ディスク暗号化したLinuxのスワップ領域
有名どころのLinuxディストリビューションについて『ディスク暗号化したときのスワップ領域はどうなっているのか』を調べてみました。
ディストリビューションによってスワップ領域はパーティションであったり、ファイルであったりします。それぞれに一長一短ありますが、パーティションの場合はサイズ変更にひと手間かかります。そしてディスク暗号化している場合にはこれがひと手間では済まない場合もあります。
特にラップトップPCにインストールしたときには、休止(ハイバーネーション)を利用するためにスワップサイズを変更することになるかもしれません。ですので、ラップトップPC利用者にとってスワップ領域の情報は重要です。
調査の方法
VMWare Workstation 17.5のVMに人気のある、あるいは興味のあるディストリビューションをインストールしましした。VMのスペックは全部揃えています。
- CPUコア数 : 2
- 主記憶 : 4GB
- ストレージ : 80GB
ISOイメージから起動し、インストーラを使ってインストールします。インストール中にディスク暗号化を指定して暗号化しました。
- / はext4でフォーマットしています。
- スワップ領域の調査には
swapon --show
コマンドを使用しています。 - カーネルの調査には
uname -a
コマンドを使用しています。
調査結果
ディストリビューション | バージョン | スワップ | サイズ | カーネル |
---|---|---|---|---|
Ubuntu | 24.04.2 | /swap.img | 3.8G | 6.11.0-25 |
Ubuntu | 25.04 | /swap.img | 3.8G | 6.14.0-15 |
Ubuntu Mate | 25.04 | /swap.img | 3.8G | 6.14.0-15 |
Kubuntu | 25.04 | /swapfile | 512M | 6.14.0-15 |
ElementaryOS | 8.0.1 | /dev/dm-2 | 3.8G | 6.11.0-19 |
Zorin OS | 17.3 | /dev/dm-2 | 3.6G | 6.8.0-59 |
Linux Mint | 22.1 | /dev/dm-2 | 3.6G | 6.8.0-51 |
Ubuntuとそのフレーバーは最新版では/直下のスワップ・ファイルに領域を確保しています。しかしながら、それ以外のディストリビューションでは専用パーティションにスワップしています。
スワップ領域のサイズ変更
Linuxは休止する場合、メモリの保存をスワップ領域へ行います。そのため、休止を行う場合は安全を見て主記憶の倍くらいのスワップ領域を確保しておきます。
スワップ・ファイルの拡張法については多くの情報がネット上に有るのでそちらを参照してください。
LUKS暗号化パーティションの上のLVMに作られたスワップ・パーティションの拡張方法については、LUKS暗号化ボリュームをGUIでリサイズするを参照してください。リンク先ではUbuntu 22.04のパーティションサイズを変更していますが、それ以外のディストリビューションにも適用可能なはずです。
なお、GNOME Disksを使ってみましたが、そちらは上手くいきませんでした。
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