ワイガヤ方式を活用してデザイン原則を考える
こんにちは!デザインチーム所属のnagaiです。
本日で Social Databank Tech Blog Advent Calendar 2023 12日目ということで、この企画も折り返しに差し掛かりました。
今回は、現在デザインチームで実施している ワイガヤを活用したデザイン原則の検討方法 について書いていこうと思います!
デザイン原則とは…
プロダクトのUIUXを検討する上で、デザイン原則は外して考えることのできない大事な約束事です。
使用する色やタイポグラフィを指定するだけのものではなく、そのプロダクトにおける共通の価値観や思想を示す指針となるものがデザイン原則です。
例えば、Amebaのデザイン原則では
- 敬意を表そう
- 心を動かそう
- 快く迎え入れよう
の3つを掲げており、「ユーザーの行動を分析・理解し尊重するべき」「親しみやすい存在であるべき」「誰でもストレスなく使えるべき」というブランドの価値観が示されています。
デザイン原則は具体性を高めるべし
デザイン原則が細部まで考えられていないぼんやりとしたスローガンっぽいものだと、開発を重ねていくうちにだんだん方向性がばらけていってしまいます。
そのため、この原則を定める時は、掲げる言葉のイメージ・具体例をはっきりさせておく必要があります。
「シンプルであれ」と1つとっても、「色数を減らし視覚的に落ち着いたものであるべき」「操作は少なく簡単であるべき」「表示する情報量は少なくあるべき」「できることを減らし単純なサービスであるべき」「余白を多く取った洗練された見た目であるべき」と様々な具体例が想定できますよね。
ワイガヤを利用してみる
私たちデザインチームはこのデザイン原則を詳しく定めるにあたって、様々な部署の社員から意見を集めることで細部の具体性を高めようと試みました。
そのために活用しているのがワイガヤという議論方式です。
「良い意見を言わないとダメだ…」「上司の前だから言いづらいな」「現実的に可能な策を出さなくては」などという様々な縛りから離れ、自由に意見交換を行う場です。
締切に追われ急いで意思決定をするための会議とは違い、普段は発信しづらいような、各々の思い描く理想や本心が出やすいという点が最大のメリットです。
私たちはこの議論方式をとることで、バリエーションに富んだ、かつ忌憚のない意見を多く集めることができると考えました。
ワイガヤのやり方
ワイガヤは、のんびりリラックスできる環境で行うことがマストとされています。
気楽に発言しやすい雰囲気を作ることで、今までになかった新しいアイディアを生まれやすくさせる狙いがあります。
場所
日頃使用している会議室やシンとした密閉空間では、普段のきちんとした会議の空気が抜けづらいですよね。
いつもとは違う場所を選んでみたり、特にオープンな場所で行うことで、参加者のリラックス感を高めることができます。
人数
参加者が多すぎると、全員に意見を出し切るのに時間がかかり、また反対意見も言い出しづらくなりがちです。
逆に少なすぎると場がほぐれづらいこともあるので、4-6人程度が良いとされています。
飲み物
一人一人がよりリラックスした状態になるため、好きな飲み物や軽食を持ち込むことが推奨されています。コーヒーやハーブティー、小さなお菓子などをとって、できる限りくつろげるようにする必要があるのです。(真面目なみなさんは勤務時間中にのんびりすることに抵抗があるかもしれませんが……)
Hondaでは終業間際にお酒を飲みながら実施したこともあったそうです🍺
実際の効果
私たちはサービスの運用が始まって年月を重ねてからデザイン原則の作成に着手したため、原則検討時点で、多くの社員がプロダクトへの課題感や理想像を持っているという前提がありました。
そこで、ワイガヤでは仮のデザイン原則を複数提示し、参加者にそれぞれに沿って長年感じている意見を自由に出してもらいました。
ワイガヤの特性である「自由な意見交換」をブレさせないように 、話題を固定させないことで「優先順度が低くいつもなら後回しにされてしまうがすごく気になっていること」「現在の開発の方向性について」「言いづらかったが実は昔から問題を感じているUIについて」など、デザインチームだけでは得られない忌憚のない意見を多く知ることができたと実感しています。
議事録には、オンラインホワイトボードツールであるFigjamを使いました。
参加者の意見を付箋としてその場で溜めていくことで、大量の意見を後からでも簡単に整理できます。
※ダミーの議事録画像です
素敵なワイガヤライフを
新規プロジェクトの立ち上げや機能開発で詰まった際、少し息を抜いて行うワイガヤという議論方法を活用することで、良いアイディアを生み出せる可能性があるかもしれません。
そんなシーンがあれば、ぜひ活用してみてください!
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