Chrome OS の Linux アプリで使用するフォントを追加する
はじめに
2024年3月4日に Chrome OS の Linux アプリで日本語入力可能な環境を構築する を執筆しました。
日本語の入力も行える VS Code 環境などを整えることができましたが、実はまだ足りていないものがあります。
そう、フォントが初期で入っているものしか設定できないのです。
この記事では Linux アプリで任意のフォントが設定できるようにどのようにしたら良いか、手順をまとめていきます。
筆者環境について
筆者は ASUS Chromebook Flip C436FA にてこちらの確認を行っております。
詳しいスペックなどは下記をご覧ください。
ASUS Chromebook Flip C436FA
簡易スペック
CPU | RAM | SSD |
---|---|---|
インテル Core i7-10510U | 16GB LPDDR3-2133 | 512GB (PCI Express 3.0 x2 接続) |
他詳細スペック
- ASUS 製品ページよりスペックへ
対象となるフォント
今回は tawara 氏 制作の UDEV Gothic を導入してみます。
フォントをダウンロード
今回はユーザーディレクトリ直下に Download ディレクトリを作成しそこに対象となるファイルをダウンロードします。
mkdir ~/Download
対象となるファイルの URL を取得し、 wget
コマンドを使ってダウンロードを行います。
cd ~/Download
wget https://github.com/yuru7/udev-gothic/releases/download/v1.3.1/UDEVGothic_v1.3.1.zip
今回の例では成功すると UDEVGothic_v1.3.1.zip がダウンロードされます。
.zip
ファイルを展開する
ダウンロードされた UDEVGothic_v1.3.1.zip を展開します。
展開には unzip
コマンドを使用します。
unzip UDEVGothic_v1.3.1.zip
展開が完了すると UDEVGothic_v1.3.1 ディレクトリが作成され、その下に展開されたファイルが配置されます。
~/.local/share/fonts
下のディレクトリに移動する
展開されたフォントデータを 無事にフォントデータが展開できたらいよいよ対象となるフォントの設置を行います。
まずは mkdir
コマンドを使ってフォントを設置するためのディレクトリを作成します。
mkdir -p ~/.local/share/fonts/UDEVGothic
今回の例では UDEVGothic というディレクトリを ~/.local/share/fonts/
の下に作成しました。
-p
コマンドを用いているのは間のディレクトリがなくても自動で作成を行ってもらうためです。
ディレクトリの作成が終わったらいよいよフォントデータを移動します。
移動には mv
コマンドを使用します。
mv UDEVGothic_v1.3.1/**.ttf ~/.local/share/fonts/UDEVGothic
以上でフォントデータの設置は完了です。
ダウンロードされたファイルや、展開で発生したディレクトリが不要な場合は削除を行います。
cd
rm -rf ~/Download/*
フォントキャッシュを更新し、利用できるフォントを確認する
ここまでできたらあとはフォントキャッシュを更新し、フォントが利用できるようになったか確認します。
キャッシュの更新には fc-cache
、フォント一覧確認には fc-list
のコマンドを使用します。
fc-cache --force --verbose
--force
はタイムスタンプにかかわらずすべてのフォントを対象に、 --verbose
は確認中のディレクトリを表示しながら処理をするというオプションです。
最後にフォントが利用できるようになったか確認します。
fc-list | grep UDEV
うまく行っていれば UDEV Gothic のフォントファミリー名が表示されます。
動作確認
フォントの追加が完了したら、 Linux アプリでフォントが利用できるか確認してみましょう。
前回の Chrome OS の Linux アプリで日本語入力可能な環境を構築する でも動作の確認に使用した MousePad で設定できれば OK です。
最後に
いかがだったでしょうか。
Chromebook で Linux アプリを動作させるところまではかなり記事が多い印象がありますが、好みのフォントを設定してみるというところを網羅した記事はなかなかないのではないかなと考えます。
今回の記事が同じようなことで悩んでいる方の参考になれば幸いです。
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