が主導しながらやっていく必要があります。エンジニア組織の場合はエンジニアリングマネージャーが担うことも多いでしょう。
一方でエンジニアリングマネージャーも開発に関する責務を負っており、事業フェーズによっては人事に関する責務を持ちきれないケースがあります。そのようなケースに対応するために、事業部内でHRBPという組織を立ち上げることもあります。そうすることで事業部のマネージャーとHRBPで責務分解を行い、機動的に進めることが出来ます。

ジンジニアの仕事がEMの仕事に活きたこと

ここが本記事の一番言いたいところです。自分は一時的にジンジニア方面にキャリアを振ることで、その後のキャリア選択に幅が出来ました。その中でも一番活きたことは、「会社について語る」ということと「そのために常に情報をキャッチアップする」という必要があるということです。

自分はかつてカジュアル面談を月に何十回も行っていた時期がありました。

カジュアル面談でよく聞かれる質問の例を挙げると

  • プロダクト戦略: 会社のプロダクトの将来性や市場でのポジショニングについて
  • 組織戦略: どのようなチーム構成でどのように仕事を進めるのかについて
  • 評価制度への質問: 成果がどのように評価されるのかについて
  • この会社で働く意味、魅力(ミッション・バリュー): 自社で実現したいこと、自社で働く魅力について

これらは、求職者に説明する内容であると同時に、チームメンバーにも繰り返し伝えるべき重要なポイントです。ジンジニアとして、自社についての解像度を高め魅力的に語ることは、EMとしてチームの方向性を明確にしメンバーを巻き込む力を高めるのに役立ちました。

これからの自分の仕事とジンジニア

年末なので、来年の目標も書いておきます。

  • マネージャの立ち上がり支援
    • これはEMの範疇かもしれませんが、新任マネージャを個人としての関わりでサポートしていくことをしつつ、より仕組み的な観点からマネージャ初期の立ち上がりについて支援していきたい(組織として支援できるケイパを持ちたい)と考えています。
  • エンジニアリングを通じて採用活動の工数を削減
    • まだまだ工数を小さく出来ると感じる部分もあるので、本職のエンジニアリングを人事領域に適応して工数削減をしたいと考えています。

ジンジニアとしての活動は、自分の成長だけでなく、組織全体の成長にも寄与するものです。このアドベントカレンダーを通じて、ジンジニアという新しい役割の魅力と可能性をお伝えできれば幸いです。

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