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オープンソースはオープンな開発を意味しない

2023/05/14に公開2

「あるソフトウェアがオープンソースである、OSSである」とみなせる条件は、そのソフトウェアがOpen Source Initiative(OSI)が定義するオープンソースなライセンスの下に頒布されていることです。それ以外の条件はありません。この「それ以外の条件はありません」のところが誤解されやすいので、どのように誤解されるのか、および、実際のところどうなのかということについて書きます。

OSSの代表格といえば、サーバ、スーパーコンピュータ、組み込み機器など様々な用途で世界中で使われているOSカーネルであるLinuxでしょう。Linuxには以下のような特徴があります。

a. オープンソースライセンスであるGPL v2の下に頒布されている
b. 世界中の技術者たちが誰でもオープンに開発されていて、その開発過程もメーリングリストなどによってオープンになっている

これは事実なのですが、aに加えてbについても「オープンソースの」特徴と誤解されることが多いです。しかしながら最初に述べた通り、OSSはオープンソースライセンスのもとに頒布されていさえすれば後はなんでもいいので、開発もオープンである必要はまったくありません。つまり上記の条件bはソフトウェアがオープンソースであることと関係ありません。

OSSには様々な開発スタイルがあります。Linuxのように誰もが自由に開発できて開発過程がオープンになっているものもありますし、その数はかなり多いです。しかしながら外部からの貢献に消極的なOSSも存在しますし、場合によっては外部からの貢献は一切受け付けないというものもあります。これは別に悪いことではなく、ひとくちにOSSといってもさまざまな開発スタイルがあるというだけの話です。

個人的にはOSSは開発もオープンだと嬉しいなと思うのですが、別にそうしなければいけないというわけではないということを伝えたかったので、この記事を書きました。終わり。