【読書】エッセンシャル思考|時間とエネルギーの使い方を最適化する
はじめに
読んだ本:エッセンシャル思考
著者:グレッグ・マキューン
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「エッセンシャル思考」は2014年に出版され、全米でベストセラーとなったビジネス書です。
著者のグレッグ・マキューン氏はapple、google、facebookなどの企業コンサルタントを務めています。
副題は 「最小の時間で成果を最大にする」
なんて甘美な響き、誰だって時間をかけずに成果を上げたいと思っています。僕は思っています。
「この本のエッセンスを少しでも吸収し役立てたい・・・!」
復習も兼ねて要点と感想をまとめておこうと思います。
エッセンシャル思考とは「何をやるか?」を決めるアプローチ
「エッセンシャル思考」とは一言で言うと、
「何をやるか?」「何をやらないか?」
を決めるアプローチです。
「やらなくてはいけない」「どれも大事」「全部できる」
私生活や仕事でこういうことを考えるシーンは多いと思います。
- 無茶なスケジュールでも仕事を頼まれたら「イエス」と言う
- どの技術も大事だからと興味が分散し、自分の強みがない
- 自己の優先順位が決められず、ワークライフバランスの調整に失敗する
これは 非エッセンシャルな考え方 です。
一方、エッセンシャル思考の考え方は以下です。本著より引用します。
「やらなくてはいけない」ではなく 「やると決める」
「どれも大事」ではなく 「大事なものはめったにない」
「全部できる」ではなく 「何でもできるが、全部はやらない」
本当はごく少ない大事なことを選びとり、そこにエネルギーを注いでいきます。
エッセンシャル思考だと何が嬉しいか
エッセンシャル思考だと、”本当に重要な”やるべきことに集中 して最大限の成果をあげられます。
上図の通り、非エッセンシャル思考では「大事なこと」が多すぎて、一つ一つを見ると少ししか進められません。
一方、エッセンシャル思考では「何をやって何をやらないか」を熟考し選び取ることで同じエネルギーでものごとを大きく前に進められます。
エッセンシャル思考を実践する方法
エッセンシャル思考を実践するためには、「自分が何をやるのか自分で選ぶこと」 が必要だと本著は述べています。
どうすれば最高の成果が出せるのか、様々な選択肢を見比べ熟考します。
- 正しいこと(何をやるか?)
- 正しい理由(なぜやるか?)
- 正しい時期(いつやるか?)
この3つのパラメータで選択肢を絞り込み、最高の成果が出る場所を探ります。
当然、他の選択肢は捨てることになります。
何かを選ぶときは何かを捨てるトレードオフを覚悟しなければいけません。
ここで、大多数の不要なものごとに「No」を突きつけられず 「自分が何をやるのか自分で選べない」のは、ゴールが明確になっていないからです。
ゴールや目標が明確であれば、それにそぐわないことには「No」と言えますが、
ゴールや目標が不明瞭だと何をするべきかが曖昧になり全てを受け入れることになってしまいます。
本質的な目標を定め、何が最優先なのか明確にすることで必要な最小限なものが選び取れるのです。
エッセンシャル思考のリーダー
エッセンシャル思考は強いチーム作りにも貢献します。
本書では繰り返し以下の言葉が出てきます。
より少なく、しかしより良く
これを基本方針に選択肢を見極め、
- 人材の選別にこだわる
- 「チームで何か一つだけしかできないとしたら何をするか?」を考える
- 各メンバーの特性と目標から最良の配置をする
を考えることがリーダーには必要です。
基準を高く持ち、そこそこのものには「No」と言う勇気が必要です。
ここで妥協したことは、後になって負債として返ってきます。
エッセンシャル思考を開発現場に適用する
例えば、運用中のシステムを保守しているチームがあるとします。
このチームでは、日々カスタマーサポートからの問い合わせや、細かなバグ対応や小さな機能追加を行っています。
ある日このシステムに大きな機能追加をすることになりました。
保守チームは日々の仕事に追われている中、新機能追加のタスクにも追われます。
上記のようなケースは結構あるあるな状況だと思います。
僕もいくつかの会社で同じような経験をしています。
そこで大事なのは、 「本当に重要でいちばん優先することは何か?」 を考えることです。
- 日々の業務も新機能追加もどちらも大事だと考え無理くりこなす(非エッセンシャル思考)
- 新機能追加が最優先事項だと考え、日々の業務は断るorセーブしてもらう(エッセンシャル思考)
非エッセンシャル思考の場合、頑張れば無理やりこなすことはできますが疲弊します。おそらく優先順位は新機能開発の方が高いとはいえ、突発で入る問い合わせや機能追加に忙殺されます。
エッセンシャル思考の場合、最優先は新機能追加だと関係者にコンセンサスが取れた状態にできます。問い合わせはできる限り過去の引用やマニュアルで対応してもらう。
バグに関しても重大なインシデント以外はチケットだけ切って置いておくというルールを決めることで、新機能追加にチームが集中できる状態になります。
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