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Windowsのポテンシャルをさらに引き出すツール群「PowerToys」

2021/03/16に公開

PowerToysとは

PowerToysとはMicrodoftが開発しているWindowsの拡張ユーティリティ郡になります。もともとWindowsに搭載される予定だった機能が、別途まとめて配信されているものとなり、現在オープンソース化されて開発されています。
https://github.com/microsoft/PowerToys

現在Windowsはアップデートでどんどん改良され、アップデートを重ねるたびに全体的にかなり使いやすくなってきました。しかしまだ完全ではなく微妙に使いにくいと感じる部分も多くあります。Windowsには多くのフリーソフトが存在するため、各自で不満点を補うことが簡単にできるのが強みです。そこでMicrosoftもPowerToysというユーティリティを開発し提供しており、開発を進めています。またMicrosoftが開発している公式の拡張ユーティリティ群になるのでシステムから簡単に呼び出せたりといったWindowsとの親和性の高さと安定感があります。

提供されている機能はPowerToysのアップデートにより、どんどん追加され、Windowsに今後標準搭載される可能性もあります。

PowerToysで提供される機能一覧

機能名 説明
PowerToys Awake PCの起動維持ツール
Color Picker カラーピッカーツール
FancyZones ウィンドウの分割ツール
エクスプローラー 標準のエクスプローラーに機能を追加
Image Resizer 画像のリサイズツール
KeyBoard Manager キーボードの再マッパー
PowerRename ファイル名一括編集ツール
PowerToys Run 検索&ランチャー
Shortcut Guide Windowsキーのショートカットガイド

PowerToysをインストールすることでこれらの機能が一気に使えるようになります。

インストール

PoweToysはGitHub上のリリースページから最新バージョンのセットアップ実行ファイルをダウンロードしてインストールできます。

Assetsの中にあるPowerToysSetup-〇〇〇-x64.exeをクリックするとダウンロードが始まります。〇にはインストールされるバージョンが入ります。
https://github.com/microsoft/PowerToys/releases/

インストールはプログラムのインストール場所と簡単なオプションを選択するだけで終わります。

インストール途中でユーザーアカウント制御の画面が現れたら許可をしてください。インストーラーの中で「Automatically start PowerToys at logon」を選択しておくとWindowsへログオンした時に自動的に起動するようになります。

またWindows Package Managerを導入している場合は以下のコマンドをコマンドプロンプトやPowerShell上から実行することで簡単にインストールできます。

PowerShell
> winget install powertoys

インストールし起動するとタスクトレイからPowerToysのアイコンが現れます。アイコンをクリックして以下のような設定画面が表示されたらインストールは成功しています。

デフォルトの設定画面の画像
インストール直後からすべて日本語化されている

再起動をすることなくすぐにPowerToysを使い始めることができます
設定画面からはそれぞれの機能を呼び出すショートカットキーを始め、機能を細かくカスタマイズできます。

追加される機能

PowerToys Awake

Windowsを起動したままにするなど起動状態を制御できるユーティリティです。
「Awakeを有効にする」をオンにすることで有効になります。有効になるとタスクバーにマグカップのようなアイコンが表示されます。有効にすると画面をつけたままにする電源をつけたままにするといった細かい制御がタスクバーからできるようになります。

PCをどうしても起動したままにしておきたい場合に有効となる機能です。awakeの制御コマンドも用意されているため組み合わせ次第ではPC制御の自動化など便利に使えそうな機能ですね。フリーソフトを使って実現していたことがOSに親和性の高い形で実現できるためさらにPC利用の可能性が広がるように感じます。

使用できるCLI、コマンドについては公式ドキュメントにて詳しく解説されています。
https://docs.microsoft.com/ja-jp/windows/powertoys/awake

ColorPicker

Windows内でいつでも呼び出せるカラーピッカーです。画面の中の要素にカーソルを合わせることで色のカラーコードを取得できます。
Chromeの拡張機能でよく目にするカラーピッカーですが、Windowsの標準の機能としてカラーピッカーが使えるようになるのは大きいです。

使用するには設定ウィンドウからColorPickerを呼び出すショートカットを設定する必要があります。デフォルトではWindowsキーShiftCで呼び出せるように設定されています。

試しにWindowsのデスクトップ壁紙のカラーコードを取得してみたところ。

壁紙の色コードを取得する様子

カーソルのあたった箇所のカラーコードを取得できました。取得した色についての詳細の表示や、色の編集も可能です。

FancyZones

ウィンドウをレイアウトを分けてきれいに配置するためのアシストツールになります。
マルチタスクのために画面を分割して使うときに威力を発揮します。

まずレイアウトエディターでレイアウトを設定します。レイアウトエディタはWindowsキー@で呼び出せます。
設定できるレイアウトはいくつかレイアウトがテンプレートとして用意されています。テンプレート以外にも各自でレイアウトを新規に定義もできます。

レイアウトエディタの画面

ここで設定したレイアウトに沿ってウィンドウの配置を簡単に行えるようになります。デフォルトではShiftを押したままウィンドウをドラッグすることで指ウィンドウを柔軟に配置することが可能になります。

エクスプローラー

Windows標準のファイル管理ツールエクスプローラーに機能を追加できます。

powertoys v0.47.0 時点では以下の項目が追加可能です。

それぞれの機能は設定から個別にオン・オフできます。

エクスプローラー設定の画面

上の例では、プレビュー可能ファイルにSVGファイル(.svg)マークダウンファイル(.md)、PDFファイル(.pdf)を追加しています。下のプレビュー設定を有効にすることでSVGファイルとPDFファイルをプレビューできるようになります。

現時点では標準でプレビューに表示されないマークダウンファイルが手軽にプレビューできるようになるので、Windows上でマークダウンファイルを扱う人におすすめです。

Image Resizer

画像リサイズ機能を右クリックメニューへ追加し、エクスプローラーから画像のリサイズを簡単に行えるようにします。

使い方は簡単で、右クリックで表示されるコンテキストメニューから画像のサイズを変更を選択するだけです。

コンテキストメニューの様子

すると以下のような選択した画像をリサイズするウィンドウが開かれるので、ここから自由に画像のサイズ変更を行えます。

リサイズメニューの様子

予めよく使われる解像度がプリセットで用意されているので簡単に目的のサイズにリサイズできるのはとても便利です。またカスタムとして各々が指定した数値でのリサイズも可能です。

Keyboard Manager

キーボードの再マッピング(再割当て)を行えるツールです。

設定からキーの再マップを選択することで、キーの再マップウィンドウが開きます。
使わないキーの無効化や入力されるキーの変更を簡単に行えるため、便利です。

PowerRename

ファイルの名前を一括して置換する強力なツールです。

使い方は簡単でエクスプローラから編集したいファイルを複数選択し右クリックのコンテキストメニューから「Powerrename」を選択することで編集ウィンドウが開きます。

Powerremoveウィンドウの画像

まとめてファイル名を変更でき、おなじみの正規表現も使用できるため、柔軟にファイル名を編集できます。

PowerToys Run

機能を有効化することで、macOSなどでおなじみのSpotlight検索ライクな検索&アプリランチャーが使用できるようになります。
MacにはSpotlight検索を便利したAlfredという有名なツールがあります。PowertoysRunを使うことで完全とはいきませんが、近い操作感をWindowsでも実現させることが可能になります。

デフォルトではAltSpaceで呼び出すように設定されています。ショートカットキーを実行すると以下のようなウィンドウが画面上に現れます。

表示されたウインドウの画像

例としてインストール済みのアプリを検索してみます。検索したい文字列を途中まで入れるとその文字列を含むアプリを列挙してくれます。
検索結果の画像
Visual Studioと検索した結果

検索結果をカーソルキーで移動してエンターまたは、クリックで実行できます。
プラグインが用意されており、設定画面から個別に有効・無効を切り替えることができます。

プラグインには、簡単な電卓代わりとして使用可能とする計算ツールやプログラムを検索対象に含めるプログラム、ウィンドウから直接コマンドをシェルで実行させるシェルなどがあります。
設定画面からは検索結果に表示する件数や呼び出すショートカットキーの設定など細かくカスタマイズできます。個々の項目は今後のアップデートでどんどん変わるため、各々好みに合わせて変更してみてください。

まだ発展途上の機能にはなりますが、この機能は今後、Windows標準のツールとしてぜひ取り入れて欲しいものです。

Shortcut Guide

指定したキーを長押したときに、有効なショートカットのチートシートがオーバーレイとして表示されるようになります。
前はWindowsキー長押しで実行するのがデフォルトの設定でした。しかし現在はショートカットキーを組み合わせて実行することが公式から推奨されており、デフォルトでWindowsキー+Shift+/の同時押しが割り当てられています。

ショートカットガイドを表示させた様子

例えば、Windowsキー矢印でウィンドウのスナップ、WindowsキーAでアクションセンターを開くなど。
Windowsキーが絡むショートカットキーは組合わせが覚えにくいものもあるので、すぐに使用できるキーの組み合わせを表示できるのは便利です。

おわりに

今回は、Windows公式のユーティリティ群である「PowerToys」をご紹介しました。
今回紹介したツールはPowerToysをインストールするだけで再起動することなく、すぐに使用可能になるのでとても便利です。PowerToysで追加された機能は今後Windowsのアップデートにより、正式に追加されることもあるため、どんどん便利になっていくのを見ているだけでもわくわくします。

PowerToysを使うことでいつものWindowsの作業が少し便利に楽しくなるので気になったら是非、使ってみてください。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

参考

GitHubで編集を提案

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