さくらのクラウド やってみたシリーズ(5) ~DMZ的なネットワークを作成し踏み台サーバの構築
前回の記事ではスイッチを用いた内部ネットワークの構築を行い、内部ネットワークに存在しているサーバ同士のPing疎通を行いました。
この状態ですと、この2台のサーバには外部からの通信が届かないため、さくらのクラウド、コントロールパネルで提供されているコンソール機能でしかサーバ操作が行えません。このコンソール機能はコマンドをペーストすることはできますが、シェルで表示された内容をコピーすることができないため少し不便です。このため外部からSSHでアクセスできる踏み台サーバを作成します。
今の現状
ネットワークのマップを見るとこのようになっています。
共有セグメントに存在しているpublicサーバからインターナル用switchに接続を行い、internal1
,internal2
にそれぞれアクセスが行えるようにします。
さっそくやってみる
やるべきことはpublic
仮想サーバにもう一つNICを付け加えてswitch
に接続を行います。
1. サーバの停止とNICの付け足し
NICを付け足すためにはサーバを停止させる必要があるので、一度サーバを止めます。マップの画面から電源は直接操作できます。
サーバが停止出来たらNICを1枚追加します。NIC
タブから追加ボタンをクリックします
未接続状態で作成されますので、画面右の黒い▼をクリックして、接続を編集
を選択します。
switch
を選択して更新をクリックします。
2. サーバの起動とNICの設定
今までの作業でこのようにpublic
サーバにはNICが2枚存在し、それぞれが共有セグメント
,switch
に接続されていることがわかります。
ただしこの時点ではNICに必要なIPアドレスなどの設定がされていません。
public
サーバにSSHでログインしてip a
を実行します。
1: lo: <LOOPBACK,UP,LOWER_UP> mtu 65536 qdisc noqueue state UNKNOWN group default qlen 1000
link/loopback 00:00:00:00:00:00 brd 00:00:00:00:00:00
inet 127.0.0.1/8 scope host lo
valid_lft forever preferred_lft forever
inet6 ::1/128 scope host
valid_lft forever preferred_lft forever
2: eth0: <BROADCAST,MULTICAST,UP,LOWER_UP> mtu 1500 qdisc mq state UP group default qlen 1000
link/ether 9c:a3:ba:32:2b:ec brd ff:ff:ff:ff:ff:ff
altname enp0s3
altname ens3
inet 163.43.218.53/24 brd 163.43.218.255 scope global eth0
valid_lft forever preferred_lft forever
inet6 fe80::9ea3:baff:fe32:2bec/64 scope link
valid_lft forever preferred_lft forever
3: eth1: <BROADCAST,MULTICAST> mtu 1500 qdisc noop state DOWN group default qlen 1000
link/ether 9c:a3:ba:32:72:0a brd ff:ff:ff:ff:ff:ff
altname enp0s4
altname ens4
このようにもともと存在していたeth0は外部接続用にIPアドレスが付与されていますが、eth1はまだDOWN
状態でIPアドレスが付与されていません。
以下のコマンドを実行してeth1を起動すると自動でローカルリンクアドレスが付与されます。
sudo ip link set eth1 up
ip addr show eth1
3: eth1: <BROADCAST,MULTICAST,UP,LOWER_UP> mtu 1500 qdisc mq state UP group default qlen 1000
link/ether 9c:a3:ba:32:72:0a brd ff:ff:ff:ff:ff:ff
altname enp0s4
altname ens4
inet6 fe80::9ea3:baff:fe32:720a/64 scope link
valid_lft forever preferred_lft forever
以下のコマンドで疎通を確認します。
ping6 fe80::9ea3:baff:fe32:c3d0%eth1
eth1
はping発信元サーバのNIC番号、fe80::9ea3:baff:fe32:c3d0
はinternal1のIPv6リンクローカルアドレスです。
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