さくらのクラウド やってみたシリーズ(2) ~仮想サーバのディスク修正:OSの初期セットアップ~
今日は前回に引き続き仮想サーバの設定を触っていきます。前回仮想サーバの起動時にディスク修正
というオプションがあることに触れました。前回の記事では何も設定しませんでしたが、とても便利な機能なので今日はこちらを触っていきます。
ディスク修正とは
ディスク修正機能は、弊社提供のパブリックアーカイブをもとにディスクを作成する際、パブリックアーカイブ内のネットワークやパスワードが設定されたファイルをお客様の指定に合わせて変更し、サーバ作成後の設定修正の必要なく利用することができる機能です。
これにより、サーバ作成と同時にディスクを作成する場合など、コントロールパネル上で作成するディスクに設定したい値を入力するだけでセットアップ済みのサーバとして利用することが可能になります。
仮想サーバーを起動するとしていされたOSイメージはデフォルトのまま起動されます。このため起動直後にパスワードを設定したり、ホスト名を変更したり、ネットワーク設定の修正などの初期作業が発生します。ディスク修正
の機能を使うことで仮想サーバ起動時にその初期セットアップ済の環境を構築することができます。
さっそくやってみる
前回の記事同様Ubuntuを起動していきます。
その際管理者画面にディスク修正
の設定箇所がありますので、チェックボックスをオンにします。
管理ユーザーのパスワード
ディスク修正を行わない場合、デフォルトで管理者パスワードは空欄となります。ここでパスワードを指定することで任意のパスワードが設定できます。弱いパスワードは設定不可となっています。
ホスト名
ホスト名
は/etc/hostname
の修正です。
公開鍵
公開鍵
を指定することで.ssh/authorized_keys
に配置される鍵をあらかじめ流し込んでおくことが可能です。これによりパスワードを用いないOSへのSSHログインが可能になります。
パーティションのUUIDの変更
パーティションのUUIDの変更
はルートパーティションのファイルシステムにおけるUUIDの変更に使用します。この機能を使うことにより、同一ソースから複数のディスクを同じサーバで起動したい場合に、起動ディスクのUUIDが重複しないようにすることができます。
また設定に不整合が発生しないよう、変更の指定をされたUUIDは自動で/etc/fstab
と以下の内容にも反映されます。
CentOS 7.x, CentOS 8.x, AlmaLinux, Rocky Linux, MIRACLE LINUX
boot/grub2/grub.cfg
, /boot/grub2/grubenv
AlmaLinux, Rocky Linux, MIRACLE LINUXのRHEL9系ディストリビューション /boot/loader/entries/*.conf
Ubuntu, Debian
/boot/grub/grub.cfg
この機能はそれ以外のOSには対応しておらず、マウントポイントが "/boot" 用のパーティションにも対応していない制限がありますので注意してください。
スタートアップスクリプト
スタートアップスクリプト
は指定したスクリプトを実行できます。
指定したOSやバージョンで指定可能なものが異なります。
usacloudをインストールする
usacloud
とはさくらのクラウド用公式CLIです。もともとは外部有志にて作成されていましたが、現在のバージョンはさくらインターネットの公式となっているという歴史があります。
インストールされているパッケージをアップデートする
チェックをオンにするとCentOS系ではyum update、Debian系ではapt-get update & upgradeが実行されます。
あとは通常通り仮想サーバを起動すればこれらの設定が反映された環境が起動されます。
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