😨

AWS RI導入で稟議がズレた話|税抜と税込にご用心

に公開

✅ はじめに

これまで、AWSのオンデマンドインスタンスを利用して運用しており、リザーブドインスタンス(RI)の導入は未実施でした。
しかし、一定期間以上稼働が確定しているインスタンスに対しては、RIやSPを導入することで大幅なコスト削減が期待できることから、今回初めてRIの導入を検討・実施しました

AWSのリザーブドインスタンス(RI)はコスト最適化に有効ですが、購入時の請求フローが特殊なため、稟議運用で思わぬ落とし穴がありました。

本記事では、筆者が実際に体験した「稟議に税抜金額を記載 → 請求と差異が発生」という事例をもとに、RI購入時の稟議における注意点と再発防止策をまとめます。


🧨 やらかし事例:税抜で稟議を出してしまった

やったこと:

  • AWSコンソールでRIの金額を確認
  • 全額前払い/後払い/Savings Plans(SP)などのプランをスプレッドシートで比較し、最適なプランを選定
  • 表示価格をそのまま稟議に記載して提出

何が問題だったか:

  • スプレッドシートで最適なプランを選びきったことで、金額の最終確認をした気になってしまった
  • AWSの価格表示は基本「税抜」であることを見落としていた
  • 稟議書には「税込での支出」として記載すべきだった
  • 結果として、実際の請求金額 > 稟議金額 となり、後から説明・差額対応が必要に…

🧾 AWS RI購入の請求の仕組み(簡単におさらい)

項目 内容
表示価格 基本 税抜(USD)
購入タイミング 即時前払い(購入時点で課金)
請求書 購入後に発行されるため、購入前には見られない
為替影響 支払いは円建て。為替レートにより変動あり(日本円請求)

⚠️ RI購入稟議で気をつけるべきこと

✅ 1. AWS価格は税抜表示であることを意識する

→ 稟議には 税込(10%) で記載
表示価格:$500(税抜) → 実際支払い:$500 × 1.1 = $550相当


✅ 2. 購入前に見積書は出ない

  • 稟議提出前に「確定請求額」は把握できない
  • 想定税込額+余裕を持った為替レートで稟議金額を設定するのがベター
  • または、AWS Pricing Calculatorを使用する

✅ 3. 稟議テンプレートは「税抜・消費税・税込」の構成にする

税抜:¥100,000
消費税:¥10,000
税込:¥110,000(実際の支払額)


✅ 4. 為替レートを考慮する

  • AWSからの実際の請求は日本円
  • 支払日当日の為替レートが適用される(USD → JPY)
  • 稟議では想定為替レートを事前に定義しておく(例:1USD = 150円など)
  • 為替変動のリスクヘッジとして数%上乗せして見積もるのが安全

🛡 再発防止のためのチーム運用

  • 「RIは税込前払いである」ことを社内ナレッジに記載
  • クラウド関連の支払いでは 常に税込+請求タイミング を意識する文化づくり

✅ まとめ

AWSのRI購入は費用対効果が高い反面、会計処理上の注意点も多いです。
特に「税抜表示+即時課金+請求書は後日」というAWS特有の性質が、社内の稟議フローと噛み合わない場合があります。

クラウド費用の稟議には、税込換算・為替考慮・支払時期の意識を持ち、社内で共通言語として取り扱えるようにしていくことが大切だと学びました。

Discussion