VyOSで作る個人ASのBGPルータ - 準備編
はじめに
個人でASを取るときに、おそらく多くの人はなにが必要かとどうしたら最低限使えるようになるのかで躓くと思います。
そこで今回は設計から構築まで実際にやってみた知識を書き出してみたいと思います。
AS番号を取得しようとしている人へ
AS同士の接続に使われるプロトコルであるBGPについては、ROV以外は基本的にプライベートASでも同じことができるので、本当にパブリックASが必要か考えてみてください。
実際に作ってみよう
物理編
ハードウェア
選択肢として、CiscoなどのHWルータかVyOSなどのソフトウェアルータを利用するかがあります。
HWルータの場合は、最低でも120万経路を処理する必要があるので一般的なルータでは処理しきれないので、処理ができるグレードだと中古だとしてもそれなりの金額になります。
ソフトウェアルータの場合は、汎用PCにルータOSをインストールして利用します。コスト的にはPCの費用だけなのでHWルータに比べて安く済みます。
必要なスペックは、極端に高い必要ないのでCPUがCore i5、RAMが16GB程度あれば動きます。
ルーティングソフトウェア
HWルータの場合はファームウェアに内蔵されていますが、汎用PCを使う場合はインストールする必要があります。
ソフトウェアルータには、FRRやBIRDなどのアプリケーションやVyOSなどのルータOSがあります。
VyOSとは・・・
VyOSはFRRというソフトウェアを軸にDebianをルータっぽくカスタマイズしたもの
ネットワーク編
トランジット
ASが外部のネットワークとつながるためには、当然外部と接続する必要があります。それを実現するためにトランジット事業者を利用します。ただしトランジットは通常は帯域単位での従量課金でそれなりのお金がかかります。
またASの場合はマルチホーム接続が原則必須としてなので2か所以上から受ける必要もあります。
商用ASのトランジット個人で買える額ではないので、コミュニティASからトランジットを受けることになります。
(参考)ピアリングとは・・・
AS同士が接続して経路交換を行うこと
トランジットとは・・・
通常AS同士の経路交換はピアリングによって行いますが、数万数十万にもなるASとピアリングすることは現実的ではありません。そこで別のASからピアリングしていないASとの接続性を提供してもらうこと
JPNICの解説
マルチホーム接続
上流との接続を冗長性や負荷分散のために複数接続すること
JPNICの解説
接続線
トランジット提供をしてもらえる事業者を確保した後は自ASのルータとトランジットAS間の接続が必要になります。
選択肢としては、フレッツ等の上にトンネルを作成して仮想的な専用線として利用することやトランジット提供事業者の設備内に機材を置かせてもらうなどがあります。
ここまでできた方はASを構築する準備ができました
次はルータの構築に続く
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