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SSH で GUI アプリを実行する

2024/06/03に公開

はじめに

私的なセットアップメモなども兼ねて、 Linux 端末に SSH で接続し GUI アプリ (VS Code など) を使うための設定やコマンドなどをまとめた記事を執筆します。

筆者の環境が、普段使用するデスクと開発用の Linux 端末の位置が離れており、いちいち移動して作業をするのが面倒なので、その手間を省くために設定や手法を調べました。

筆者の環境

筆者の環境です。
普段使用しているのは Windows 11 Pro 搭載のディスクトップ PC と Chromebook になります。
※ いずれも記事執筆時点

Windows 端末

OS ターミナル
Windows 11 Pro 23H2 Windows ターミナル (WSL2:Ubuntu)

Chromebook

OS ターミナル
Chrome OS 125 付属ターミナルアプリ (Debian Linux)

また、接続される側は下記の環境は Endeavor OS を今回は用意します。

Linux 側の準備

まずは接続される Endeavor OS 側の設定をします。
必要なソフトは一通り入っているのでインストールは割愛します。

またセキュリティの観点から SSH キーの導入が本来望ましいですが、同じ部屋の中で必要なときだけ起動している Linux 端末に接続するので今回はそちらも割愛します。

ssh_config の設定

/etc/ssh/ssh_config
Port #0-65535 の範囲の任意のポート
PermitRootLogin no
X11Forwarding yes

/etc/ssh/ssh_config を開き Port, PermitRootLogin, X11Forwarding を設定し保存します。

  • Port : SSH で接続するポート番号です。デフォルト (22) のままだと攻撃のリスクがあるので 0 ~ 65535 の任意の番号に変更します。
  • PermitRootLogin : Root ログインを許可するかの設定です。 no が推奨です。
  • X11Forwarding : X11 の転送を許可する設定になります。 yes にすることで SSH 接続で GUI アプリを使うことができるようになります。

上記の設定をしたら ssh_config を保存します。

sshd を再起動する

sudo systemctl restart sshd

sshd のサービスを立ち上げ直します。
これで先ほど設定した ssh_config の設定が有効になります。

Firewall の設定

firewall-cmd コマンドを使います。

sudo firewall-cmd --add-port=[ssh_configで設定したポート番号]/tcp --permanent --zone=public

ssh_config で設定した SSH ポートを Firewall に追加します。

  • --add-port : 追加するポート番号を指定します。先に ssh_config で設定した番号を設定します。
  • --permanent : 恒久的に設定を適用します。
  • --zone=public : パブリックエリア向けにポートを開放する設定です。
sudo firewall-cmd --permanent --remove-service=ssh

--remove-service=ssh でデフォルトの SSH ポート (22) を OFF にします。

Firewall の再起動

sudo systemctl restart firewalld

Firewall のサービスを立ち上げ直します。
firewall-cmd での設定が有効になります。

接続側準備

Chromebook 側はそのままコマンドを叩けば接続可能ですが、 WSL2 (Ubuntu) で接続する Windows 側はアプリのインストールが必要です。

sudo apt install sshd -y

ssh コマンドを使うために sshd パッケージをインストールします。

SSH 接続

ssh -XC user@192.168.1.10 -p 12345

接続先の IP アドレスが 192.168.1.10 、ポート番号が 12345 、使用するユーザーアカウントが user だった場合、上記のような ssh コマンドを使って接続します。
コマンドのオプションは下記のような意味になります。

  • -X : GUI アプリケーションを使用できるようにします。
  • -C : すべての通信を圧縮します。
  • -p : ポート番号を指定します。

接続がうまくいけば、使用するユーザーアカウントのパスワードを入力するようになります。
パスワードを入力し、ログインします。

GUI アプリを使う

SSH 接続がうまくいったら次は GUI アプリを起動します。
たとえば MousePad を起動する場合は下記のようにコマンドを入力します。

mousepad

すると MousePad が立ち上がり使用できるようになります。

最後に

いかがでしたか。
このように思ったよりも少ない手順かつ簡単な設定で、同じネットワーク内にある Linux 端末に接続し、 GUI のアプリを使うことができました。
最初は Chrome Remote Desktop を使うことなどを検討しましたが、こちらのほうが導入が楽です。

この記事が同じようなことを実行しようとしている方の助けとなれば幸いです。

参考記事

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