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CyberChef入門 - Cyber Security Roadmap

2024/11/30に公開

CyberChef

はじめに

サイバーセキュリティやデータ解析をしていると、文字列やデータを変換・解析する必要がある時があります。そんな時に役立つのがCyberChefです。CyberChefは、文字列のエンコード、デコード、暗号化、データ解析などを簡単かつ効率的に行えるオンラインツールで、セキュリティエンジニアやプログラマーにとっての「万能ツール」として広く利用されています。

今回の投稿では、以下の内容を通じてCyberChefの基本を学んでいきます。

  • CyberChefとは?
  • CyberChefの基本操作
  • 代表的な機能と使い方
  • 活用例
  • 使用時の注意点

CyberChefとは?

CyberChefは、GCHQ(英国の政府通信本部)が開発したウェブアプリケーションで、データ変換や解析のさまざまな操作をドラッグ&ドロップで簡単に行えるツールです。以下のような特徴があります。

特徴

  1. 直感的なインターフェース
    操作はすべてドラッグ&ドロップで行え、プログラミング知識がなくても利用可能。
  2. 多機能
    エンコード/デコード、暗号化/復号、データ解析、ファイル変換など、多数の機能を一つのツールで提供。
  3. 軽量で高速
    ブラウザ上で動作し、インターネット接続がなくても利用可能(オフライン版のダウンロードが可能)。
  4. 自由度の高いワークフロー
    さまざまな操作を組み合わせてカスタマイズ可能。

CyberChefの基本操作

CyberChefの操作は非常に簡単です。以下の手順で使い方を見ていきましょう。

1. 入力エリアにデータを貼り付ける

画面左側の入力エリアにテキストやバイナリデータを貼り付けます。ファイルのドラッグ&ドロップも可能です。

2. 操作(レシピ)を選択

画面右側にある「Operations」パネルから、目的の操作(例:Base64 Decode、Hex to Textなど)を選び、中央の「Recipe」エリアにドラッグ&ドロップします。

3. 結果を確認

操作が適用された結果が、画面下部の「Output」エリアにリアルタイムで表示されます。

代表的な機能と使い方

CyberChefには多種多様な機能がありますが、以下は特に役立つ基本機能の一部です。

1. エンコードとデコード

データをさまざまな形式に変換できます。

  • Base64 Encode/Decode

    入力: Hello, World!
    出力: SGVsbG8sIFdvcmxkIQ==
    
  • Hex to Text

    入力: 48656c6c6f
    出力: Hello
    

2. 暗号化と復号

データを暗号化したり、既存の暗号を復号したりできます。

  • AES暗号化
    パスワードを入力してテキストをAESで暗号化。

  • ROT13(文字列シフト)
    アルファベットを指定の回数だけシフトする簡単な暗号。

3. データ解析

データのパターンや統計情報を確認できます。

  • Entropy Calculation
    入力データのランダム性(エントロピー)を計算。
  • Find Strings
    バイナリデータの中から可視文字列を抽出。

4. ファイル操作

ファイルに含まれるデータを解析したり、形式を変換できます。

  • ファイル分割/結合
    大容量ファイルを分割したり、複数のファイルを結合可能。
  • Hex Dump
    ファイルのバイナリデータを16進数形式で表示。

活用例

例1: Base64デコード

  1. サーバーログに不審なBase64形式の文字列を発見。
  2. CyberChefで「Base64 Decode」を適用。
  3. デコードされた文字列が攻撃者のコマンドであることを確認。

例2: 暗号化されたデータの解析

  1. 受信したデータをCyberChefにドラッグ&ドロップ。
  2. 各種暗号化アルゴリズムを適用して復号を試みる。
  3. 暗号化解除後、不正なアクセスキーが埋め込まれていることを発見。

例3: HEXデータの人間可読化

  1. バイナリファイルをCyberChefで開く。
  2. 「Hex to Text」を適用し、埋め込まれたテキストデータを抽出。

使用時の注意点

  1. 機密情報の扱いに注意

    • CyberChefはオフラインでも動作可能ですが、オンライン環境で機密データを扱う場合はセキュリティに注意が必要です。
  2. レシピの順序に気をつける

    • 操作の順番が結果に影響を与える場合があります。必要に応じて順序を変更しましょう。
  3. 複雑なレシピは保存可能

    • 複数の操作を組み合わせたレシピは保存して再利用できます。

まとめ

CyberChefは、データ変換や解析を効率化する強力なツールです。その直感的な操作性と多機能性から、セキュリティエンジニアだけでなく、あらゆるIT業界の人にとって役立つツールです。
まずは基本機能を試してみて、自分の作業フローの中の選択肢に組み込んでみると、その万能さから効率化を図れるかも知れません。

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