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「いらすとや」入門

2020/12/20に公開
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「いらすとや」さんとは

「いらすとや」さんは、かわいいフリーの素材集を公開されています。

サイトを見ていただければ特に説明はいらないかと思いますが、私にとって次の2点が大変助かっています。

商用利用しやすい

商用利用でも、1つの制作物につき素材20点までなら無償です。もう作者様は神です。本当に感謝しかありません。

※この記事執筆時点の利用条件です。また他にも条件がありますので、詳細は必ず『いらすとや』で確認してください。「ご利用について」や「よくあるご質問」にわかりやすく書かれています。

素材が組み合わせられる

イラストに統一感があり、背景が透明になっていて、背景用のイラストやパーツもいろいろ提供されています。自由に加工したり組み合わせたりできるので、すっかりハマってしまいました。

どれくらいハマっているかというと、例えば次のスライドは半年ほど前にオンラインイベントでLTした際のものなのですが、全33ページのうち実に25ページでイラストを使っていました。なんとスライド占有率75%!

そこでみなさまにもハマっていただくために、この記事では「いらすとや」さんのイラストを加工したり組み合わせたりする手順を簡単にご説明します。

なお、「加工するにはPhotoshopとか必要なんでしょう?」と思われる方もいるかもしれませんが、実はお手元のツールでもかなりのことができます。今回は一般的な職場でありがちなWindows 10+PowerPoint 2016を使ってみます。

加工や組み合わせの手順

拡大・縮小

拡大・縮小はWindows 10標準の「ペイント 3D」でできます。

まず、「いらすとや」さんでダウンロードしてきたPNGファイルをペイント 3Dで開いて、ツールバーにある「キャンバス」を選びます。

ここで、「透明なキャンバス」が「オフ」の場合は「オン」にして、「キャンバスでの画像のサイズ変更」をチェックしてから、変更したい幅や高さを入力してください。Enterで確定できます。

「縦横比を固定する」のチェックを付けておけばバランスが崩れません。ただ、わざとチェックを外して、イラストを太らせたり痩せさせたりもできます。

サイズ変更が終わったら左上のフォルダー アイコンの「メニュー」を選んで保存してください。これで拡大・縮小は完了です。

なお、Windows 10標準の「ペイント」でも拡大縮小はできるのですが、背景を透明にすることができず背景が白く塗りつぶされてしまいます。背景が白くない部分で使ったり他の画像と重ね合わせたりする時は、背景が透明のまま編集できるペイント3Dがお薦めです。

切り取り

ここから先はPowerPointを使います。

まず新規でプレゼンテーションのファイルを作成します。そして空白のページに、「いらすとや」さんでダウンロードしてきたPNGファイルをエクスプローラーからドロップすれば、PowerPointに貼り付きます。

次にその画像を右クリックして「トリミング」を選んでください。これで画像の好きな位置を切り取れるようになります。

以下の図で丸を付けた太い枠の部分をドラッグすると、必要な部分を調整できます。カットされる部分はグレーになります。また画像自体をドラッグすると切り取り位置全体を調整できます。

余白や他のオブジェクトを選択したりESCキーを押すと確定します。

なお、数値で細かく切り取り位置を調整することもできます。
画像を右クリックして「図の書式設定…」を選ぶと右側に設定エリアが表示されます。その上にある「図」のアイコンを選んで「トリミング」を開くと、画像の位置や切り取り位置を数字で調整できます。

いらない部分を捨てるだけでなく、必要な部分だけもってくることにも使えます。たとえば吹き出しのイラストが欲しい場合、以下のような感じで吹き出しだけのイラストが作れます。

組み合わせ

前述の手順で切り取ったイラストは、普通の画像と同じなので自由に重ね合わせたり回転させたり拡大縮小できます。PowerPointをお使いの方なら説明不要ですね。

たとえば先ほど切り取った女の子と吹き出しに、寿司桶とウニを組み合わせれば、こんな感じのイラストができあがります。

なお、複雑になると、重ね合わせる順番の調整が大変になりますが、「ホーム」メニューの「図形描画」グループにある「配置」の「オフジェクトの選択と表示…」を使うとラクになります。

右側に、そのページで使われている画像(に限らず全てのオブジェクト)の一覧が並びます。ここで、重なりの順序を変えたり、個々の画像に名前を付けたり、非表示に切り替えたりできますので、試行錯誤するのに便利です。

以下、画像に名前を付けて、わざと女の子を寿司桶より上にドラッグして手前に持ってきた状態です。

反転

イラストは、反転しても違和感なく使えるものが多いです。
たとえば、左を向いているおしゃべりな男性を2つ並べて左側を選び、「ホーム」メニューの「図形描画」グループにある「配置」の「反転」を選ぶと、おしゃべりな双子が完成します。

ただし、文字や影が入っているイラストは、違和感が出てくるものもありますのでご注意ください。

変形

斜めを向いているイラストへの組み合わせは、少し大変です。
例えばイラストレーターのモニターの画面にゲーム画面をはめ込もうとしても、モニタが斜めを向いているのでうまくいきません。

この場合は、はめ込もうとしている画像を選択して、「ホーム」メニューの「図形描画」グループにある「図形の効果」の「3-D回転」の「透視投影」から近い向きのものを選びます。

そして、画像を右クリックし「図の書式設定…」を選んで、「3-D 回転」の値を調整したり、画像のサイズを調整したりしてみてください。

実は私もまだ調整のコツがよくわからなくて、上のイラストもモニター画面にぴったりとは合っていません……

ファイルへの保存

最後にPowerPointで作ったイラストを保存する方法です。

まず、1つのイラストにしたいパーツの画像を全部選択します。そして右クリックして「図として保存…」を選んで保存してください。形式はPNGがお勧めです。

保存されるPNGのイラストは、かなり大きなものになりますが、PowerPointでは保存時の大きさを簡単に調整することができない模様です。そのため、保存されたファイルに対して、最初にご説明した「拡大・縮小」の方法で好みの大きさに調整してください。

ご説明は以上です。

おわりに

絵心がない私にとって、「いらすとや」さんの存在はプレゼン資料作成や技術記事投稿など、本当に役立っています。作者様、本当にありがとうございます。

参考文献・Webサイト

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