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振り返りの手法について調べてみた

2024/12/07に公開

はじめに

Social Databank Advent Calendar 2024 の7日目です。

今回は振り返りの手法についていろいろ調べて見ましたので、それを記載したいと思います。

まず、振り返り手法について調べようと思ったきっかけが、振り返りについて以下の課題感を持っていたからです。

  • KPTを用いて振り返りを行っているが、毎回同じことをしているので形骸化していると感じる
  • 振り返りのアクションがなかなか出てこない
  • アクションの担当者が毎回特定の人になりやすい
  • アクションをやりたいという人が少ない

これらの課題の対策として、

そもそも振り返りのやり方と変えれば、新鮮な気持ちになって当事者意識が増すのでは?

と考えました。

その流れで、世間的に行われている振り返りにはどんな手法があるのか、調べてみることにしました。

振り返りをすると何がいいのか?

ここで一旦、そもそもなぜ振り返りをするのか、をまとめてみたいと思います。

個人的に思う振り返りを行う理由は、

  1. 根本原因を突き止めるため
  2. 一人では思いつかない対策案を検討するため
  3. 自分が問題を二度と起こさないため
  4. 問題を共有することで、他の人も起こさないようにするため

です。

根本原因を突き止めるため

問題には複雑な原因があるり、簡単には解決できません。そのため、事実をきちんとまとめ振り返ることで、そもそもの原因を取り除くことができます。

また、根本原因の追及は、振り返り会を開催する前に実施します。

なぜなら、会議中に根本原因を追及すると、情報をまとめるのに時間がかかります。会議自体が担当者を責任追及する場にもなりかねないので、できる限り事前に終えます。

一人では思いつかない対策案を検討するため

一人で解決策を考えると、どうしても対策が偏りやすいです。(例:個人の技術力の問題だから、ひたすら勉強しよう...など)

そのため、複数人(ロールが違う人たちを集まるといいかも)集めることで、偏った観点を広げることができます。

ただ、闇雲に集めても意味がないので、事前に目的を共有して目的に沿った人選をする方がいいと思います。

自分が問題を二度と起こさないため

問題を解決しないと何度も同じことを繰り返し、成長できないこともあります。

全ての問題を起こさないようにはできませんが、できる限り起こさないようにできます。

そのため、できる限り恒久対応となるように、アクション策定の際はプロセス(仕組み)に絞って行った方が良いと思います。

問題を共有することで、他の人も起こさないようにするため

問題を個人が起こさないようにするだけでなく、他のメンバーも起こさないようにすることで、問題の学びを全体に広げることができます。

単純な失敗であっても学びに変えることで、組織全体の向上に繋げていきます。

振り返りの手法

ここでは調査した振り返り手法について記載したいと思います。

KPT


KPT

  • Keep 良かったこと
  • Problem 悪かったこと
  • Try 次にやってみたいこと

の3つの観点で分析する。

メリット

  • 長所短所を問わず、事実を認識できる
  • 仕事や目標、改善点の見直しに重点を置く

デメリット

  • Tryから具体的なアクションに落とし込むにはファシリテーターの力量がいる
  • Problemに意識いきやすい

YWT


YWT

  • Y やったこと
  • W わかったこと
  • T つぎやること

の3つの観点で分析する

メリット

  • 経験と学習に重点を置く
  • シンプル

デメリット

  • なぜその対策するのか、目的が抜けやすい

Star fish


Star fish

  • Keep Doing すでにやっていることで、効果があり、今後も続けたいと思うこと
  • More of 既にやっていることで、効果が大きく、今後もっと取り組みたいこと
  • Less of 実施に多大な労力を割くのに、大した効果がないので、減らしたい取り組み
  • Stop Doing チームにとって、何のメリットもないこと
  • Start Doing 新しく始めたいことや次にやってみたい施策

の観点で分析する

メリット

  • チーム間で異なる行動をしたことの理由を洗い出し、相互理解を進める
  • 重要なものだけ議論する

デメリット

  • 考える観点が5つもあるので、記載のない観点ができることも...

World Cafe


World Cafe

  • 4〜5人のメンバーに分かれる
  • テーマを言及し付箋などで記載する
  • 以下を数回実施
  • 担当者1人を残して席を移動する
  • 新たな席で担当者がこれまでの議論を説明し、続きを話し合う
  • 最初の席に戻り、議論を続ける
  • 各結果を共有する

メリット

  • さまざまな人の意見を聞くことができる
  • 結論を出す前の情報を集めることができる

デメリット

  • 対話が発散して結論がでないことも

DAKI


DAKI

  • Drop やめること
  • Add 追加すること
  • Keep 続けること
  • Improve 改善すること

メリット

  • 全て次のアクションになるので、対策案が必ず生まれる

デメリット

  • 達成不可能なアクションとなり、タスクの詳細化に時間がかかることも...

Win/Learn/Try


Win/Learn/Try

  • Win 成果報告
  • Learn 学べたこと
  • Try 次のアクション

メリット

  • 勝利や学んだこと、など前向きな意見で話ができる

デメリット

  • マイナス面の話がないので、失敗を見逃される可能性がある

振り返りの比較

ここでは上記6つの手法を個人の独断と偏見で評価したいと思います。また、評価軸は以下で行います。

  • おすすめ度:個人としてどのくらいおすすめしたいか
  • 準備のしやすさ:事前に必要な作業があるか
  • 使いやすさ:説明が少なく、すぐに実施できるか
  • 新鮮度:目新しさがあるか
  • アクション策定:結果から次のアクションを策定しやすいか
手法 おすすめ度 準備のしやすさ 使いやすさ 新鮮度 アクション策定 備考
KPT ⭐️⭐️ ☆☆☆ ☆☆☆ 調べると色々やり方が出てきて、取り入れやすい。形骸化しやすい面も。
YWT ⭐️⭐️ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆ 実施したことから学習したことを記載するので、学びを得る上では一番使いやすいと思う。学ぶことが目的になるかも。
Star fish ⭐️ ☆☆ ☆☆ ☆☆ ☆☆ 従来の振り返りより観点が多いので新鮮な気持ちで実施できそう。考える面が多く、意見が発散するかも。
World Cafe ⭐️⭐️⭐️ ☆☆ ☆☆☆ ☆☆ 意見を言いやすい人数に分かれて実施するので、全体の意見が出そう。準備が大変かも。
DAKI ⭐️⭐️ ☆☆☆ ☆☆ ☆☆ ☆☆☆ アクションを主軸に置いているので、振り返りをしたけど対策案がでない場合に有効かも。大量のアクションが発生し、放置になるものがでそう
Win/Learn/Try ⭐️⭐️ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆ ネガティブな面がないので、振り返りの空気が悪い時に良さそう。失敗を学びにできないかも

まとめ

上記様々な振り返り手法があります。普段はKPTで進めていますが、別の振り返りを試すことで状況を変えられるかもしれません。

過去のセミナーでWorld Cafeを実施したときは、100人規模での実施でした。そのため、席ごとの発想・観点がバラバラで見ているだけで楽しかった印象があります。

また、他の振り返り手法を組み合わせることで、自社にあった振り返り手法を作成してくのもいいと思いました。現在、振り返りを行うごとに対策案が増えていく傾向があるので、「Drop やめること」のような観点は重要だなと感じています。

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