IPv6 (Internet Protocol version 6)
| 定義 |
名前の由来・豆知識 |
| IPアドレスの新しい規格。IPv4のアドレス枯渇問題を解決するために設計された128ビットのアドレス体系。 |
Internet Protocol version 6 の略。IPv4(version 4)の次世代として「6」が割り当てられたのは、試験的なv5が既に存在していたため。アドレス表記の省略にはルールがある。 |
勝手に最近のことなのかな〜と思い込んでいましたが、1990年代から考えられていたみたいです。
ちなみに約340澗(かん=10の36乗)個のアドレスが確保できるだとか。
IANA (Internet Assigned Numbers Authority)
| 定義 |
名前の由来・豆知識 |
| IPアドレスやドメイン名、ポート番号などインターネット資源のグローバルな管理を行う機関。 |
Internet Assigned Numbers Authority。「インターネットで割り当てられた番号の管理権限」という意味。 |
| 定義 |
名前の由来・豆知識 |
| アジア太平洋地域におけるIPアドレスの割り当てを管理する地域インターネットレジストリ(RIR)。 |
Asia Pacific + Network Information Centre。アジア太平洋地域を意味する「AP」と「NIC(ネットワーク情報センター)」の組み合わせ。 |
| 定義 |
名前の由来・豆知識 |
| 日本国内のIPアドレスやドメイン名の登録管理を行う組織。APNICの下位機関。 |
Japan Network Information Center。日本のインターネット資源を管理する非営利法人。 |
IPv6アドレスの種類と表記
ループバックアドレス
| 定義 |
名前の由来・豆知識 |
| 自分自身を指すIPv6アドレス。テストや通信確認に使われる。アドレスは::1/128。 |
loop back(折り返す)の意味。通信が外部へ出ず、デバイス内で「折り返す」ことから。 |
グローバルユニキャストアドレス
| 定義 |
名前の由来・豆知識 |
| インターネット上で一意に識別されるIPv6アドレス。IPv4のグローバルIPに相当。アドレスは2000::/3。 |
unicast=一対一通信。前半64ビットがネットワーク部分で、後半はインターフェースを表す。 |
リンクローカルアドレス
| 定義 |
名前の由来・豆知識 |
| 同一リンク(ネットワーク)内のみで通信できるアドレス。範囲は FE80::/10。 |
link(接続)+local(局所的)。「同じリンク内限定の通信」用アドレス。 |
ユニークローカルユニキャストアドレス
| 定義 |
名前の由来・豆知識 |
| 組織内で重複しないように設計された内部ネットワーク用アドレス。範囲は FC00::/7。 |
unique(唯一の)+local(内部的)。IPv4のプライベートアドレスにあたり、インターネット上でルーティングはされない。 |
マルチキャストアドレス
| 定義 |
名前の由来・豆知識 |
| 特定グループの複数ノードに一斉送信するアドレス。範囲は FF00::/8。 |
multi(複数)+cast(送信)。1対多通信を効率化する仕組み。IPv4のマルチキャストアドレスとブロードキャストアドレスもこれにあたる。 |
エニーキャストアドレス
| 定義 |
名前の由来・豆知識 |
| 複数のノードに同じアドレスを割り当て、最も近いノードに通信を届ける方式。 |
any(どれか)+cast(送信)。「複数候補のうちどれか1つに送る」通信。DNSやCDNなどで利用。 |
IPv4射影アドレス (IPv4-mapped IPv6 address)
| 定義 |
名前の由来・豆知識 |
| IPv4とIPv6の共存環境で、IPv4アドレスをIPv6形式に埋め込んだもの。形式は ::ffff:IPv4アドレス。 |
mapped=写し取った・対応付けた。IPv4の表記をIPv6上に写し込んで互換性を保つ。 |
NDP (Neighbor Discovery Protocol)
| 定義 |
名前の由来・豆知識 |
| IPv6でARPの代わりに使用される、近隣ノードの検出やアドレス解決を行うプロトコル。 |
Neighbor(隣接ノード)+Discovery(発見)。ARP+ICMP機能を合わせたような存在。 |
NA / NS (Neighbor Advertisement / Neighbor Solicitation)
| 定義 |
名前の由来・豆知識 |
| NDPで使用されるメッセージ。NSが問い合わせ(相手を探す)、NAが応答(自分の存在を知らせる)。 |
Solicit=求める, Advertise=知らせる。IPv6のARP Request/Replyに相当。 |
EUI-64 (Extended Unique Identifier)
| 定義 |
名前の由来・豆知識 |
| 48bitのMACアドレスから64bitのインターフェースID(IPv4で言うホスト部)を自動生成する方式。 |
Extended(拡張された)+Unique(唯一の)+Identifier(識別子)。MACアドレスに「FFFE」を挿入して64bitに変換。 |
SLAAC (Stateless Address Auto Configuration)
| 定義 |
名前の由来・豆知識 |
| ルーター要請(Router Solicitation)をもとに、ホストが自動でIPv6アドレスを設定する仕組み。DHCPを使わずにアドレスを構成できる。 |
Stateless(状態を持たない)+Address Auto Configuration(自動アドレス設定)。ルーターがプレフィックスを通知し、端末が自分でアドレスを作る。 |
ステートレス・ステートフル (Stateless / Stateful)
| 定義 |
名前の由来・豆知識 |
| IPv6アドレス設定の方式。(どんなアドレスを割り当てられたのか知っている)状態。SLAACはステートレス、DHCPv6はステートフルに分類される。 |
state=状態。状態を保持しない(stateless)か、管理サーバーが状態を持つ(stateful)かの違い。 |
デュアルスタック (Dual Stack)
| 定義 |
名前の由来・豆知識 |
| 同一機器でIPv4とIPv6の両方を有効化し、共存運用する方式。 |
dual(二重)+stack(積み重ね)。IPv4とIPv6の通信機能を“2段重ね”で同時運用。 |
トランスレータ (Translator)
| 定義 |
名前の由来・豆知識 |
| IPv4とIPv6間の通信を変換する装置やソフトウェア。NAT-PT、NAT64などが該当。 |
translate=翻訳する。IPv4とIPv6という「異なる言語」を通訳する役割。 |
NAT-PTに関してはルールが複雑で廃止されて、NAT64がその後継として導入されている。
トンネリング (Tunneling)
| 定義 |
名前の由来・豆知識 |
| IPv6パケットをIPv4ネットワーク内でカプセル化して送信する技術。 |
IPv4ネットワークをトンネルに見立て、IPv6パケットを通過させる。ネットワークの途中でまだIPv4が残っているときに使われる。 |
おわりに
IPv4からIPv6へ移行するのは想像以上に難しいことがわかりました。
いつか私たちみたいなネットワークエンジニアを駆り出して、IPv6への移行業務みたいなことが発生するんでしょうか。
https://www.nic.ad.jp/timeline/20th/chapter10.html
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