Greenfile.workのデザイン悩みあるある
こんにちは!シェルフィーのプロダクトチームでUIデザイナーをしている s_wada です!
最近の趣味はパンを焼くことです🍞
Greenfile.workって?
Greenfile.workは、安全書類の作成・管理を簡単にするSaaSです。
安全書類は建設業界外の方には馴染みがないかもしれませんが、建設現場の安全を守るための重要な書類です。重要な書類でありながら、安全書類は直接利益につながらないため、改善の優先度が上がりづらく、苦労はわかりながらも業務の効率化や進化に恵まれない領域だったりします。
各建設現場では異なる会社や作業員が担当し、法令も複雑に絡み合っているため、管理業務は非常に高度なスキルが求められます。Greenfile.workでは、こうした複雑な情報管理をデジタル化し、業務の効率化を図ることで建設作業に集中できる環境を提供しています。
Greenfile.work のデザインは悩ましい…
一言で悩ましいと言っても、あれもこれもそれも、悩みの種類は様々あります。
1年働いてきた中で、Greenfile.work の悩みあるあるをピックアップして3つ話します!
〜悩みあるある①〜専門性の高いドメイン知識が必要な業務システムのデザイン
前述した通り、建設業界の中でも安全書類という、建設業界外の人にはあまり馴染みがない領域に焦点を当てたプロダクトです。法令も複雑に絡み合うシステムのため、業務理解(ドメイン知識の学習、ユースケースの特定、ユーザー理解 etc…)が大変です。これまでの仕事で建設業界に触れてきたこともなかったので、どうしよう?状態からのスタートでした。
悩み解決のためのアクション
オンボーディング
シェルフィーはオンボーディングに力を入れており、ひとりひとりにオンボーディングページが用意されています!その中で基本的なドメイン知識を得れるコンテンツや、実際にプロダクトを触ってみる「クエスト」などが準備されています。
社内に気軽に聞ける環境がある
シェルフィーは「ワンチーム」というスタンプがあるくらい、プロダクト・ビジネスサイドどちらが強いということもなく、情報を持ち寄り話し合い、建設業界のWinという大目標のために日々業務と向き合っています。いろいろなチームを横断して、意見を取り入れながら開発できる環境があります!
同じチームはもちろん、違うチームのメンバーにも気軽に話せるのがシェルフィーの良いところです!
私が入社した時には、グロースチームのマネージャーに建設業界について語ってください!という場を設けてもらったりもしました。
ドメイン知識を深めて行くことで
ユーザーの方が本当に求めているプロダクトをつくっていきたい。というのがシェルフィーとプロダクトチームの考えです。
そのためには、今よりもっとドメイン知識を深めていく必要があります。
ちなみに、シェルフィーは建設業界出身のメンバーは1割程度です。プロダクトの立ち上げ時は、社外の方に外部アドバイザーとしてご意見をいただいたりしていましたが、基本的には建設業界未経験のメンバーが「Greenfile.work」を作り上げています。建設業界の方に話すと、「建設業界出身の方がつくってないのにすごい!」というお褒めの言葉をいただくこともあります。
私も建設業界の方にそんな風に言っていただけるプロダクトのつくり手になっていきたいです!
〜悩みあるある②〜1社導入時に複数社の導入が必要不可欠なためそれぞれのユースケースにあわせた具体化の優先順位
建設業界の構造上、ITツールを導入する場合、元請企業だけでなく、工事を依頼する協力会社(取引先)にも導入してもらう必要があります。1現場に関わる企業は数十〜数百にもなるため、生産性を管理・向上するツールは企業を跨いだ導入や浸透が必須です。元請企業と協力会社と同一のプロダクトのため、大企業の推進者から一人親方まで、様々なユーザーのユースケースを考慮する必要があるため、ユーザー理解がとても複雑です。
ユーザーさんは日常的に業務でPCを使用する方から、PCを持っておらずスマホも私用のものを使っている方まで様々です。またある会社が元請になることもあれば、協力会社になることもあるので、同一プロダクト内で完結しなければならず、デザイナーとして優先順位を決めたり、お客様の課題を具体化することはとても手強いです。
悩み解決のためのアクション
商談動画を見てみて、導入や現場課題の肌感を高めに行く
オンボーディングの中でセールスチームの商談動画を見る機会がありますが、いつでも他にも気になった商談の動画を見ることができます。元請企業の方がどういった経緯で商談に至った理由や、導入経緯などの情報を知ることができます。
グロースチームのMTG動画やユーザーとの会話ログをみることで、ユーザーの課題を掴みにいく
シェルフィーは導入してもらうことではなくツールを浸透してもらうことに重きを置いているので、プロダクトの使い心地はもちろん、グロースチームが元請会社さんに向けてサービス導入時や導入現場拡大時のMTGを行ったり、協力会社さんに向けて操作方法がわからないときやこんなときどうすれば?という問い合わせに返答したりしています。
実際にどういう問い合わせがあるのか?お客様はどんなトーンなのか?実際に使う方はどういう人が多いのか?など知ることができます!
それぞれの会社はもちろん、プロダクトの導入を推進する方、実際にプロダクトを使用する方、それぞれの立場によって見えている課題は違いますが、共通している部分も見えてきたりもします!
ユーザー理解のその先に
企業を跨いだ導入や浸透は難しい部分でもありますが、「他社にもGreenfile.workを推奨して統制化を推進したいな」、「あの会社が既に推進しているなら導入しやすいな」といった、バイラルが起こりやすかったりもします。ユーザーの声からユーザーの課題を発見し、プロダクトに活かしていきたいです!
〜悩みあるある③〜ドメイン知識や業界・ユーザー理解が重要だからこそ、設計思想や原則を整え引き継ぐ意思
悩みあるある①や②で書いたように、業界・ユーザー理解が複雑なため、その意図を反映しつつ設計思想や原則を整えるのはすごく手強いです。私は創業初期からいたメンバーではないので、入社する前のメンバーの当時の設計思想などに想いを馳せながら、設計思想や原則を考えていくのは難しいこともありますが、やりがいを感じる部分です!
前述したようなドメイン知識や、ユーザー理解の難しさの中、プロダクトを作り上げているのは本当にスゴイなと日々感じています。私が今までの方のデザインに込めた想いを、これからも続くプロダクトのために、わかりやすくまとめ上げるチャンスをもらったんだ!と思い取り組んでいます。
デザインの設計思想や原則を決める取り組み
UIデザイン業務に取り組む中で「ドメイン知識が難しく、デザインに落とし込むのが難しいこと」と、「プロダクトの思想が汲み取ることが難しい・ないものはつくって決めることが難しいこと」が相まって難しさが増幅される感じがあります。
ドメイン知識をもっと深く身につけるのはもちろんですが、思想や原則で迷うことがないよう、デザイン原則をイチから考えてみたり、設計思想を決めたりする取り組みを進めています!これからデザイナーが増えることも想定され、誰がデザインしても、デザイン意図がエンジニアのみなさんに伝わりやすいような土台作りを進めています!
これまで取り組んだことのまとめとこれから
これまでデザイナーとして仕事をするなかでの悩みをピックアップして書いてみました。
上記のような悩みがありながらも、新機能や既存機能の改修時に相談してもらったり、外部のお客様との打ち合わせの時に見せるためにプロトタイプを作成したり、上記の悩みをデザインする中で自身の血肉にする機会も沢山あります!
シェルフィー入社前のカジュアル面談で「いままで一番嬉しかったことは?」と質問した時に「組織の体制が変わったとお客様に言われたこと」という返答をPdMのtomoki3 にもらい、プロダクト外にも影響できることって本当にすごいな…と思ったことを覚えています。
今後は私も、プロダクトの中に閉じずに、ユーザーや組織の行動変容を促せるようなプロダクトのつくり手として日々精進していくために、なんでもやっていきたいと思っています!
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