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「マリトッツォゲーム」というクソアプリを作った話

2021/12/10に公開

はじめに

クソアプリアドベントカレンダー2021の参加作品として、マリトッツォゲームというものを作成しました。
この記事では、どんな考えで制作していったのかを、企画観点でまとめていきます。

なお、システム面での製作記事も作成しています。併せて読んでいただけると幸いです。
https://qiita.com/SanjiMonica/items/7538b59e27492cf19cbe

どんなゲーム?

まずは、最終的にどんなゲームになったかを説明します。
https://maritozzo.nankakaku.com/

ルール

  • ステージクリア型。全10ステージ
  • マリトッツォをスワイプして、画面上部のお皿まで運んだらクリア
  • 途中にいるハムスターに接触したら失敗。同じステージからやり直し
  • 動くハムスターもいる。以下の2タイプ
     - 経路移動:固定のルートをバウンドorリピート移動する
     - 追跡タイプ:一定範囲内に入ったユーザーを追跡する

ゲームデザイン(何を作るか)

それでは、このゲームをどのようにして考えていったかを解説します。

前提

まず、ゲーム or アプリ(ネタ系ツール)のどちらを作ろうかで悩みましたが、ゲームにしました。
理由は、去年もゲームを作って楽しかったことと、私がゲーム会社に勤めていてゲーム制作はモチベが保ちやすそうだと思ったからです。

何を期待するか

商業的成功は考えなくてもよいですが、制作するからには何かを得たいと思いました。
そこで以下の2点を目標とすることにしました。

  • 多くの人に遊んでもらうこと
  • 遊んだ人に楽しんでもらうこと(反応が貰えればさらに嬉しい)

題材の決定

以下のような流れで題材を決定しました。

  • 今年流行ったものを使いたい
     - マリトッツォ
     - オリンピック(東京、パリ)
     - その他、他社の商品
  • 他社が権利を有しているものはやめておこう
  • マリトッツォはモチーフとしても可愛いし、いろいろ扱いやすそう!これにする

ターゲットユーザーの設定

  • 広く遊んでもらうために、初心者向けにする
     - ゲーム自体も分かりやすく、クリアしやすく
  • 可愛いマリトッツォのイメージから連想して、メインターゲットは可愛いモノ好きな女子にする
     - とはいえ、ゲーム性を持たせることによって、それ以外の人にも楽しんでもらえるようにする

ボツ案「パリトッツォ」

以上の条件から、「パリトッツォ」というゲーム案を作成しました。
内容は以下のとおりです。

  • 画面の中からパリトッツォ(青・白・赤)を探すゲーム
  • ステージごとに制限時間があり、それまでに選択できなければ失敗
  • お手つきをすると制限時間が1秒減る
  • ステージを進めていくと表示数が多くなり、難易度が上がる
  • 高難易度になると、動物モチーフのマリトッツォが出てくる(カニトッツォとかワニトッツォとか)
  • 動物モチーフをタップするとスコアが加算される。ステージクリアには関係がない

ちゃんと作れば面白そうだなと思ったのですが、案を練っていくうちに色覚多様性者への配慮ができていないことに気づきました。
使用できる色などを調べたところ、このゲームを実現するための色数を確保できなかったため、このゲームは見送りとなりました。

再検討

ゲーム案を一から考え直すことになりました。
マリトッツォを実際に食べたり画像検索したりして、以下のようなイメージをピックアップしました。
食べ物/3層構造/中に何かを挟む/小さくて可愛い/複数並んでも可愛い/動物柄にデコると可愛い/中にフルーツ入れると可愛い

また、ゲーム性の面も考え直しました。

  • スマホでプレイする人が多いから、スマホの基本操作を洗い出そう
     → タップ/スワイプ/ピンチイン・アウト
  • 操作としてはスワイプが面白いので、スワイプで遊べるゲームにしよう

こうして、マリトッツォゲームの案が生まれました。
上記から着想を得た要素しては、以下のようになります。

  • スワイプを採用するなら、マリトッツォをスワイプで運ぶゲームにしよう
  • マリトッツォを食べるお邪魔キャラがいて、それを避けて移動するゲームにしよう

あとは、ステージクリア型にすることや、変化をつけるためにハムスターが移動・追跡することなどが自然に決まっていきました。

難易度設定

初心者をターゲットとしていることもあり、とにかく難しくならないように気をつけました。

  • だれでもクリアできるレベルにする。一番難しいステージでも、★5中の4くらい
     - 上級者には簡単すぎてもよい。その分、デザインやハムスターの動きで楽しんでもらえるようにする
  • 最初にステージ数と難易度傾斜を考えた
     - 自分でプレイしながら難易度設定していると難しくしすぎてしまうので、最初に決めた
     - 10ステージで全クリという扱いにする。その後に、上級者向けにEXステージを用意する
      ※ただし、EXステージは時間がなくて作れませんでした
  • 抜け道を用意しておいて、パッと見難しくても実際やってみると簡単にする
     - 当たり判定はマリトッツォの中心のみとする
     - 壁沿いに進むと結構回避できるようにする
     - 指を離すと追跡ハムスターは止まる

その他こだわった点

上記のようにルールや難易度を決めた他に、ゲーム性の向上のために以下のような点をこだわりました。

  • 理不尽要素を無くした
     - ユーザーを追いかけるハムスターは青くした
      ステージ6で初登場するが、青いハムスターを一列に並べることによって、
      「ルートがないぞ。なにか起こるはずだ。青いし」と思ってもらえるようにした
      → リリース後の反応を見ると、あまり意図が伝わってなかったかもです。反省
       ただ「青ハムが~」という話題は出してもらえていたので、青くしたことは正解でした
  • ハムスターの動きは自由に設定できるようにした
     - ゲームの性質上、滑かに動くようにしたいと思った
      それでいて、自由に経路を作成できるようにもしたかった
      → システムの記事でも少し触れていますが、何度か作り直しの上、SVGを採用することで実現できました
     - ただし、結局直線・波線・円運動以外は使用しなかった。複雑な経路を使用する場面を見いだせなかった

補足ですが、ハムスター移動のパラメータには以下を設定できるようにしています。

  • 経路移動
     スピード、経路の伸縮係数(x軸,y軸。負数を使えば反転もできる)、経路の範囲(スタート・終わりの%)、開始位置の%、バウンドorリピート
  • 追跡移動
     スピード、何ピクセル以内に入れば追いかけ始めるか

できなかったこと

今回の制作はほぼ想定通りのものが作れたのですが、余裕があれば以下のような点もこだわりたかったと思っています。

  • 演出
     - 世界感の説明ができていない
      「マリトッツォはちゃんとお皿に載せられた状態で食べてほしいのでお皿を目指している」という設定があります。
      最初のステージに軽く説明を入れたりしたかったのですができませんでした。
      ルール説明のところに文字で書くのもアリでしたが、チープになるだけなのでやめました。
     - アニメーション(失敗時、ハムスターに食べられる。成功時、お皿に載せられて運ばれていく)
     - サウンドの実装
     - ハムスターは進行方向によって画像を切り替える(斜め4方向)
  • EXステージの実装
  • 難易度設定
     - どうやればよいかわからなかったので、感覚だけでやった
     - 今回は簡単でよかったので問題なかったが、ちゃんと難易度設定をしなければいけないものなら難しい
  • システム面
     - スマホでTwitterシェアボタンを押したとき、ブラウザの同じタブで遷移してしまう
      ゲームからの離脱になってしまうので、別タブかTwitterアプリで開くようにしたかった
     - 文字が滲んでいる(ルール説明のところが顕著)

リリース後

想定より多くの反応をいただけました。
面白いという意見をたくさんいただけたので、とても嬉しかったです。
また、以下のような改善点も得ました。

  • 追跡ハムスターが出るところがどうしてもクリアできない
     - 最初はもっと追跡スピードを落とすべきだったのかも。でもその後のステージで詰まるかも
     - 「このステージはスキップ」ボタンを作るべきだった
     - やはり誰でも最後まで行けることが大事
  • マリトッツォが自分の指で隠れてしまって見えにくい
     - 開発中も認識していましたが、そういうものだと思ってしまったのでスルーしてしまいました。
      もっとちゃんと改善案を考えるべきでした

次回以降の制作時に活かしたいと思います。コメントくださった皆様、ありがとうございました!

最後に

ちゃんと考えながらゲームを作るのは初めてだったので、いろいろ難しい点がありました。
それでも概ね想定どおりのものができ、たくさん反応をいただけたことはとても嬉しかったです。
プレイしてくださった皆さん、ありがとうございました。
また、この記事を書くことで、反省点なども改めて認識することができました。
本記事を読んでくださりありがとうございました!

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