🗾

IT事情徒然:3章-4:テーマ特化型SNSという可能性

に公開

〜 Zenn、Qiita、Pixiv、note のような事例から 〜

世界的SNS(X, Facebook, TikTok等)のような巨大プラットフォームを日本で再現するのは難しい一方で、分野に特化した小規模SNSの可能性が見直されています。


🎯 テーマ特化型SNSとは?

  • 特定のジャンル・興味関心・職能にフォーカスしたSNS
  • 投稿・コメント・フォローなど、SNS的な機能はあるが、限定されたコミュニティ内での交流に重点
  • 広く拡散するのではなく、共感・継続的なつながり・学び合いを重視

🔍 代表的なテーマ特化型SNSの例(日本発)

サービス 特徴
Zenn 開発・技術系の情報共有、記事+スキル重視のUI
Qiita エンジニア向けナレッジ共有、企業利用も多い
Pixiv イラスト・漫画・創作に特化、同人文化と深く連動
Wantedly 実名+仕事志向のSNS、企業のカルチャー重視
note 文章や読書、社会的テーマを語る「穏やか系SNS」。参加型投稿も特徴。

→ これらはマス向けでなく“コアな関心層”を対象とすることで、高いロイヤリティと健全性を維持しています。


💡 特化型SNSの利点

  • 炎上リスクが比較的低い:共通言語・ルールが共有されている
  • コンテンツの質が高い:投稿内容に目的と文脈がある
  • 運営コストが抑えられる:小規模でも管理しやすい
  • 収益の分散が可能:広告以外に有料記事・支援・企業連携など多様な収入源

🚧 一方での課題

  • スケーラビリティに限界:拡大路線では競争力が弱い
  • コミュニティの閉鎖性:新規参加者への心理的ハードルがある
  • 収益化の難しさ:広告収益に頼らない分、継続性の設計が必要

🧪 個人・小規模チームでも可能?

  • 技術的にはOSSやSaaSでSNS構築は可能

  • ただし、重要なのは設計思想と運営方針

    • 「何を共有するSNSか?」
    • 「どんな行動を歓迎し、何を抑制するか?」
    • 「どんな収益モデルで維持するか?」

Zennの例

  • OSSエンジニアが発起人、執筆体験を極限までスムーズに設計
  • ユーザー主導のテーマタグ(#Flutter, #Railsなど)で分散運営
  • 有料記事、スポンサー記事、企業連携などマネタイズ手段を多様化

noteの例

  • 「静かな場所で思考を共有したい人たち」のための設計
  • 読書、社会、教育などの深いテーマに共鳴する人が集まる
  • 過剰な通知・おすすめを排し、質的価値を重視

🔚 結論:テーマ特化型SNSは「共感と継続」で生きる

  • 日本でSNSを立ち上げるなら、大衆路線よりもニッチ特化+思想明確が現実的
  • 技術よりも「何を大事にするSNSなのか」の設計が鍵
  • 質の高いつながりと運営の持続性を両立する設計が、これからのSNSの形かもしれません

📚 参考資料(3章-5)

  • Zenn公式ブログ
  • Qiita 運営の開発者インタビュー
  • Pixiv 年次報告書(2023)
  • note 運営者インタビュー記事(note・2024年)
  • Wantedly Vision ページ(2024年)

📚 他の記事も読む → IT事情徒然シリーズ一覧(0章)

→ 次回は4章へ続く予定です。

Discussion