WindowsとLinuxをデュアル・ブートさせる。
すっかり定着した
「WindowsがアップデートでLinuxのブートローダーを壊すのでデュアルブートすべきではない」
を検証するために、VM上でデュアル・ブート環境を作り運用する。
上記の言説はほとんどの場合「と言われています」というもので、大多数は「Microsoftを悪く言うと来世で報われる」と信じている人たちによる妄言だ。
一方で、割と信用しているマガジンが「XXアップデートでデュアル・ブートに失敗したという報告が多い」と書いていることもある。これもソースへのリンクは無かったりする。
体験事例を探しても、極端にあやふやなことを描いているばかりで、
「あなたのインストール方法がおかしいのでは?」
という疑いをぬぐい切れない。これは海外の掲示板に寄せられる話でも事情は一緒。
ということで、自分の理解のために本当にそんなことが起きるのか検証してみることにした。
環境は以下の通り。
- VMWare Workstation Pro 17.5.2, 17.6.4
- HDD 80GB
- UEFI
- TPM 2.0
- 上記VM上のWindows 11 24H2
このVMは3年くらい、断続的にソフトウェア開発の実験に使っている。一度、修復機能の実験のためにWindowsを初期状態に戻したことがある。
このVMのHDDを160GBに拡張し、その部分にKubuntu 25.04を入れることにする。LTS (24.04)を入れるべきという考え方もあるが、VMはともかく実機の場合、電源管理やGPUの制御のために最新のディストリビューションを使わざるを得ないことがままある。そこで自分が常用しているKubuntu 25.04から始める。
ディスクの拡張
VMwareのディスク容量の拡張
機能を使い、ディスク容量を80GBから160GBに拡張する。
自動翻訳を使っているのだろう、「拡張」とすべきボタンが「展開」になっている。日本の地位は低下したな、と悲しくなる。
Windowsが正常起動することを確認する。ディスク容量は160GBに増えている。当然だが増えた分は空き領域である。
VMWareのスナップショットを取っておく。
Linux側からの確認
KubuntuのインストールディスクからKDE Partition Managerを使ってディスクを確認する。
- テーブルはGPT。
- WindowsはEFI System Partitionを使っている。
- 空き領域は80GBある。
これで、「怪しい構成による異常」は排除できる。
パーティション・プラン
ここが難所。
インストール済みのWindowsの横にKubuntuをインストールするのでInstall alongside
を選びそうになるが、それは間違い。これは既存パーティションをリサイズするための選択肢。
Replace a partition
を選んで、空き領域をクリックするのが正しい。空き領域をKubuntu用にせよという意味。
インストール後に再起動すると、GRUBのメニューが現れる。KubuntuとWindowsを選択できる。もちろん、どちらも正しく起動する。
これでしばらく運用してみる。普段使いのWSLでの作業をこちらのVMに移し、たまにWindowsを起動することにする。
Bootが遅い問題をしばらく追いかけていたが、Dual bootには無関係なため別スレッドに移した。