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個人開発でクローズドなチャットを作るので電気通信事業に届出

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電気通信事業法

クローズドチャット

第九条の規定に違反して電気通信事業を営んだ者は、三年以下の懲役若しくは二百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

実はこの法律のことは知っていたので、特定の人だけが見られるチャットを作るのを今まで避けてきました。届出は面倒そうだと思っていましたが、実行してみると簡単だったので記事にまとめました。

総務省による解説

電気通信事業参入マニュアル[追補版]
を基準に解説します。

他人の通信を媒介する

電気通信設備を用いて「他人の通信を媒介する」とは、他人の依頼を受けて、情報をその内容を変更することなく、伝送・交換し、隔地者間の通信を取次、又は仲介してそれを完成させることをいう

『他人の通信を媒介する』場合、クローズド・チャットと見なされ、電気通信事業の届出が必要となることがあります。なお『オープン・チャットは電子掲示板と考えらえるため届出は不要』らしいです。そういうものとして受け入れます。

私が作りたいルーム形式によるWebRTCによる音声チャットがクローズド・チャットに当てはまるかと言われると、P2P通信のためのシグナリング機能を提供しP2P通信失敗時の中継サーバーをたてている以上、やはり当てはまると判断し届出を提出することにしました。これでテキストチャットも作れるようになるし一挙両得です。

事業であるか

「事業」とは、主体的・積極的意思、目的をもって同種の行為を反復継続的に遂行することをいい、非常事態時に緊急、臨時的に行うもの、一時的に行うもの、提供者が利用者の法的権利に応えて行うものは事業に該当しない。

クローズド・チャットの運営が営利目的でなくても当てはまりそうです。正式公開前には届出をしましょう。

義務

(検閲の禁止)
第三条 電気通信事業者の取扱中に係る通信は、検閲してはならない。
(秘密の保護)

第四条 電気通信事業者の取扱中に係る通信の秘密は、侵してはならない。
2 電気通信事業に従事する者は、在職中電気通信事業者の取扱中に係る通信に関して知り得た他人の秘密を守らなければならない。その職を退いた後においても、同様とする。

電気通信業者にはこれらの義務が課せられ、通信の秘密の漏えいや一定規模以上の通信事故(重大事故)が発生した場合に、遅滞なく、報告する必要があります。

届出

総務省 届出書類(届出電気通信事業)のダウンロード のページに様式が3つあります。(URLが都道府県ごとに違い、年度ごとに替わるようなのでリンクしません)
公的書類なのでA4に印刷します。

個人の場合は記入する項目は郵便番号、住所、名前、電話番号・メールアドレス、提供区域、事業開始予定年月日、提供する電気通信役務、ネットワーク構成図だけです。様式を見ると面喰いますが、記入例を見るとわかるようにほどんどの項目は空白で大丈夫です。この紙のほかに住民票の写し、送付先住所を記載した返信用封筒+切手が必要です。(切手は念のため50g対応のものを貼っておきました)
サービス名すら書く必要がありませんでした。
以上を封筒に入れて当局に郵送します。

ネットワーク構成図

腕の見せ所とばかりに気合を入れて書きたくなりますが、記入例を見ると下図のように簡素なもので良いようです。私は念のためWebRTC通信の仕組みを気合を入れて書きました。
ネットワーク構成図

住民票

届出で一番手間だったのは役所に住民票を取りにいくところでした。手数料300円也。マイナンバーカードを持っている人はコンビニで交付できるようです。

最後に

受理されれば私も電気通信事業者です。
クローズド・チャットなどは今の時代は30分もあれば作れてしまうものですが、人と人のやりとりを受け持つその力ゆえに法的な責任が発生します。知らなかったでは済まされません。法律を守って楽しく開発しましょう。
ご覧いただきありがとうございました。

※この記事は法的な助言を行うものではありません。