データリンク層(L2) (Data Link Layer)
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名前の由来・豆知識 |
| 物理層(L1)で伝送されたデータを正しく届けるための制御を行う層。主にMACアドレスによる通信制御やエラーの検出を担う。 |
データを「リンク(線)」単位で管理する層。スイッチやNIC(ネットワークインタフェースカード)などがこの層に該当。 |
物理的なアドレス(=ハードウェアアドレス)を割り当てて、それを元に宛先を判断して通信を行なっている層のことです。
IEEE(アイトリプルイー)
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名前の由来・豆知識 |
| 通信規格を策定する国際的な標準化団体。LANやWi-Fiなど多くのネットワーク規格を定めている。 |
Institute of Electrical and Electronics Engineersの略称。イーサネットの規格「IEEE 802.3」もここで定められた。 |
日本語表記だと電気電子技術者協会。
| 定義 |
名前の由来・豆知識 |
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ネットワーク機器(NIC)ごとに割り当てられる固有の識別番号で48ビット(6バイト)の値。重複しない。 |
前半3バイトがOUI(ベンダー識別子)、後半3バイトが機器固有番号。16進数で表記される。 |
実際の数値の一例を挙げると「12:34:56:78:9A:BC」のような値です。
差し込み口付近に書き込まれています。
OUI (Organizationally Unique Identifier)
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名前の由来・豆知識 |
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MACアドレスの上位3バイト(24ビット)で、製造ベンダーを識別する部分。 |
IEEEがベンダーごとに割り当てる。ベンダーコードとも表記される。vendor=製造業者・販売者。 |
例えばAppleなら「00:1C:B3」など。IEEEが管理しているため、事業者は自社のOUIを取得する必要があります。
CSMA/CD (Carrier Sense Multiple Access with Collision Detection)
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名前の由来・豆知識 |
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イーサネットで使われる通信制御方式。通信前に回線が空いているか確認し、衝突(コリジョン)を検出して再送する。 |
Carrier Sense=通信路の監視、Collision Detection=衝突検知。ハブ時代のイーサネットで使用。電圧や電波で感知する仕組み。 |
擬人化するなら「これからデータ流していいですかー?」とお伺いを立てる人。
ジャム信号 (Jam Signal)
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名前の由来・豆知識 |
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CSMA/CDで衝突が発生したことをネットワーク全体に知らせる信号。 |
コリジョン(衝突)を検出したノードが「今衝突した!」と全体に知らせる。jam=妨害。 |
CRC (Cyclic Redundancy Check)
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名前の由来・豆知識 |
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データの誤り検出方式。送信データに冗長なチェック値を付与し、受信側で照合する。 |
cyclic=循環、redundancy=冗長。フレームの末尾4バイトで書き込まれる。 |
FCS (Frame Check Sequence)
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名前の由来・豆知識 |
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フレーム末尾に付けられる誤り検出用データ。CRC計算によって生成される。 |
Frame=データリンク層の単位。FCSが一致しない場合、フレームは破棄される。 |
フレームは送受信の道中で壊れる可能性があるため、それをチェックする仕組みのこと。
送信時のCRC計算で書き込まれるFCSの値と、受信時にもう一度CRC計算してFCSを確認している。2つの値が一致しなければ「破損してますね〜捨てちゃいます〜」ということが行われている。
バックプレッシャー (Back Pressure)
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名前の由来・豆知識 |
| ネットワークが混雑した際、送信元に送信制御をかけて一時的に流量を抑える仕組み。 |
直訳すると「逆圧」。フロー制御の一種で、半二重通信の環境で使用される。フレームがバッファを超えるとジャム信号を送信する。 |
擬人化すると「ちょっと待って、、いっぺんに話さないで〜」的な状態。
バッファ (Buffer)
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名前の由来・豆知識 |
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一時的にデータを蓄えるメモリ領域。通信処理のズレや速度差を吸収する。 |
buffer=緩衝材。プリンタや動画再生などでも使われる概念。 |
半二重通信 (Half Duplex)
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名前の由来・豆知識 |
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送信と受信を交互に行う通信方式。同時通信は不可。 |
walkie-talkie(トランシーバ)のように「話す→聞く」を切り替えるイメージ。 |
電車で例えるなら単線のイメージ。
全二重通信 (Full Duplex)
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名前の由来・豆知識 |
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送信と受信を同時に行える通信方式。現在のLAN通信はほぼ全二重。 |
full=完全、duplex=二重。コリジョンが発生しないことが特徴。 |
補足
フレームがバッファを超えるとPAUSEフレームを送信する。
オートネゴシエーション (Auto-Negotiation)
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名前の由来・豆知識 |
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接続された機器同士で通信速度や通信方式を自動的に調整する機能。 |
negotiation=交渉。100BASE-TX / 1000BASE-T などの違いを自動で調整する。 |
近年ではこの機能が主流となっています。すごいですね。
スイッチ (Switch)
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名前の由来・豆知識 |
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MACアドレスを基に通信先を判別し、フレームを転送する装置。L2スイッチとも呼ばれる。 |
switch=切り替える。ハブと異なり、宛先だけにデータを転送する。 |
無駄な通信をせず同時に通信できる(=ネットワークを大きくすることが可能になる)。
MACアドレステーブル (MAC Address Table)
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名前の由来・豆知識 |
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スイッチが学習したMACアドレスと接続ポートの対応表。これに基づいてフレームを転送。 |
学習機能をもつスイッチ(Learning Switch)はここに情報を蓄える。 |
フラッディング (Flooding)
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名前の由来・豆知識 |
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宛先不明のフレームをすべてのポートに転送する動作。 |
flood=洪水。宛先がまだテーブルにない場合に起こる。 |
たくさんの道がある中、通ってきた道以外の全ての道に向かう感じ、、ですかね?
カットスルー (Cut-Through)
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名前の由来・豆知識 |
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受信フレームの宛先MACを読み取った時点で転送を開始する方式。 |
単位にして12Byteしか確認しない。高速だが誤り検出前に転送してしまう欠点がある。信頼性低い。 |
早押しクイズで問題を最後まで聞かずに回答する人。
フラグメントフリー (Fragment Free)
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名前の由来・豆知識 |
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フレームの先頭64バイトを確認してから転送する方式。 |
小さな破片フレーム(コリジョン由来)を防ぐ。cut-throughとstore-and-forwardの中間的性質。 |
ストアアンドフォワード (Store and Forward)
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名前の由来・豆知識 |
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フレーム全体を受信してから転送する方式。誤りチェックが可能。 |
store=保存、forward=転送。現在の主流方式。 |
おわりに
これらの用語をもし小学生に聞かれたら、擬人化を用いるか、車・電車とかの物流にたとえる方法がわかりやすいかな〜と思いながら学習してます。
16進数について存在は知っていましたが、実際に変換していく作業を初めて行いました。明日からはIPアドレスについてやっていくので計算問題も少しずつ解いていきます。
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