IT企業の新卒が『応用情報技術者試験』に合格した話
令和4年秋期の応用情報技術者試験を受験したので、その振り返りをしようと思います。
自己採点結果
- 午前:75%
- 午後:82%
筆者のプロフィール
- 理系大学卒です
- 2022年度新卒(システムエンジニア)です
- 業務でプログラミングをバリバリ触っています
- 基本情報技術者試験 令和4年春期 合格です
同じ年の春に基本情報を受けていたので、比較的流れは掴めていた状態で応用情報に挑戦しました。
受験した理由
- 会社から奨励金が出る
- 基本情報を取った流れで受ければ効率がいい
教材
キタミ式
キタミ式はやっぱりイラストがとても良いです。わかりやすさは他の教材と比べて群を抜いています。ただ、勉強しながら詳しく知りたいと思ったときに載っていないことが多少あったので、辞書というよりは教科書というイメージです。初めにサラッと読んで基礎知識をつけるくらいに使います。
【参考】: キタミ式イラストIT塾 応用情報技術者
過去問道場
過去問道場は必須です。応用情報の過去問(2800問)を全て解くことができるサイトです。年度別・分野別で問題を出題したり、模擬試験を解くことができます。午前対策はこれだけで十分です。
筆者は午前も午後もこれだけで対策しました。正直過去問を解くくらいしか対策ができないのも理由ではあります。
【参考】:応用情報技術者試験.com-応用情報技術者過去問道場
勉強方法
勉強期間は約2ヶ月間で午前午後に1か月ずつ割り当てました。理想としては午後問題対策の方が重要なので、全体の勉強期間を3:7や4:6くらいに分けるのがベストな気がします。
1か月目(午前対策)
同年の春に基本情報を受けていたので、1の参考書読み込みはそこまで行わず、2の問題演習へスキップしました。基礎知識がある程度ついていて、基本情報を直近で受けた人以外は1から進めることをおすすめします。基礎がないと午前問題も難しいです。
1. キタミ式の参考書を1周する
まずは、応用情報の基礎知識をつけイメージをつけます。参考書は正直どれでもいいですが、キタミ式がおすすめです。IT系の知識は文字だけだとさっぱり頭に入ってこないので、イラスト形式でイメージを掴みやすい参考書が良いです。しっかりとした知識をつけるよりもざっくりイメージをつかみ理解することの方が大事だと思います。詳しいことはググればいくらでも出てきます。
1周したらすぐ2の問題演習ステップに移ります。全部覚えようとしていたらあっという間に試験日になってしまいます。
2. 過去問道場の午前問題を分野別に学習&復習(だいたい7回分)
過去問を分野別に解きます。テクノロジ系は13分野、マネジメントは3分野、ストラテジ系は7分野に分かれており、別々に対策をしていくことが効率的です。1分野解いたら、間違えた問題を再度解き2周したら次の分野へ進むことをおすすめします。この段階で解説を見てもわからないものは随時調べることをおすすめします。問題を間違えた時が一番よく記憶として定着します。問題を解きながらさっぱりわからないときはさっさと調べてしまって、再度解き直ししたときに解ければ十分です。
また、計算問題についてはある程度コツを知っていると知らない問題でも解けてしまいます。一方で解くのに時間がかかるので、個人的にはオプションで外して後でまとめて学習すると良いと思います。さらにマネジメント系、ストラテジ系も文章を読めばわかる問題も多くあるので、時間がない人は飛ばしてしまって構いません。テクノロジ系が半分以上を占めているのでこちらの対策だけしていても午前は乗り切れます。
参考までに、筆者の午前対策はテクノロジ系の13分野を「計算問題なし」で過去7回分学習し、解き直しを含めて2周しました。マネジメント系、ストラテジ系は午後に時間を割くため飛ばしました。
3. 過去問道場の模擬試験を解く
一通り各分野の学習が終わったら、仕上げとして模擬試験を解きます。ステップ2同様、過去7回分くらいを選択して本番の半分の問題数(40問)で実施します。どのみち午後対策を通じて知識も増えるので、正答率が70%を超えてきたら十分と判断し、午後の対策へ移ります。不安な人は75〜80%を目標とすると良いです。
2か月目(午後対策)
応用情報の午後試験は鬼門と呼ばれています。それは午前試験を余裕で合格したのに、午後試験で落ちてしまったという人が少なくないからです。問題形式が長文読解&記述式になるので午前で求められた知識だけでなく読解力、記述力が必要になってきます。
1. 勉強する分野を決める
午後試験は情報セキュリティが必須で、残り4問は10問からしなければなりません。選択肢は以下の通りです。
【必須問題】
- 情報セキュリティ
【選択問題(4)】
- 経営戦略、情報戦略、戦略立案・コンサルティング技術
- プログラミング
- システムアーキテクチャ
- ネットワーク
- データベース
- 組み込みシステム開発
- 情報システム開発
- プロジェクトマネジメント
- サービスマネジメント
- システム監査
情報セキュリティは必須なので勉強するとして、残りの10分野についてはあらかじめ絞って勉強することが効率的です。10分野勉強しておいて当日4つ選ぶ方が良いと思うかもしれませんが、選択肢が多すぎるとかえって問題を選ぶのに時間がかかってしまうため、少なくても4つ、多くても7つに絞って勉強すると良いです。筆者としては5つがおすすめです。
どの分野を選べば良いかは、こちらの記事で詳しく分析されています。
応用情報技術者試験にギリギリ合格したので、追い込まれた人向けの勉強法をまとめてみた
筆者は理系かつテクノロジ系が得意だったので、以下の5つに絞って勉強しました。
- プログラミング
- システムアーキテクチャ
- ネットワーク
- データベース
- 組み込みシステム開発
この5つは理系ならばおすすめしたい選択肢です。先ほどの記事でも過去8回分の正答率を分析した結果、正答率が高いのは、**「3.プログラミング」「5.ネットワーク」「7.組込みシステム開発」「11.システム監査」**です。逆に「データベース」は正答率が低いので、「システム監査」に変えても良いです。筆者はデータベースも勉強しておきたかったのでこのようにしました。
2. 過去問道場の午後問題を分野別に学習&復習(5回分)
勉強する分野が決まれば、基本的には午前と同様に過去問道場の過去問を分野ごと解いて対策をします。過去21回分存在しますが、とても全ては解いていられないので過去5回分を解きます。1問当たり30分程度かかるので、根気を入れて勉強する必要があります。解いたら復習をしてわからないことは随時調べると良いです。
特に情報セキュリティとネットワークでは知識を問う問題が比較的多いです。情報セキュリティではセキュリティ攻撃と、それらの対策として使うシステムなどの知識、ネットワークではネットワーク構成で使用されるそれぞれの機器の機能や名前解決の仕組み、通信暗号化などの知識が問われます。この辺りは知らないと解けない問題なので、しっかり復習して身につけることが大切です。
1分野5回分解き終わったら、再度1周して次の分野に移ります。選択した分野をすべて解いたら振り返りを兼ねて再度初めの分野から解いてみると記憶に残ります。余裕があれば、6回以上前の過去問に入っていくと良いです。特に情報セキュリティは必須かつ得点源なので過去6〜8回分解くことをおすすめします。
試験に向けて
学習に関しては以上に述べたことを意識して取り組んでほしいです。最後に試験のために必要な心得をまとめておきます。
試験申込
応用情報の試験日は春期(4月)と秋期(10月)の2つがあり、申込期間が3か月前から2か月前に設定されています。試験日よりだいぶ前に申込をしないといけないので、忘れないうちに申込は済ませることをおすすめします。ただし、注意点として一度申し込んだらキャンセルできないので、ノリでしない方が良いです。試験料は7,500円です。
IPA公式HPから抜粋です。
試験前日までに準備するもの
【必須】
-
受験票
郵送で2週間前くらいに送られてくるのでしっかり保管します。裏面に会場までのアクセスや持ち物など注意事項が書いてあるので見ておくと良いです。 -
受験票に貼る写真
当日になって準備するととても焦るので、あらかじめコンビニで撮って受験票に貼っておくことをおすすめします。貼るのを忘れていると、当日のりとはさみを買う羽目になるので注意が必要です。
※スマホの写真をコンビニで証明写真としてプリントするサービスもあります。
(https://pic-chan.net/c/howto/) -
筆記用具
鉛筆、シャープペンシル(替え芯)、消しゴムが必要です。
【余裕があれば】
-
アナログ腕時計
会場に時計がない場合があるので持っておくと便利です。
※横浜の戸塚にある明治学院大学の会場には時計があります。 -
会場までの道のり調査
会場の場所、交通手段(電車、バス)、所要時間など調べておくと心に余裕が生まれます。試験開始の15分前に説明があるので、30分前に着くようにすると良いです。
試験当日の持ち物まとめ
- 受験票
- 写真(前日までに受験票に貼っておくこと)
- 筆記用具
- 交通費
- アナログ時計
- 昼食
当日のスケジュール
- 午前試験説明(9:15〜)
- 午前試験開始(9:30〜12:00)
- お昼(12:00〜12:45)
- 午後試験説明(12:45〜)
- 午後試験(13:00〜15:30)
お昼は1時間弱用意されていて買いに行くこともできますが、近くにコンビニがあるかわからないので前もって準備する方が良いです。
試験後
試験後は早くも解答が見たいところですが、応用情報はペーパー試験のため採点結果がすぐわかるわけではありません。その代わり公式で模範解答が開示されるのでそれを元に自己採点することである程度合否結果がわかるようになっています。(https://www.jitec.ipa.go.jp/1_04hanni_sukiru/mondai_kaitou_2022r04.html)
しかし、午前の解答はすぐ開示されるものの、午後の解答は2か月以上先に開示されます。そこで午後の自己採点は他の資格系サイトを通じてみると良いです。
終わりに
社会人は勉強する時間を確保することって難しいです。だからこそ計画的に学習を進めないと気づいたら試験日直前になっていたりするのです。そして応用情報は直前の対策だけで乗り切れるほど甘い試験ではないので、しっかり対策してほしいです。
参考にさせていただいた記事
応用情報技術者試験にギリギリ合格したので、追い込まれた人向けの勉強法をまとめてみた
応用情報技術者試験の鬼門?午後試験で合格点を取る方法やコツとは
IPA公式サイト
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