Day 12: HTTP
はじめに
僕たちがウェブサイトを閲覧するとき、その裏では「HTTP(HyperText Transfer Protocol)」という仕組みが動いています。HTTPは、ウェブブラウザがウェブサーバーと通信してデータをやり取りするためのプロトコルです。ここでは、HTTPがどのようにデータを転送し、どんな役割を果たしているのかについて、少し詳しく見ていきます。
HTTPとは?
HTTP(HyperText Transfer Protocol)は、ウェブブラウザとウェブサーバーの間で情報をやり取りするためのプロトコル、つまり通信のお約束です。たとえば、ブラウザにURLを入力すると、HTTPが動き、ウェブサーバーにページのリクエストを送信してくれます。HTTPは「リクエスト」と「レスポンス」という形式でデータのやり取りを行い、ユーザーがページにアクセスできるようにしています。
- リクエスト:ユーザーがページやリソース(画像、動画など)をブラウザを通じて要求すること。
- レスポンス:ウェブサーバーがリクエストに対してデータを返すこと。
このリクエストとレスポンスのやり取りが、ウェブページの表示を可能にしているのです。
HTTPの仕組み
HTTPは、リクエストとレスポンスというメッセージの形式で通信を行います。それぞれのメッセージは以下のような要素で構成されています。
HTTPリクエスト
HTTPリクエストには、ユーザーがブラウザで何を求めているのかをサーバーに伝える情報が含まれています。リクエストは次の構成要素からなります。
- リクエストライン:どのデータを要求するのか、またどのHTTPメソッドを使用するのかが記されています。
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HTTPメソッド:リクエストの種類を指定する命令。以下が主要なメソッドです。
- GET:データの取得。ページを閲覧するときに使われます。
- POST:データの送信。フォームを送信するときなどに使われます。
- PUT:データの更新。
- DELETE:データの削除。
- ヘッダー:リクエストの詳細情報(ユーザーのブラウザ情報など)が含まれています。
- ボディ:POSTリクエストなどで追加のデータ(フォームの内容など)が含まれます。
HTTPレスポンス
サーバーは、受け取ったリクエストに対してレスポンスを返します。HTTPレスポンスも、いくつかの要素で構成されます:
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ステータスコード:リクエストが成功したか、エラーが発生したかを示す番号です。以下が一般的なステータスコードです:
- 200 OK:リクエストが成功。
- 404 Not Found:リクエストされたページが見つからない。
- 500 Internal Server Error:サーバー側のエラー。
- ヘッダー:サーバーからの情報が記載されています。たとえば、コンテンツの種類(HTML、画像など)やサイズ、日時などです。
- ボディ:実際にブラウザに表示されるデータが含まれています。たとえば、HTML、画像ファイル、CSS、JavaScriptなどがここに入ります。
HTTPのステータスコード
HTTPのステータスコードは、サーバーがリクエストにどう応えたかを表す番号です。ステータスコードは3桁で、特定のエラーや成功を示す役割を持っています。
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2xx 成功:リクエストが正常に完了しています。
- 200 OK:リクエスト成功、問題なくページが表示されます。
- 201 Created:新しいリソースが作成されました。
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3xx リダイレクト:別の場所への転送を示しています。
- 301 Moved Permanently:リソースが永久に別のURLに移動しました。
- 302 Found:一時的に別のURLに転送されます。
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4xx クライアントエラー:ユーザー側の問題です。
- 400 Bad Request:リクエストが無効です。
- 403 Forbidden:リソースへのアクセスが許可されていません。
- 404 Not Found:リクエストされたリソースが見つかりません。
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5xx サーバーエラー:サーバー側の問題です。
- 500 Internal Server Error:サーバーの内部エラーが発生しました。
- 503 Service Unavailable:サーバーが一時的に利用不可能です。
HTTPとHTTPSの違い
「HTTP」と「HTTPS」の違いは、通信の暗号化にあります。HTTPは、情報を平文(暗号化されていない状態)でやり取りするため、悪意のある攻撃者が通信を傍受できてしまいます。一方、HTTPS(HTTP Secure)は、SSL/TLSという暗号化技術を使用して通信を保護します。
HTTPSのメリット
- セキュリティ強化:データが暗号化されているため、通信内容が外部に漏れません。
- 信頼性向上:ブラウザにはHTTPSで安全に通信できていることを示すアイコンが表示され、ユーザーに安心感を与えます。
HTTPのバージョン
HTTPにはいくつかのバージョンがあり、特に「HTTP/1.1」と「HTTP/2」がよく使われています。HTTP/1.1は最も基本的なバージョンで、通信が順番に行われるため、複数のリクエストがあると少し遅くなりがちです。HTTP/2は並行してデータをやり取りできるため、ウェブページの読み込みが速くなるメリットがあります。
小テスト
Q1: HTTPの役割は何ですか?
a) ウェブブラウザとウェブサーバーがデータをやり取りするプロトコル
b) インターネット全体を管理する仕組み
c) ユーザー認証を行うためのプロトコル
d) データベースの操作を効率化する仕組み
Q2: HTTPのリクエストに含まれる主要な要素はどれですか?
a) ステータスコード、ヘッダー、ボディ
b) リクエストライン、HTTPメソッド、ヘッダー、ボディ
c) DNSクエリ、IPアドレス、ポート番号
d) HTMLファイル、CSSファイル、JavaScriptファイル
Q3: HTTPステータスコード「404 Not Found」は何を意味しますか?
a) サーバー側でエラーが発生した
b) リクエストされたリソースが見つからない
c) リクエストが無効である
d) リソースが一時的に移動している
Q4: HTTPSとHTTPの主な違いは何ですか?
a) HTTPSはリクエストが高速で行われる
b) HTTPSは通信内容が暗号化される
c) HTTPはブラウザでのみ使用される
d) HTTPSはサーバーエラーを防ぐ
Q5: HTTP/2の主なメリットは何ですか?
a) 暗号化が強化される
b) 通信速度が速くなる
c) ステータスコードが追加される
d) リクエストが同時に行われなくなる
解答
Q1: a) ウェブブラウザとウェブサーバーがデータをやり取りするプロトコル
Q2: b) リクエストライン、HTTPメソッド、ヘッダー、ボディ
Q3: b) リクエストされたリソースが見つからない
Q4: b) HTTPSは通信内容が暗号化される
Q5: b) 通信速度が速くなる
まとめ
HTTPは、ウェブブラウザとサーバーがデータをやり取りするための基本的なプロトコルで、インターネット利用の基盤です。リクエストとレスポンスを通じて情報を交換し、ステータスコードによって通信状況を把握します。また、HTTPSは通信を暗号化することで安全性を強化しています。さらに、HTTP/2のような進化したバージョンによって、ウェブページの読み込み速度も向上しています。HTTPの仕組みを理解することで、インターネット上のデータの流れがよりわかりやすくなります。
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