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AI時代における専門家との関係強化がPMの成果を決める

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結論

AI時代の黎明期だからこそ、プロジェクトマネージャー(PM)は各分野の専門家との関係をより強化すべきだと考えています。
AI活用で作業効率は大きく向上しますが、それだけでは到達できない領域が確実に存在します。


背景

私は「技術がある程度できるPM」として日々の案件に関わっています。
生成AIやvibe codingの普及により、これまで外部に依頼していた軽微な実装も自分たちで対応できるケースが増えました。
その結果、PMや社内SEが実装領域に踏み込むことでコスト削減やスピード向上が実現できる場面は確かに増えています。

しかし、ここに大きな落とし穴があります。


AIの限界と専門家の強み

現状のAIは膨大な知識を持っていますが、それを「人に体系的にインストールする」ことはできません。
さらに、安全性や親しみやすさを優先する設計上、専門的な答えが必ずしも正確とは限らないのが現実です。

一方、熟練の専門家は課題を正確にキャッチアップし、文脈を踏まえた解決策を提示できます。
これは現時点ではAIが最も苦手とする領域です。


実例:Drupal開発での出来事

ある案件で、リリース直前にDrupalのテーマ開発中、デザイナーが意図せずテーマとDBの紐付きを壊してしまったことがありました。
AIと私の知識を総動員しても10時間解決できなかったこの問題を、外部の開発会社はわずか30分で解決策を提示しました。

この経験から、専門知識を持つ開発者の存在は、AI時代でも非常に強力なポジションだと痛感しました。


今後のPM像と専門家連携

今後、しっかりとした知識体系を持つ技術者は、仕事のやり方は変わっても必要とされ続けるでしょう。
同時に、技術を理解できるPMも業務領域を広げていくと考えています。

ただし、情報が増える分、ハルシネーション(事実に基づかない回答)のリスクも高まります。
だからこそ、PMはAIと専門家の両方を活かすプロジェクト運営力が求められます。


提案:三位一体の体制

私が理想と考えるのは、この三者が共闘する体制です。

  • プロジェクト推進者(PM):全体設計と意思決定を担う
  • AI秘書:作業効率化・アイデア補助・情報整理を担う
  • 専門家:高度で正確な実装・設計判断を担う

この組み合わせこそが、AI時代のプロジェクト成功の必須条件になると考えています。


AIは敵ではなく、強力な相棒です。
ただし、その相棒を最大限活かすには、専門家との信頼関係が欠かせません

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