OpenAIが発表したマルチエージェントフレームワーク:Swarmについて
気合い系エンジニアの齊藤です。
先日OpenAI社からSwarmという新しい開発フレームワークが登場したので、そこで得た知見とコードの紹介をしたいと思います。
記事をざっくり読みたい方のために、結論ベースで話を進めていきます。
本記事では「Swarmとは」について解説をしていきます
Swarmとは
結論
- マルチエージェントの開発フレームワーク
- handoffはマルチエージェント開発においては便利そう?
- 実験段階のため、まだキャッチアップは急がなくてもいい
執筆に伴いこちらの記事を参考にしています。ご興味ある方はそちらも確認してみてください。
詳細
Swarmフレームワークの紹介
複雑なマルチエージェントシステムの開発は、以下の3点で開発者にとって大きな課題となっている。
- 調整
- 制御
- スケーラビリティ
- 実行、テスト
これらの課題に対処するために、開発を簡素化するためにOpenAIはSwarmフレームワークを発表しました。Swarmは、エージェントの協調、実行、テストを軽量かつ非常に管理しやすいものにすることに焦点を当てています。
🐝 OpenAI Swarmの主な特徴
記事では5,6つの特徴が記述されていましたが、ここでは特筆すべき3つの特徴について述べます。
1. 軽量かつスケーラブル
Swarmは軽量かつスケーラブルに設計されています。
これによって複数のプロンプトを経由して出力するような独立したタスクや指示を効率的に処理することができます。
以下イメージ
上記イメージでは2度の出力が必要なタスクになっていますが、これをコードで書くときにSwarmで書くと簡単に書けます。
2. コアアブストラクション
Swarmは二つの基本的なアブストラクションに基づいて動作しているようです。(個人的にメインはhandoffだと思います)
Agent:Agentとは言語モデルに渡されたツールを用いて、モデル自体が次にどのようなアクションを取るかを決定、実行、観測し、完了するまで繰り返す機能です。必要に応じて、エージェント同士で会話を引き継ぐことができ、それをマルチエージェントと言います。
Handoffs:Agent間のやり取りを以下のように簡素化させることができます。
sales_agent = Agent(name="Sales Agent")
def transfer_to_sales():
return sales_agent
agent = Agent(functions=[transfer_to_sales])
response = client.run(agent, [{"role":"user", "content":"Transfer me to sales."}])
print(response.agent.name)
Sales Agent
LangGraphよりもAgentを組み合わせていく感覚を得やすいのかなと思いました。
3. ステートレスデザイン
Swarmはステートレスな方式で動作します。ここもLangGraphとは異なっている点ですね!!
呼び出し間で状態を保持しない設計になっているため、スケーラビリティが向上し、分散システムにおける大規模なタスク処理の管理が簡素化することができるようになっています。
🐝 応用例とユースケース
Swarmは以下のようなさまざまな分野での応用が期待されています:
1. カスタマーサービス
例えば、受付AIが顧客のニーズを評価し、技術サポートAIが専門的な問題に対応します。アフターセールスAIが返品や交換を管理することで、シームレスな顧客体験を実現します。
2. データ分析
エージェントが協力して大規模なデータセットを分析し、複雑な計算を行い、実用的なインサイトを生成します。
3. コンテンツ作成
エージェントがチームを組んでコンテンツを生成し、マーケティングキャンペーンを最適化し、パーソナライズされたユーザー体験を創出します。
最後に
実際にもっと触ってみたい方は以下のチュートリアルから始めてみるといいでしょう。(僕含めて)
また他にも面白ポイントなどあれば、ぜひ気軽に連絡してくださいー
補足)真偽不明ですが、このようなツイートもあったのでしばらく静観?
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