Azure上の仮想マシン(Windows10)にFTPサーバを立てる方法
AzureでWindows10の仮想マシンを立てて、FTPサーバを設置するときの備忘録です。別の記事を参考にしつつなので、重複する内容は記載しません。
仮想マシンを立てた後を想定しています。仮想マシンの立て方は公式リファレンス:クイック スタート:Azure Portal で Windows 仮想マシンを作成するの「仮想マシンの作成」等を参考にしてください。
1. 仮想マシン側の設定
1.1. IISのインストールとFTPユーザの作成とFTPサイトの作成と設定
まず、仮想マシンにリモートデスクトップでアクセスしてください。公式リファレンス:クイック スタート:Azure Portal で Windows 仮想マシンを作成するの「仮想マシンへの接続」で接続できると思います。
FTPサーバを立てるためのIISをインストールして、FTPユーザを作成、FTPサイトを作成し設定を行います。
こちらのサイトに書いてあることをすべて行えばOKです。
簡単な流れは以下の通りです。
- IIS(FTPサーバ)を有効にする
- FTPユーザを作成する
- FTPサイトの作成と設定
1.2. FTPサイトのパッシブモードの設定
こちらのサイトの「2.IISの設定」を行います。
流れは以下の通りです。
- IISマネージャー
- FTPサーバを選択
- FTPファイアウォールポート範囲
- データチャネルポート範囲
- 60000-60005(今回はこちらにしました)を設定
1.3. FTPサイトのファイアウォールの設定
こちらのサイトの「IIS->設定->2.サイトを指定して,~」を行います。
流れは以下の通りです。
- IISマネージャー
- FTPサーバの作成したサイトを選択
- FTPファイアウォールのサポート
- ファイアウォールの外部IPアドレス(仮想マシンのグローバルIP(パブリックIPアドレス))
仮想マシンのグローバルIPはAzure Portalの仮想マシンの概要で見ることができると思います。
1.4. Windowsファイアウォールの設定
こちらのサイトの「3.ファイアーウォールの設定」を行います。
流れは以下の通りです。
- コントロールパネルを起動
- システムとセキュリティ
- Windows Dedender ファイアウォール
- 詳細設定
- 受信の規則
- 新しい規則
- ポート
- 特定のローカルポート
- 先ほど1.2.で設定したポート(今回は60000-60005)を入力
- 接続を許可する
- 適当な名前で完了
1.5. もともとある設定の有効化
1.4.の続きでこちらのサイトの「Windows ファイアウォールの設定」のように3つの設定を有効化する。
以下の3つです。
- FTPサーバー(FTP トラフィック受信)
- FTPサーバー セキュリティ(FTP SSL トラフィック受信)
- FTPサーバー パッシブ(FTP パッシブ トラフィック受信)
1.6. サービスの再起動
念のためFTPサーバの再起動を行います。
再起動方法は以下の通りです。
- デスクトップ左下「ここに入力して検索」で「サービス」を起動
- Microsoft FTP Serviceをクリック
- サービスの再起動を選択
2. Azure側の設定
2.1. 受信ポート規則の追加
作成した仮想マシンの「ネットワーク」の項目から「受信ポートの規則を追加する」で以下の2つを追加する。
- サービス:FTPを許可(パッシブコネクション確立用:ポート21)
- サービス:Custom、ポート:60000-60005を許可
これで設定は以上です。
3. FTPサイトの確認
設定したサーバにアクセスできるか確認してみます。
コマンドプロンプトからftpコマンドでアクセスしようと思ったのですが、僕の環境ではアクティブモードでアクセスしてしまうみたいで、うまく接続できませんでした。
なので、今回はエクスプローラーで接続してみます。
今回は1.1.で作成したコンテンツディレクトリに、仮想マシン上で「test.txt」ファイルを入れましたので、こちらを自分のPCから見に行きたいと思います。
- エクスプローラーで
ftp://グローバルIP
と入力して接続します。
- 以下のような画面が出てきて1.1.で作成したユーザーとパスワードを入力してログオンします。
うまく接続されると、以下のように「text.txt」が表示されます。
以上です。
4. 2つ目のFTPサーバの立て方(24/09/17追記)
同じIPアドレスで2つ目のFTPサーバを立てたいときは、サーバの物理パスを用意して、手順1.1で同じようにFTPサーバを立てたのちに1つ目と2つ目のFTPサーバに仮想ホスト名を入力します。仮想ホスト名はサイトの編集
のサイトバインド
から編集できます。
それ以外の設定は1つ目と同じです。
最後にFTPサーバのファイアウォールの設定で外部IPアドレス
を1つ目と同じものを入力して、FTPサーバを再起動すれば完了です。
それぞれのサイトにアクセスするときは、ユーザー名
を仮想ホスト名|ユーザー名
として入力して、アクセスできます。
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