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DMARCを「p=reject」に切り替えてなりすましを完全ブロックした話

に公開

はじめに

Google Developer Program の登録要件により、私は support@mydomain.com という独自ドメインのメールアドレスを作成しました。
ところが、アプリ公開後すぐに「なりすましメール」が大量に発生。DMARCレポートを見ることでその実態が明らかになり、
最終的に p=reject へポリシーを強化することにしました。

この記事では:

  • どんななりすましがあったか
  • なぜ reject に切り替えたのか
  • どうやってDMARC設定を変更したか
  • 今後どう変わるか(予測)

をまとめます。


📮 なりすましの状況(実例)

アプリ公開後、GoogleやMicrosoft、Mail.RuなどからDMARCレポートが届くようになりました。

毎日送られてきたレポートの内容:

  • 世界中のIP(米国、欧州、アジアなど)から support@mydomain.com を偽装したメールが送信されている
  • SPF / DKIM ともに失敗 → なりすましと判定
  • 特に Mail.Ru からは 5日連続で毎日19件 の報告(明らかに自動スキャンの形跡)

❓ なぜ「reject」に切り替えたのか

1. quarantine では迷惑メールとして扱われるだけ

  • 一部の受信者に届いてしまう可能性がある
  • 誤解される可能性もゼロではない

2. メールアドレスの用途が限定的だった

  • Google Developer登録専用で、通常の送受信には使っていない
  • 運用上、reject にしても不都合はない

3. 攻撃が継続し、再利用IPも増えていた

  • 同一IPの再出現、複数日連続での攻撃など、自動化された試行と判断
  • 明確に「ブロックすべきフェーズ」に入った

🛠 DMARCの変更方法(WordPress.comドメインの場合)

  1. WordPress.com にログインし「アップグレード → ドメイン」を開く
  2. 使用中の独自ドメインを選択し「DNSレコードを管理」へ
  3. _dmarc という TXT レコードを編集

変更前:

v=DMARC1; p=quarantine; rua=mailto:support@mydomain.com

変更後:

v=DMARC1; p=reject; rua=mailto:support@mydomain.com

pct=100 や最後のセミコロン(;)は省略可能です。


🛡️ 予想される効果

  • 不正ななりすましメールはすべて即時拒否(相手に届かない)
  • 受信者側の迷惑メールフォルダにも入らない
  • あなたのドメインの信頼性が向上
  • GmailやOutlookなどでの「正規メール配信成功率」が上がる可能性あり
  • 今後のレポートでは disposition: reject が記録されるようになる

✅ 最後に

SPF/DKIM/DMARC を揃えていても、「なりすましが送られること自体」は止められません。
でも、受信者に届かせない(rejectする)ことで、現実的な被害はゼロにできます。

特に、サポート専用や公開用のメールアドレスは p=reject による防御が非常に有効です。
あなたのドメインも、静かに、しかし確実に守っていきましょう。

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