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クリエイターが依頼の受付状況などを1ページにまとめられるサービスを作りました

2022/12/15に公開

こんばんは。椎名と申します。普段はWeb制作っぽいことをしたり、イラストを描く人のことを支援できるようなものを作りたいな~と思いながら色々作ったりしています。2022年ももう終わるので、忘れてしまう前に、今年作っていたサービス「Yotei」のこれまでについて書こうと思います。

Yoteiは「依頼に関する情報を1ページにまとめるサービス」を目指していて、クリエイターが依頼の受付状況や料金表、依頼の流れなどを簡単に設定、Webページとしてシェアできるサービスで、現在1000名以上の方に登録していただけています。

背景・開発を始めるまで

ツイッター上で活動しているイラストレーターの方の中に、依頼の受付状況や、価格帯などについてまとめた画像をを手書き/アプリで作成したり、名前の最後に「@依頼受付停止中」のような記載をした「依頼垢」と呼ばれるサブアカウントを作成し、運用している方がいます。

しかし、画像で作成する場合、受付可否を変更するだけで毎回新しく画像を作り直さねばなりません。僕はあまりそういった作業が好きではないので、簡単なWebアプリケーションにすることで解決できないかと思い、友人のAumyとYoteiを作り始めました。

とはいえ僕はイラストを描かないので、作ってしまってから「実はイラストレーターは誰も面倒だと思ってなかった!」なんてことになるのは悲しいです。
なので開発に着手する前に、下のようなツイートをしてみました:

https://twitter.com/s7tya/status/1477803086903414785?s=20&t=38fQbwU2AslY3MXpHuVgdQ

すると、実際に動作するプロトもない段階ですでに500回近くリツイート、1000回以上いいねされるなど想像を遥かに上回る反応をいただけました。
(全く想定していなかったので急いで事前登録フォームを作ったりドタバタしてました...笑)

これは作るしかない!ということで実際に開発に着手します。

技術選定

とにかく想像以上の反応をもらってしまったので、早く試してもらわなければ、という気持ちが強くあり、使い慣れていて早い Next.jsとFirebaseを用いて開発することにしました。また、デプロイ先はVercel, UIはFigmaでデザインしたものをChakra UIを使って実装しました。

クローズドβ版公開

最初は少ない人数に試してもらって一般公開までに最低限整えたかったので、事前登録していただいた方の内、20名程に連絡をして実際に使っていただきました。

ただ、この段階では当初のツイートにあった「Yoteiのサービス上で依頼の連絡も確認できるようにする」という機能への温度感がわからず、たくさん反応をいただいたのが何を期待してのものだったのか測りかねていました。

そのため、数名のユーザーにヒアリングを行い、一旦は受付状況をまとめる機能を優先することにしました。

一般公開

さて、遂にコアの機能が完成して一般公開です。

https://twitter.com/s7tya/status/1512739626636640256?s=20&t=38fQbwU2AslY3MXpHuVgdQ

こちらのツイートも2500いいね、1500RTを超えるなどたくさん反応をいただきました。ただ、最初から伸びていたというわけではなく、最初は知り合いのエンジニア界隈のシェアが中心で、クリエイターの界隈の人に一度届いてからは一気に伸びた、という感じでした。また、面白いことに、当初想定していたイラストレーターの方だけでなくLive 2Dモデラーの方や、TRPGの界隈からもたくさん反応をいただけました。

公開当日から100名以上に登録していただけて、一週間で300名近いユーザーに利用してもらえるようになりました。Slackに新規登録があった際に通知が来るように設定していたので信じられない数通知が来て嬉しかったです。

反省点

いい感じに書きましたが、躓いたことも多かったのでそれを最後に少し紹介して終わりにしたいと思います。

素早く公開することに意識を向けすぎて仕様変更のしやすさを考えていなかった

最近は一瞬である程度動作する所まで作れる技術スタックが増えてきました。しかし、今回採用したFirebase + Next.jsの構成などは(知識不足もありつつ、)仕様変更をたくさん行うことには向いていないものも多いなと感じています。Yoteiで技術選定を行ったときにはそのようなことを意識していたかったため、機能追加の度に色々な辛さを背負うことになってしまいました。

クローズドベータの間だけNext.js + Firebaseにするとかでもよかったかなと思っています。

課題を表面的にしか捉えられていない

最初に書いたように、Yoteiは「画像を毎回作らなきゃいけないのは面倒だからそれをちょっと便利にしよう」ということで開発を始めたサービスです。面倒なことをちょっと便利にすることだけを目標にしていて、課題を表面的にしか捉えられておらず、Yoteiでどういった状況になるのが理想的なのかを考えられていなかったのが良くなかったと反省しています。

たとえば、現状の依頼垢では価格表を作っている人が多かったため、価格表を作れる機能を実装しました。しかし、一度明確な数値で価格を公開してしまうとそれを超える規模の依頼がこなくなったり、他の人に「〇〇さんはこの値段で受け付けてるのに!」というような連絡をする人が現れたりするなどの好ましくない面も考えられます。こういった議論の余地がある機能について、実装をするべきか、しないべきかを明確に判断できないのは課題を表面的にしか捉えられていないからだと思っています。

最後に

一般公開をした4月から8ヶ月ほど経ち、Yoteiは現在総アカウント数が1000を超えるサービスになりました。

7月以降は私生活が忙しくほとんどコミットできていなかったのですが、また生活も落ち着いてきたので再開しようかなと思っています。最近はsatoriというHTMLからSVGを生成してOGPにできるライブラリがリリースされるなど、以前よりやりやすくなったことも多いと思うのでリファクタリングもしたいですね...。

長々と書いてしまいましたが最後まで読んでくださりありがとうございました。いいねやシェアもしていただけるととても喜びます!

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