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異方性フィルタリングの概要とUnityにおける設定
異方性フィルタリング(Anisotropic Filtering, AF)とは
異方性フィルタリングは、3Dグラフィックスにおいてテクスチャの鮮明さを向上させるフィルタリング技術の一つです。特に、視点の角度が浅い(斜め方向から見た)テクスチャのぼやけを低減するために使用されます。
テクスチャフィルタリングの問題
3Dレンダリングでは、テクスチャをポリゴンに貼り付けて表示します。
しかし、テクスチャが画面上で縮小・拡大されるとき、ピクセルごとの適切な色を計算するフィルタリング処理が必要になります。この処理が適切でないと、以下の問題が発生します。
- エイリアシング(Aliasing):ギザギザやモアレ模様が発生
- モザイク(Blurring):ぼやけたテクスチャになる
- 視点の角度によるぼやけ:視線が斜めのときにテクスチャが不明瞭になる
このような問題を解決するために、異方性フィルタリングが使われます。
Unityのテクスチャインポート時の設定
テクスチャのインポート設定を調整
- Unityエディターで、対象のテクスチャを選択します
- インスペクターウィンドウの「インポート設定」セクションで、「アドバンスド」をクリックして詳細設定を表示します
- 「Aniso Level」の値を設定します。数値が大きいほど効果が強くなります
- 一般的には、床や地面のテクスチャには高めの値を設定すると効果的らしいです
プロジェクト全体の品質設定を確認
- メニューから「Edit」 > 「Project Settings」 > 「Quality」を選択します
- 「Anisotropic Textures」の設定が「Per Texture」または「Forced On」になっていることを確認します
- 「Disabled」の場合、個別のテクスチャ設定が無視され、異方性フィルタリングが適用されません
フィルタリング手法の比較
フィルタリング手法 | 特徴 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
最近傍フィルタリング(Nearest Neighbor) | 最も近いテクセルの色を使用 | 高速、負荷が小さい | ギザギザやモアレが発生 |
バイリニアフィルタリング(Bilinear Filtering) | 4つのテクセルを補間 | スムーズな見た目になる | ぼやける場合がある |
トライリニアフィルタリング(Trilinear Filtering) | バイリニア + MIPマップ補間 | MIPマップの境界のぼやけを防ぐ | 斜め方向のぼやけは防げない |
異方性フィルタリング(Anisotropic Filtering) | 視線に応じて適切なテクセルを選択 | 斜め方向でもシャープなテクスチャ | 計算負荷が高い |
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