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ポモドーロ・テクニックをさらに効果的にするには

2021/05/04に公開

はじめに

プログラミングの学習や、資格の受験勉強をしていると、次のような悩みが生じることがあります。

  • すぐに飽きて眠くなる
  • テキストの内容が身に入らない
  • 時間をかけて学習したのに学習効果が出ない(合格できない)
    といった悩みです。
    そのような悩みを持つ方がいかに多いかは、DaiGoさんをはじめとする「勉強メソッド本」が良く売れている状況からもわかると思います。

本稿では有名な「ポモドーロ・テクニック」を中心に、それをさらに効果的にすると考えられる方法を紹介します。特に目新しいことは書いてませんが、少しでも、みなさんの参考になればと思います。

ポモドーロ・テクニックの手順

  1. スマホを片づける
  2. タイマーを25分に設定して学習を始める
  3. 25分間は、学習以外のことをしない
  4. 5分間(学習以外の)好きなことをしてリラックスする
  5. 25分学習を4セット繰り返したら、15分休憩をとる。

1. スマホを片づける

目に入る範囲にある、気が散る要素を排除します。
具体的には、スマホを見えないところに片づけてしまいます。通知の音が聞こえないようにするわけです。ほとんどのことは学習が終わってからでも遅くないと思います。何か大切なことを思い立ったときはメモしておいて、後で対応しましょう。
そのほか、雑誌や新聞なども整理し、テレビも消します。音楽も止めた方がよいという研究結果があります(注1)。

注1. Working memory and music: Christopher and Shelton, 2017.

2. タイマーを25分に設定して学習を始める

タイマーはキッチンタイマーでOKです。百円ショップで2つ買ってきて、25分と5分にセットしておくという方法もあります。
スマホやPCには豊富にポモドーロ用アプリがあります。でもスマホは上記1の理由でお勧めしません。
PCを使用する学習の場合、PCポモドーロ用アプリが便利ですが、メールやLINEなど気が散るアプリは終了しておきます。

3. 25分間は、学習以外のことをしない

左手が無意識にスマホを探してさまよってしまい(私の場合です)、ここが最も大変なのですが、ひたすら集中しましょう。
時間に制限を設けていると、意外と集中するものです。受験や学校のテストで「普段と違って集中しているな」と感じたことがあるのでは?
「やりたくない」という気持ちについてですが、「20分の壁」と言うべきものがあるらしくて、20分集中していると「やりたくない」気持ちが消えるという研究結果があるようです(注2)。最初の25分を乗り切れば、残り3回は安定してで学習できるということですね。気分が乗っていると25分はあっという間です。

注2. Pain in the brain: Lyons and Beilock, 2012.

4. 5分間(学習以外の)好きなことをしてリラックスする

学習をいったん打ち切って5分間休憩します。
実はここにポモドーロ・テクニックの重要なポイントがあります。というのは、休憩することによって学習した内容が、脳の長期記憶領域に記録されるメカニズムだからです。
ところで、スマホは休憩中も見ない方がよいでしょう。なぜなら、スマホを見ると休憩による脳の疲労回復が阻害されることが分かっているからです(注3)。

注3. Cognitive cost of using a cell phone during breaks: Kang and Kurtzberg, 2019.

5. 25分学習を4セット繰り返したら、15分休憩をとる。

25分のうちのはじめの時間を使って直前の25分でやったことを想い返すのは効果的です。「回収作業」というそうです。

最後に

ポモドーロ・テクニックを効果的に活用するためのヒントをご紹介しました。
非常に広範で活用できるテクニックですが、個人的に次のような創作系のシーンではちょっと合わないと感じました。

  • プレゼン資料や論文作成などで、文章や図案を創作する作業
  • 設計書の作成やプログラミングの作業
  • 問題集などで、1問30分以上時間のかかる問題を解く作業
    上記のケースがポモドーロに合わない理由は、思考を中断させてしまうと、元の思考プロセスに戻るまで余計な時間がかかると思ったからです。あくまでも私の場合ですが…

プログラミングの学習、資格の受験対策などにはとても適していると思います。
皆さんのスキルアップへのヒントになればうれしいです。

参考文献

LEARN LIKE A PRO 学び方の学び方 Barbara Oakley , Olav Schewe 宮本喜一訳
文中の注釈も上記文献から転載しました。

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