ポリテクセンターのススメ
はじめに
各都道府県には職業能力開発促進センター(ポリテクセンター)と呼ばれる職業訓練を行う施設があります。
プログラマやインフラエンジニアになるためにここ数年スクールを受講するのが流行っていますが、
今回はこのポリテクセンターをおすすめしたいと思います。
ポリテクセンターでは求職者向け訓練と在職者向け訓練があります。
求職者向け訓練はこれから会社に就職するために6ヶ月ほど訓練を受講します。
在職者向け訓練はすでに会社に就職している人向けの1〜3日ほどの内容を絞った講座形式になります。
求職者向け訓練
例えば神奈川県にあるポリテクセンター関東では以下の求職者向け訓練があります。
受講料はどちらも無料でプログラミングやネットワーク、Linux、開発実習などを6ヶ月間で行います。
受講料無料ですよ?かかるのはテキスト代だけですよ?テキスト代でかかるのは数千円です。
プログラミングスクールに高いお金払うよりこっちの方がよくないですか??
東京都の場合は、ポリテクセンターではなく都立職業能力開発センターという都が運営する施設のようですが、無料では6ヶ月のネットワーク施工科というのがあります。
OAシステム科など1年のコースは年間118,800円と有料になるようですが、それでもプログラミングスクールよりは安いですよね。
授業料の減免制度も有ると書いてますし。
上記のように国や都が運営するものではなく、民間に委託したものもあります。
以下はとぴあITスクールというところがやっている講座です。
このような職業訓練は条件を満たせば、職業訓練受講給付金といって
学びながら月10万円貰えるんですよ?
※詳しくは求職者支援制度をご覧ください
ポリテクでは就職支援とか相談も乗ってくれるし、ハローワークと連携してるので求人票も来るんですよ?
これでもまだお金払ってプログラミングスクール行きますか?
※置かれていた求人票
在職者向け訓練
在職者向け訓練でもC言語やPython、Androidなど様々な講座があります。
自分は組込み屋さんではないのですが、ラズパイで遊ぶのが好きなので以下2つを受講しました。
組込みOS実装技術の講座では、u-boot、カーネル、busyboxのファイルシステムをコンパイルして
ターゲットボードでLinuxを起動させます。
起動させたらシステムコールでデバイスファイルにアクセスしてLEDやスイッチの制御、LCDパネルに画像を出したりしました。
TCP/IP通信システムの講座では、ソケットを利用してLinuxのネットワークプログラミングを行いました。
ソケットを利用してクライアント書いたり、Webサーバ書いたりと古典的ですが非常にためになる内容でした。
ポリテクのデメリット
ここまでポリテクの回し者のようにいいとこしか書いていませんが、デメリットもあります。
- 新しいものは触れない
例えばReactやVue.js、AWSやKubernetesなど新しめの技術がすぐにポリテクで提供されるわけではないです。
基本的には枯れた技術が中心で新しい技術のデリバリは時間がかかります。
そういったものを学びたい場合は、書籍や勉強会、Udemyなどのほうが早いでしょう。
だからといってポリテクが技術の動向に興味がないというわけありません。
デリバリに時間がかるだけで、最近ではAWSやDockerを利用した講座なども提供しているところがあります。
組込みでもRustの講座が新設されているのを見た時はたまげました。
クラウドプラットフォーム活用技術(AWS編)
Webを活用した生産支援システム構築技術(コンテナ環境構築編)
組込み技術者のためのプログラミング(Rust編)<ArduinoではじめるRust>
これは裏を返せば、基礎を学ぶにはよい場所だと思います。
まとめ
何を隠そう筆者自身がポリテクセンター関東のシステムエンジニアコースを修了してエンジニアになりました。
だいぶ前なので現在とコース内容は変わってるようですが、以下のようなことを9ヶ月間の訓練で行いました。
- Linuxコマンド&サーバ
- CiscoのSWとルータ
- Windowsサーバ
- C#
- SQLサーバ
- PLC
- 電気/電子回路
- Java/Android
- 開発演習
今振り返ってみてもこのときいろいろものを触れたのはよかったなと思います。
プログラミングスクールを一概に否定するわけではなく、当然ちゃんとしたところもあるでしょう。
しかしスクールを選ぶのに時間かけるぐらいなら最初からポリテク行けばいいのにと思うんですね。
なんせこっち無料ですよ???
ポリテクはいいぞ。
Discussion