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【用語集】CCNA対策学習⑦スタティックルーティング

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ルーティング (Routing)

定義 名前の由来・豆知識
ネットワーク間で最適な経路を選び、パケットを転送する仕組み。ルーターが宛先IPに基づき経路を判断する。 route(道・経路)+ing(動作)。もともとは「航路」や「街道」を意味する英単語で、データの“通り道”を指すが、"ルートを決める"意味合いで使われる。

ネクストホップ (Next Hop)

定義 名前の由来・豆知識
パケットを目的地に送るための次の中継先ルーターのこと。インターフェースのIPアドレスで指定する。 next(次の)+hop(飛び移る・飛躍する)。パケットが“次に飛ぶ先”を表現したネットワーク用語。

ロンゲストマッチ (Longest Match)

定義 名前の由来・豆知識
パケットの宛先に一致する経路が複数あった場合、ルーティングテーブル内で最も一致ビット数が多い経路(最も詳細な経路)を優先して選択する仕組み。 longest(最も長い)+match(一致)。英語のまま「最も長く一致したアドレス範囲を選ぶ」ことを意味する。

スタティックルーティング (Static Routing)

定義 名前の由来・豆知識
管理者が手動で設定する固定経路。変更が少ないネットワークで利用される。 static(静的・固定の)+routing(経路制御)。動的に変化しないことが語源の「static」に由来。

設定コマンド

(config)#ip route <宛先IPアドレス> <サブネットマスク>
                [ネクストホップアドレス|インターフェース> <AD値(任意)>

ダイナミックルーティング (Dynamic Routing)

定義 名前の由来・豆知識
ルーター同士が自動的に経路情報を交換・更新する仕組み。ネットワークの変化に柔軟に対応する。 dynamic(動的・変化する)はギリシャ語「dynamis(力)」に由来。状況に応じて力強く動く性質を表す。

コマンドについては次の章で詳しく書きます。
この2つのルーティングの仕組みは、例えるなら「手取り足取り教えなければいけない指示待ち族」と、「イレギュラーなことにも柔軟に対応できるできるバイトくん」のような感じでしょうか。

ホストルート (Host Route)

定義 名前の由来・豆知識
特定の1台のホスト(IPアドレス)へのルート。サブネットマスクが /32 の経路。 host(接待する人・主要な存在)route(経路)。ネットワーク上の“個別の主役”を指す。

設定コマンド

(config)#ip route <宛先IPアドレス> <255.255.255.255>
                [ネクストホップアドレス|インターフェース> <AD値(任意)>

該当するアドレスが1つしかない状態(/32)なので直通ライン、のような感じでしょうか。

デフォルトルート (Default Route)

定義 名前の由来・豆知識
ルーティングテーブルに一致する経路がない場合に使われる最終的な転送先ルート default(既定・初期)+route(経路)。英語では「選択されなかったときの標準設定」という意味。インターネットには無数のアドレスが存在するため、主にインタネットに接続するためのルートとして全てのアドレスが当てはまるよう設定される。

設定コマンド

(config)#ip route <0.0.0.0> <0.0.0.0>
                [ネクストホップアドレス|インターフェース> <AD値(任意)>

ロードバランシング (Load Balancing)

定義 名前の由来・豆知識
トラフィックを複数の経路や機器に分散させることで、負荷を均等にする技術。経路が複数あり、AD値も同じ場合だった時、パケットを分散する。 load(負荷)+balance(釣り合いを取る)。重さを均等に分けるという物理的意味から派生。

pingコマンド (Ping Command)

定義 名前の由来・豆知識
ネットワーク上の相手ホストにICMPパケットを送り、通信可能か応答時間を確認するコマンド pingは「ソナーの反響音」を擬音化した言葉。魚群探知機の“ピン”という音が語源。

ターミナルやコマンドプロンプト

~ % ping [IPアドレス|ドメインなど]

フローティングスタティックルート (Floating Static Route)

定義 名前の由来・豆知識
バックアップ用に設定する静的ルート。通常ルートがダウンしたときにのみ有効になる。AD値は通常ルートより高くなるよう設定する。 ルーティングテーブルには記載されない。float(浮く・浮動する)から裏ルートや隠しルートのようなイメージ

プロセスウィッチング (Process Switching)

定義 名前の由来・豆知識
ルーターがCPU処理によって1パケットずつ転送先を判断する方式。最も基本的で汎用的だが、処理負荷が高く速度は遅い。 process(処理・工程)+switching(切り替え)。データ転送を「逐次的にプロセス(処理)

ファストスウィッチング (Fast Switching)

定義 名前の由来・豆知識
キャッシュ(cache)を利用してパケット転送を高速化するルーティングの転送方式。 cache=隠し場所fast(速い)+switching(切り替え)。初めて転送した時に記録したMACアドレなどをキャッシュに記憶させて、すぐ参照できるようにする。

ちなみにcashと発音も同じですが別です。
「この宛先へ送るときはこのMACアドレスを使って、このインターフェースから送る」という情報を入れておくところをキャッシュと呼んでいる。

流れてきたパケットを全部ルーティングテーブルと照らし合わせてから転送していたことを、履歴を確認できるようにした感じです。さらに発展させたシスコ独自の方法がCEF。

CEF(Cisco Express Forwarding)

定義 名前の由来・豆知識
Cisco独自の最も高速なパケット転送方式。FIB(Forwarding Information Base)というパケット送信に特化したものを使用して、アジャセンシーテーブル作成し転送する。 Express(迅速な)+Forwarding(転送)。宅配便の“エクスプレス便”のように、即時処理のニュアンス。

CEFの動作フロー(実際のルーター内部)

  1. パケットを受信
  2. 宛先IPを読み取る
  3. FIBを参照して、該当プレフィックスをすぐに特定(ハードウェアレベルで一瞬)
  4. Adjacencyテーブルを参照して、送信に必要なL2ヘッダ情報(MACなど)を取得
  5. L2ヘッダを付けて転送

アジャセンシーテーブル (Adjacency Table)

定義 名前の由来・豆知識
CEFで利用される隣接ルーターや次ホップ情報の管理表 adjacency(隣接・近接)+table(表)。ラテン語「ad(〜の方へ)」+「jacere(投げる)」が語源で、“隣にある”の意。

おわりに

IT業界に無縁だった私でも、ルーターは馴染みのある機器の一つだと思いますが、「ルーターの役割ってこんなに多かったんだ...」と思う毎日です。

明日も今日の続き部分であるダイナミックルートについて学習していきます。

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