ネットワーク層(L3) (Network Layer)
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名前の由来・豆知識 |
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異なるネットワーク間でデータを転送する層。IPアドレス(ソフトウェアアドレス)を用いて宛先までの経路(ルーティング)を決定する。 |
network=網状の構造。ルータなどノードがこの層に該当し、「どのネットワークへパケットを送るか」を判断する。 |
IPアドレス (Internet Protocol Address)
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名前の由来・豆知識 |
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ネットワーク上の機器を識別するために割り当てられた番号。IPv4では2進数32ビットで表現される。 |
MACアドレスと違い表記方法が決められている。オクテッド(8ビット)ごとにドット区切る |
例:192.168.1.1
各オクテッドの最小値は0、最大値は255で、0から255の256通りであるため、全体では256の4乗、つまり2の32乗(約43億)通り存在する。
ネットワーク部 (Network Part)
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名前の由来・豆知識 |
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同一ネットワーク内で共通する部分。ルータが宛先ネットワークを判断するために使用。 |
同じネットワーク部を持つホスト同士はルータを経由せず通信できる。 |
ルータがこの部分を見て、一致していたら同じネットワークなんだな、と判断できる。
ホスト部 (Host Part)
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名前の由来・豆知識 |
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ネットワーク内で個々の機器を識別する部分。 |
同一ネットワーク内でホスト部が異なることで、個別の端末を区別できる。 |
32ビットのIPアドレスはネットワーク部とホスト部の2つの部分から構成されていて、その境界は可変である。IPアドレス単体で見た時に境界部分が判断できないため、範囲を表す必要がある。
サブネットマスク (Subnet Mask)
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名前の由来・豆知識 |
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IPアドレスのネットワーク部とホスト部を区別するための数値。IPアドレスと一緒に表記する。 |
1のビットがネットワーク部、0のビットがホスト部。 |
ネットワーク部の範囲を示す数値とも言えます。
プレフィックス表記 (Prefix Notation)
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名前の由来・豆知識 |
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サブネットマスクの1のビット数を「/」で表す記法。 |
prefix=接頭辞。CIDR(Classless Inter-Domain Routing)で採用。 |
プレフィックス表記
ネットワークトポロジ(構成)図など
255.255.255.0(/24)
2進数表記
11111111.11111111.11111111.00000000
10進数表記
IPアドレスの設定画面など
255.255.255.0
ネットワークアドレス (Network Address)
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名前の由来・豆知識 |
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ネットワーク全体を表すアドレス。ホスト部がすべて0なので個々を識別できない。 |
例:192.168.1.0/24 → そのネットワーク全体を指す。 |
ループバックアドレス (Loopback Address)
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名前の由来・豆知識 |
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自分自身を指すIPアドレス。通信のテストや確認に使用される。 |
loop back=折り返す。実際ではコマンドプロンプトで打ち込んで動作確認などで使われる。 |
ブロードキャストアドレス (Broadcast Address)
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名前の由来・豆知識 |
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同一ネットワーク内の全端末にデータを送るためのアドレス。ホスト部がすべて1。 |
例:192.168.1.255(/24)。broadcast=一斉送信。 |
ブロードキャストというワードが出たら、ひとまず広いんだな、と思ってもらえればOK。
ARP (Address Resolution Protocol)
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名前の由来・豆知識 |
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IPアドレスから対応するMACアドレスを取得するプロトコル。 |
Address Resolution=アドレスの解決。L3からL2に橋渡しする仕組み。 |
ARPリクエスト/ARPリプライ (ARP Request / Reply)
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名前の由来・豆知識 |
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同一ネットワーク内でのMACアドレス照会の通信。リクエストは全端末へ、リプライは該当端末から発信元のみに返される。 |
Request=問い合わせ、Reply=応答。 |
端末Aさんが「192.168.100.1さんに届け物(パケット)があるんですが、MACアドレスはなんですか〜」と全体放送(ブロードキャスト)することをARPリクエスト、それに対して192.168.100.1さんが「私です。MACアドレスは〜〜です。」と応答することをARPリプライ。
パケット (Packet)
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名前の由来・豆知識 |
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ネットワーク層で扱うデータの単位。上位層から受け取ったデータにIPヘッダを付与して転送する。 |
packet=小包。データリンク層ではこれが「フレーム」に変わる。 |
デフォルトゲートウェイ (Default Gateway)
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名前の由来・豆知識 |
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他ネットワークへの出口となるルータのIPアドレス。 |
default=標準、gateway=出入口。異なるネットワーク間通信の中継点。 |
社内のやりとりは身内で完結できたけど、社外にお届けものをするときは最初に受付(ルータ)に行って取り次いでもらうイメージ。
フラグメントオフセット (Fragment Offset)
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名前の由来・豆知識 |
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分割されたIPパケットの元位置を示す情報。再構成時に順序を判断する。 |
fragment=断片。offset=ずれ・位置。 |
TTL (Time To Live)
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名前の由来・豆知識 |
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パケットがネットワーク上を流れることができる最大ホップ数(回数)を表す値。 |
ルータを1つ通過するたびに1減少し、0になると破棄される。ループ防止。 |
ルータを通ると手持ちライフ♡がひとつ減る。
チェックサム (Checksum)
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名前の由来・豆知識 |
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データの誤りを検出するための計算値。送信時に算出し、受信時に再計算して比較する。 |
check=確認、sum=合計。簡易的なエラー検出に使われる。 |
おわりに
ネットワーク層でのヘッダ情報が山場でした。
フラグメントオフセットについて授業でやった時に、そもそもなんで分割されるのかを聞きそびれてしまい自力で調べましたが、理由までたどり着くのに時間を要しました。
図解がわかりやすかったこの記事を紹介して今日はここまでにします。
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