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「チャレンジャー・セールス・モデル」のポイント

序章
「チャレンジャー・セールス・モデル」が生まれた背景
- 2009年に世界的な景気の底打ちとなったタイミングで、好成績を上げていた営業はどのようなタイプかの見解が必要となった
顧客にインサイトを与えられる「チャレンジャー」
- 2011年のアドバイザリー会社である米CEB社が90社6000人を対象に4年間調査したところ、以下のうちチャレンジャー(論客タイプ)が、不況でも強いハイパフォーマーであることが明らかになった
- ハードワーカー(勤勉タイプ)
- チャレンジャー(論客タイプ)
- リレーションシップ・ビルダー(関係構築タイプ)
- ローンウルフ(一匹狼タイプ)
- リアクティブ・プロブレムゾルバー(受動的な問題解決タイプ) - 逆に顧客と関係を構築すれば売上が付いてくるという関係構築タイプは、不況時に通用しない。
必要なのは「ニーズを訊く」ではなく、差別化のための「指導」
- 「裏話」を引き出せるくらい掘り下げて訊けば、顧客が真のニーズを率直に語ってくれ、それにこたえる完璧な「ソリューション」もその場ですぐ見つけ出せるという考え方が主流であった
- 一方で、「顧客は己のニーズを知っている。われわれが訊く力を磨きさえすれば、おのずと明らかになる」という仮説は正しくない。顧客がニーズを把握していなかったら?彼らの最大のニーズが自らのニーズを知ることだったら?
- 幅広い顧客調査から断言できるのは、顧客が売り手に望んでいるのは「教え」である
ブランドよりも「営業体験」を重視せよ
- 顧客ロイヤルティに関する調査の結果、「営業体験」が重要。
- ブランド、製品、サービスは他社と差が付かない
- 営業体験(53%)
- 製品・サービスの提供(19%)
- コストパフォーマンス(価格・価値比)(9%)
- 企業・ブランドのインパクト(19%)
インサイトを与え、考え方や行動を変えられる営業こそが最強
- 顧客に「インサイト」を与え、顧客の考え方や行動を変えられる営業が最強である
- 市場に関する独自の価値ある視点を提供してくれる。
- さまざまな選択肢を検討する助けになる。
- 継続的なアドバイスを提供してくれる。
- 「地雷」を避けるのに役立つ。
- 新しい問題や結果について教えてくれる。
- 購入しやすいサプライヤーである。
- わが社で広く支持されているサプライヤーである。
- 自社ならではの強みに繋がること、顧客の仮設を覆すこと、行動を促すこと、他のさまざまな顧客へと波及することが求められる
顧客セグメンテーションは「ニーズ・行動」で行え
- 地域、業種、製品でセグメンテーションするだけでも十分かもしれないが、インサイトを与える共通項は、「ニーズ・行動」で顧客グループ纏めることが重要
- 似通った顧客グループは同じインサイトに同じような反応を示す可能性がある
ニーズ分析を個々の営業に求める会社はその時点で負けである
- 販売員のいちばんの目標が、顧客のニーズを「発見する」ことであれば、その会社はその時点で負けている。なぜなら、顧客はそのような会話を望んでいないからである
- 戦術的な観点から言えば、ニーズ分析には組織的なサポートすらないまま、顧客の事業を顧客以上に理解せよと販売員に注文するのは酷であるし、現実的でもない。
- いくつかの正しいインサイトを正しい顧客に届けるための覚えやすい質問を予め販売員に授ける
ではどうすればよいか
ステップ①:経験や調査を基に顧客のニーズ・課題を仮説ベースで共有
- 同じような企業であなたが見聞きする主な課題を説明
- 他社との比較検討ができるベンチマーキングデータがあれば、それも提供
- 顧客が感じている課題について、「悩んでいるのは、あなただけではありません」と知らせる
- 「あなたがおられる世界のことならわかっています。御社のビジネスについて教えてほしいなどと尋ねて、時間を無駄にさせることはしません。」
- 「この人は話す価値がある」と顧客に思わせる。
ステップ②:新しい視点を提示せよ
- インサイトはひらめきではなく十分に準備しておくべき種類のものだ
- 望まれる反応は、「まったくそのとおり!そのせいで夜も眠れないのです」ではなく「えっ?そんなふうにかんがえたことはありませんでした」だ
メッセージを適応させる方法
- 業界、会社、役割、個人のレベルごとにふさわしいメッセージに。
ばらつきをなくす
- 「チャレンジャー」販売員が適応させるものは、ふたつ。ひとつはバリュードライバー、ふたつめは経済ドライバーだ。自分たちが売る製品・サービスではなく、相手が実現しようとする成果。
-
- 五つの会社のCIOの関心事を解明でにれば、その情報を使って、他の同じような企業のCIOの関心事も予測できる。
- 時間や人が変わっても一定している
- 顧客成果には限りがある。最も関心のある項目は絞り込みやすい
- 拡張可能である