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AWSアカウントを別の組織に移行したときの請求はどこへ?
AWS Organizationsで組織間でアカウントを移動させる際、請求はどちらの組織に計上されるのか気になったことがあります。
本記事では、AWS公式ドキュメントをもとに、アカウント移行時の請求の流れを整理します。
AWSアカウントの移行の流れ
まず、組織間のAWSアカウント移行の流れを確認したいと思います。
AWSアカウントを別の組織に移行する流れは次のとおりです。
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移行先の組織から、移行するアカウントに招待を送る
→ 招待は、アカウントが古い組織を離脱する前に送信しておくことが推奨されています。 -
移行元の組織から、アカウントを離脱させる
→ この時点でアカウントは一時的にスタンドアロン状態になります。
スタンドアロン期間は最小限(理想的には1時間以内)にすることが推奨されています。
また、アカウントを離脱するには以下の情報が必要です。
- 連絡先氏名と住所
- 有効な支払い方法
- 電話番号認証
- サポートプランのオプション
AWS Organizationsを使用してメンバーアカウントから組織を退出する
- 移行するアカウントで、移行先組織からの招待を承諾する
→ 承諾後は新しい組織のメンバーアカウントとなります。
また、移行後は以下の確認が必要です。
- IAMポリシーやSCPの確認・更新
- 課金設定やコスト配分タグの更新
- Reserved InstancesやSavings Plansはアカウント共に移行
移行時の請求はどうなるか
先の流れの請求の扱いは以下のとおりです。
No. | 状態 | 請求の責任 | 備考 |
---|---|---|---|
1 | 移行元組織に所属中 | 移行元組織の管理アカウント | メンバーアカウントの料金は管理アカウントに集約される |
2 | 組織から離脱(スタンドアロン) | 通常はスタンドアロンアカウント | スタンドアロンアカウントが請求対象だが、同一時間内で新組織に参加した場合は移行先に請求される |
3 | 新しい組織に所属後 | 移行先組織の管理アカウント | 以後の料金は移行先に計上される |
AWSの請求は時間単位で計算されます。
同じ時間内(例:11:04に離脱→11:13に参加)であれば、その時間全体の費用は移行先組織に請求され、スタンドアロンアカウントには料金が発生しません。
Migrating AWS accounts between organizations
まとめ
AWSアカウントを別の組織に移行した場合の請求まとめ:
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請求は時間単位で決まる
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組織を離れる前は移行元組織に請求される
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スタンドアロン状態ではスタンドアロンアカウントに請求される
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新しい組織に参加後は移行先組織に請求される
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ただし、スタンドアロン状態が同一時間内であればスタンドアロンアカウントに請求されず、移行先組織に請求される
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