ChatGPTと一緒に進める、DMARCレポートとの付き合い方
DMARCレポートをChatGPTで解析してみたら、セキュリティの見方が変わった話
個人開発で独自ドメインを使っていると、思わぬ形で「なりすまし攻撃」の対象になることがあります。
ある日、Google Workspaceに突然届いた .xml.gz
ファイル。
中身は「DMARCレポート」でした。
💬 DMARCレポートとは?
DMARC(Domain-based Message Authentication, Reporting and Conformance)
は、なりすましメールを防ぐための仕組みです。
GmailやOutlookのような受信サーバは、SPF/DKIM/DMARCを使って、送信者が本物かどうかを判定します。
DMARCを設定しておくと、偽装メールが来た場合に「隔離」「拒否」できるだけでなく、
その判定結果を「レポート形式」で送ってくれるようになります。
🗂 私に届いたDMARCレポートの例(実データ)
以下は、DMARCレポートに記録された「なりすまし送信に使われたIPアドレス」です。
これらは私のドメインを偽装して第三者にメールを送ろうとした送信元です。
日付 | 送信元IP | 判定 | 宛先 |
---|---|---|---|
5/17 | 37.49.201.121 | SPF: fail / DKIM: fail | live.fr |
5/18 | 62.210.124.106 | SPF: fail / DKIM: fail | outlook.jp |
5/19 | 103.111.234.35 | SPF: fail / DKIM: fail | 不明(Gmail系) |
🤖 なぜなりすましされるの?
- メールのFromアドレスは技術的に簡単に偽装可能
- ドメイン名はDNSやWebページから取得可能
-
support@
,info@
などは辞書攻撃の対象になりやすい
私の場合、Google Play デベロッパー用に取得した
support@mydomain.com
を使用していただけで、どこにも表示していませんでした。
🛡️ 私のセキュリティ設定(防御側)
技術 | 状態 | 内容 |
---|---|---|
SPF | ✅ 設定済 |
include:_spf.google.com などを使用 |
DKIM | ✅ 有効 | Google Workspaceの自動署名あり |
DMARC | ✅ 有効(p=quarantine) | 認証失敗メールは迷惑メール扱いに |
rua | ✅ 設定 | レポート送付先に自分のアドレスを指定 |
これにより、すべてのなりすましメールは迷惑メールに分類され、ユーザーには届きませんでした。
🧠 ChatGPTで自動解析してもらう
DMARCレポートは基本的に .xml.gz
形式。開くとXMLで書かれており、
以下のような情報が入っています:
<source_ip>62.210.124.106</source_ip>
<result>fail</result>
<envelope_to>outlook.jp</envelope_to>
これをChatGPTにアップロードすると、以下のようにまとめてくれます:
- どのIPから、誰に、どんな結果で送られたか
- SPFやDKIMのどこが通らなかったか
- ブロックされたか、通過したか
- 「これは様子見でよい」or「通報検討レベル」かの判断
📊 ChatGPTとの運用フロー
-
.xml.gz
を受信したら、ChatGPTにアップロード - 要約・評価を依頼
- 過去の履歴と照らし合わせて脅威レベルを判断
- 状況に応じて以下を検討:
状況 | 対応 |
---|---|
同じIPが複数回登場 | 通報(Whois情報でabuse宛てに) |
日本向けアドレスを連続で狙っている | 標的型の可能性 → p=reject 検討 |
不正送信数が増加 | 緊急対応 orアラート対応開始 |
📝 まとめ:AIとの連携で「一人でも守れる」時代へ
セキュリティの知識がなくても、ChatGPTと組むことで:
- レポートの意味が分かる
- 対応すべきかどうかが判断できる
- 履歴を一緒に管理してもらえる
という、まるでセキュリティチームが1人増えたような運用ができます。
🔚 おわりに
「ドメイン持ってるけど、セキュリティよくわからない…」
そんな方でも、ChatGPTと一緒に運用すれば、リアルな攻撃を可視化して安全に対処できます。
DMARC、難しそうで敬遠してた方にこそ、ぜひ試してみてほしいです。
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