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脳筋体育会系私立文系大学生がデータサイエンティストになるまでの話

2023/07/17に公開

ちょっとアホっぽいタイトルになってしまいましたが、色々と自分の中で一段落したので、これからは色々な人と(特に同分野同世代)関わってみたいと思い自己紹介も兼ねてこちらの記事を書いた次第です。noteにも同じ記事を投稿しています。

タイトルの通り、私は体育会系かつ私立文系卒というバックグラウンドから大学院で理転して、最終的にデータサイエンティストになることができました。失敗だらけの人生でお恥ずかしい限りではあるのですが、きっと誰かの役にたつと思ってそこに至るまでの過程についてお話ししたいと思います。

大学までやってきたこと

これに関しては本当に一言で片付けられるのですが野球しかやっていませんでした。高校生の時からプロ野球選手になることが目標で、そこから逆算して進路を決定していました。特に野球以外に興味のあることが無かったので早稲田か慶應の文系学部に進学して野球で活躍→実業団かNPB(いわゆる日本のプロ野球)に行ければいいと思っていました。高3の部活引退後の7月から勉強を始めましたがそれで早慶に受かるはずもなく、浪人して慶應の法学部政治学科に進学しました。大学時はあまり野球では活躍できなかったものの、4年時にちょっとだけチャンスを掴んだ時期があり実業団への推薦をいただけたので自分の野球人生の落とし所としては良かったんじゃないかなと思っています。しかし結局野球で生きていく決断をしなかったのは、その時にはもう既にITの分野で生きていこうと決めていたからです。それは大学3年時に何気なく参加したイベントがきっかけでした。

プログラミングとの出会い

大学3年時に友達に誘われて起業家たちが集まるイベントに参加しました。特にそういうものに興味があったわけではなく、友人の付き添いという側面が大きく、とても参加するのが億劫だった記憶があります。しかし参加者の学生と話すと、同世代の学生がWebサービスを立ち上げ、立派に企業として成長させているという話に心を揺さぶられ、自分も何かWebサービスを立ち上げたいと思いようになりました。そこからJavascriptなんかをいじって小さなアプリを作ったりして遊ぶようになりました。しかし興味を持ったのが大学3年の初め頃であり、部活と相まって何かを始める前に就活の時期になってしまいました。

学部時の就活

プログラミングをちょっと齧ったことがあったのでどこかIT系の企業でプログラマーになりたいと思って就活を始めました。しかし就活を始めて気づいたのはIT系の専門職は新卒とはいえ初心者に毛が生えたレベルでは全く太刀打ちできないという厳しい現実でした。一般的な就活ではガクチカとして体育会経験はそこそこ有利になるところですが、IT系の職種ではそういった経験に触れられることも無く、「あなたは今まで何を作ってきたの?」という問いを投げかけられるだけです。私は自分の実績不足を痛感し、他の打開策がないか懸命に探しました。(SIerやITコンサルにとりあえず就職してから転職する等)しかし転職ありきで就職するのは嫌だなと思ったこと、体系的に何かを学んだことがなかったことから、大学院に行って研究やインターンを通してそれなりの技術を身につけて就職しようというのが最終的な結論となりました。また、その時には機械学習系の分野に関心が向いてきたのでpythonを勉強したりしていました。大学4年生になる少し前のあたりから、院試に向けて勉強を始めたのですがこれが想像を超えるくらい過酷なものとなりました。

院死

結論から言うと最初の大学院入試は討ち死にしました。言い訳ですが比較的受かりそうだった数学の試験だけで受けられる学科がコロナで口頭試問のみになり詰んだのが痛かったです。1年目は東大の情報系を受けたのですが、試験も口頭試問も何もわかりませんでした。口頭試問ではトンチンカンな回答をしすぎて最後は教授が苦笑いしながらgitとgithubの違いを聞かれるなどすごく呆れられていた覚えがあります。失敗の理由は楽観的すぎたとしか言いようがありません。私が院試の準備を始めた当時の知識や経験は以下の通りです。

  • 数学ⅡBまでしか高校で習っていない(ほとんどの試験赤点だった。尚且つセンター試験30点くらいだった気がする。授業はほとんど部活で疲れて寝てた。)

  • 情報系の知識ゼロ

  • 卒論書かずに卒業(法学部のため)

一応、一年目にやってきたことを振り返ってみます。最初は高校数学をやり直すところから始まりました。高校数学に関しては下記の学び直し用の参考書とチャートみたいな参考書を買って勉強していました。参考書でわからないところはひたすらヨビノリさんと超わかる!高校数学シリーズを見て補完していました。日々のスケジュールとしては、朝6時過ぎに起きて8時まで勉強→18時ごろまで部活→22時まで勉強していました。

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大学数学に関しては、基本的にマセマシリーズにお世話になり、微積、統計学、線形代数、微分方程式あたりをざっと解いてました。この時点で院試3ヶ月前だったのでなかなか無謀だったなと今となっては思います。
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情報系に関しては、パタヘネと呼ばれるものとアルゴリズム系の参考書をさっと読んであとは過去問を解いていました。
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院試

一度院試に落ちたあとはゆっくり考える時間があったので、本当に自分がやりたい分野は何かについて考えるために研究室訪問を何件かさせていただきました。自分はどちらかといえば、機械学習の理論などを研究するのではなく、データを使って社会の何かしらの問題を解決するような研究の方が興味があることが分かったので、経済学寄りの実証研究ができる某科学大の研究室を受けることに決めました。幸い去年必死に数学を勉強していたおかげで2回目は難なく院試に合格することができ、ひとまず安心することができました。2回目は過去問と下の参考書をひたすら解いていました。この年の1日のスケジュールとしては、9時半から18時まで近所の図書館に篭り、そのあとはひたすら生活費と将来の学費を貯めるために毎日Uber Eats配達員をやっていました。川崎と武蔵小杉の間を行ったり来たりしていて一日平均35キロ近く走っていたのですが体育会系だったので良い運動くらいに思っていました(後の就活で脳筋エピソードで受けたりした)
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修士1年時にやったこと

ここまではなかなか上手くいかないことの連続でしたが、ここからは割と色々なことがとんとん拍子でうまくいくようになりました。まず、実践的な開発経験を身につける必要があったため長期でインターンできる企業を探し始めました。公募されているところは技術的な要件が高そうだったので教授に土下座して(※比喩)半ばコネでインターン先を決めてもらいました。そこでデータ分析の開発案件をこなすことでそこそこスキルアップすることができました。夏頃になると就活のサマーインターンシップの公募が始まりました。自分の研究分野に近いマーケティング関連のデータ分析に関心があったので大手の広告代理店2社のデータサイエンスコースに応募してみました。開発経験が効いたのかどちらも受かり、さらにここで両方合わせて3ヶ月ほどの実務経験を積むことができました。この時点でやっと他の理系院生たちとも一緒にやっていけるくらいのスキルが身についたのかなと思います。その後もこれまでの経験をネタにしてリサーチアシスタントで大学全体の研究戦略を考える分析案件に携われたり、長期のインターンでの開発での実績がそこそこ溜まってくるなど様々な実績を積むことができ、就職先もインターン経由でデータサイエンス職確約で早期に終えることができました。

データサイエンス職になる上でやって良かったと思うこと、必要なかったこと

やって良かったこと

  1. 健康であり続けた
    これは健康なうちは当たり前に思われるかもしれませんが、自分が今までそこそこしんどいときも余裕で乗り越えられたのは単純に体力があるからだと思います。院試の時もランニングやウエイトトレーニング、Uber Eatsでの配達を続けていたので精神的に病むことは一度もありませんでした。

  2. やりたいことを実現させてくれそうな人に主張し続けた
    自分の場合は教授にこういうことをやりたいと言い続けたことで長期のインターンを紹介してもらえました。データサイエンス職含め専門職は最初の実務経験を積むのが最もハードルが高い部分だと思いますがそこを乗り越えるためにはやはり機会をくれそうな人にアピールするのが1番良いのかなと思います。これは就職してからもそうですし、SNSで自分のことを発信するのもありかなと思います。

  3. 多少分からなくても気にせず勉強を継続した。
    元々の性格もありますが勉強してて分からないことがあってもあまり気にしないタイプなので、とりあえず分からないところは置いておいて先に進むことがよくありました。結果的に後で振り返ると一瞬で理解できるみたいなことがよくあるので時間に任せるのも精神衛生上良さそうです

必要なかったこと

  1. 英語
    英語ができるに越したことはないですが、この2年で一回も話題にならなかったので、就職や長期インターンなどの仕事を得るという観点からは必要なさそうです。自分は院試の時にTOEICスコアとTOEFL ibtのスコアが必要だったので受験し、TOEIC975点 TOEFL82点でした。そこそこ強みになるかと思っていたのですが誰も触れてくれませんでした。

  2. kaggleや競プロ
    これもできるに越したことはないですし、自分もできるようになりたいのですが、やはり就職に関しては実務経験が第一かなと思います。学生であれば研究(該当する分野)や開発バイトにコミットするのが優先度高そうです。

  3. 周りとの比較
    マインド面になってしまいますが、周囲と自分の能力を比較し始めると専門職は特にやってられなくなりそうです。特に大学院やSNS上には強い人がたくさんいるので自分のことに集中していないと精神が死にます。

これからやりたいこと

現在の研究でスタートアップに関する政策の効果を分析する実証研究をやっているのでデジタル庁や経済産業省あたりで技術政策(研究開発支援やスタートアップ支援)を作るポジションに携われたら良いなとぼんやり思っています。そこから逆算して、今は起業やビジネスの部分について実践的な経験を積みたいなと考えています。特に自分で作ったサービスやプロダクトでお客さんからお金をいただく経験を早期に積んでおきたいなと思っています。理由としてはスタートアップに元々興味があってプログラミングを始めたことと、政策を考えるにあたって現場の人たちの考えを知っていた方が良いと思ったからです。なかなか卒業までのタイムリミットがあり実現できるか怪しいところですが、自分で作ったアプリのプロトタイプを東京創業ステーションに持って行ったりして頑張っているところです。もし何か面白そうなお仕事だったりイベントなどがあれば気軽にお声掛けいただければ幸いです!

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