💡

Kubuntu 25.10とVMware Workstation Pro 17のTIPS

に公開

Kubuntu 25.10をVMware Workstation Pro 17上で動かす際のTIPSをいくつか紹介します。

  • Host OS: Windows 11
  • VMware Workstation Pro: 17.6.4
  • Guest OS: Kubuntu 25.10

ログイン後にブラックアウトする問題の対策

これは致命的な問題です。

ISOイメージからVMにインストールすると、ログイン後に画面がブラックアウトしてしまい、デスクトップが表示されません。ブラックアウト状態ではCTRL-ALT-F3を押しても無反応です。また、ログイン前にCTRL-ALT-F3でコンソールに切り替えることもできません。

この問題はxserver-xorg-video-vmwareパッケージをアンインストールすれば解決するのですが、解決しようにもログインできないためお手上げです。

対策としては、リカバリー・モードから起動して以下のコマンドを実行します。

sudo apt remove xserver-xorg-video-vmware

その後、再起動すればログインできるようになります。

リカバリーモードへの入り方についてはネット上にいくつも解説があるので参照してください。

この問題はLaunchPadにバグとして報告済みです。ワークアラウンドもこのチケットで提案されたものです。

open-vm-tools-desktopのインストール後にログインすると画面がブラックアウトする問題の対策

上の対策を施しても、open-vm-tools-desktopパッケージをインストールしてから再度ログインすると、再び画面がブラックアウトしてしまいます。

これは、open-vm-tools-desktopパッケージがxserver-xorg-video-vmwareパッケージに依存しているためです。かつてはこの依存性は無かったのですが、なぜかKubuntu 25.10では依存関係が追加されています。

これについては以下のワークアラウンドが有効です。

sudo apt install open-vm-tools-desktop && sudo apt remove xserver-xorg-video-vmware

要するに、open-vm-tools-desktopパッケージをインストールした直後にxserver-xorg-video-vmwareパッケージをアンインストールする、という方法です。

パッケージに「依存性がある」としてあるものを強引にアンインストールすことはやや不安ですが、これまで何回か試してみた限りでは特に問題は起きていません。

この問題とワークアラウンドも上記チケットに報告済みです。

ゲスト画面サイズがウィンドウに追従しなくなった時の対策

open-vm-tools-desktopパッケージをインストールすると、ウィンドウサイズの変更にゲストOSの画面サイズが追従するようになります。ところが、この機能が働かなくなることがあります。

典型的な場合として、以下の手順を踏むとこの問題が再現します。

  1. ゲストOSのDisplay Configurationからデスクトップのサイズをメニューで変更する。
  2. その後、VMwareのウィンドウサイズを変更する。

この問題が起きた場合は、ゲストOSのDisplay Configurationからから現在の画面サイズに合うようデスクトップを変更してください。

「そんなことは無理だ!」

と思われる方もご安心を。Display Configurationのメニューに、ちゃんと現在のウィンドウサイズに合う選択肢が用意されています。探すのが大変だと思われる方は、不自然なアスペクト比の画面サイズを選んでみてください。

不自然なアスペクト比の画面サイズを選んでいる様子

ウィンドウをホストOSの画面いっぱいに広げておくと、目指す選択肢がメニューの上の方に現れるため選びやすくなります。

音切れの対策

VMware Workstation Proは、メディア再生に関してはあまり得意ではありません。

ビデオでコードに関しては3Dアクセラレーションを有効にすることでかなり改善されますが、音声に関しては音切れが起きがちです。

どうしてもという方は、別稿のVMware Workstation 17の音切れを解決するを参照してください。

Waylandセッションでマウスの自動キャプチャ&リリースができない問題の対策

open-vm-tools-desktopパッケージをインストールすると、Xorgセッションではマウスの自動キャプチャ&リリースが有効になります。しかし、Waylandセッションではこの機能が働きません。

自動キャプチャ・自動リリースはゲストOSのデスクトップのエッジまで来たマウスが、ホストとゲストの間を切れ目なく移動する機能です。大変便利なのですが、困ったことにKubuntu 25.10のWaylandセッションでは利用できないのです。なお、Ubuntu 25.10のWaylandセッションではこの問題は起きません。

これについては先ごろリリースされたKDE Plasma 6.5.0のバックポートをインストールすると解決することを手元で確認済みです。

解説とインストール手順はリンク先を参照してください。

この問題もLaunchPadにバグとして報告済みです。

手順の簡単な説明

以下の手順はKubuntu 25.10にKDE Plasma 6.5.0バックポートをインストールする手順の簡単な説明です。バックポートはKubuntu 25.10にのみ提供されています。

まず、パッケージをすべてアップグレードしておきます。

sudo apt update && sudo upgrade

次にPPAリポジトリを追加して、KDE Plasma 6.5.0バックポートをインストールします。

sudo add-apt-repository ppa:kubuntu-ppa/backports
sudo apt full-upgrade

再起動すれば、KDE Plasma 6.5.0が利用可能になります。

バックポートが不要になった場合は、アンインストールしてPPAリポジトリを削除すれば、KDE KDE Plasma 6.4.xに戻すことができます。

sudo apt install ppa:purge
sudo ppa-purge ppa:kubuntu-ppa/backports

まとめ

Kubuntu 25.10をVMware Workstation Pro 17上で快適に動かすためのTIPSを紹介しました。

これだけ読むと相当手ごわく感じます。実際手ごわいのですが、一度設定してしまえばあとは安定して動作します。Plasma 6.5の完成度も高くレスポンスも良いのでKubuntu 26.04 LTSが今から楽しみです。

Discussion