Slackワークフローを生み出しまくった結果
こんにちは、delyの後藤です
情シスのアドベントカレンダーの14日目を書かせていただきます
アドベントカレンダーに参加するのは初めてです 🙇
投稿テーマ
ヘルプデスクのチャンネルにSlackワークフローを生み出しまくった結果何が起こったか書こうと思います。
なんでワークフローを沢山作ったのか
日々の業務の中あがってくる問い合わせをフリーテキストで受けていると、共通の依頼というのが目立つようになります。
そういった依頼は専用のワークフローにしたら依頼する側も、受ける情シス側も余計なコミュニケーションが減って楽になるんじゃないかと思ったためとなります 😸
生み出していったワークフローの例
- チャンネル名変更依頼
- Slackのゲストユーザーの所属チャンネルを追加依頼
- oktaのPWリセット依頼
- メーリスの追加依頼
- 1passwordの依頼
- 棚卸しからこぼれ落ちた人の救済依頼
などなど
結果どうなったのか
一部の人を除いて、全く能動的に使われることはありませんでした。
とても悲しいことです 🥹
何なら、不毛にもこのワークフローを使ってくださいと案内をするだけのやり取りが増える始末 😇
いったい何がおこっていたのか
ヒアリングや週次/月次の振り返りの意見出しなどから以下2点が主な課題とあたりをつけました
- 利用者目線での導線を作れていない
- ワークフロー起動の仕様
それぞれ基本的なことではありますが、気づくのに時間がかってしまい、時には少しイライラしてしまったりもしました。まず自分を疑うことから始めなければいけないなと、改めて反省しました 🙇
1. 利用者目線での導線
従業員からの問い合わせは基本的に専用のチャンネルで受け付けるようになっています
情シスメンバーはそこを普段から見ており、チャンネルでのルールを知っており何故ワークフローができあがったのかも知っています。
一方で従業員からすると、困ったことがなければ見に来ることが無いチャンネル、とりあえず困っている事は伝えたいがルールやワークフローができたことも知らない状態です。
考えてみれば当たり前ですが、知らないところに来ていきなり完璧な行動は取れないものです
(本当に思い返してみても何でこんな簡単な事にすぐ気付けなかったのかと反省しかありません 💦)
こうした利用者の目線に立った導線や誘導が行えていなかったことが一つの要因と判断しました
後述に参考本を載せますが、そこの本にはこうした状態は「知識の呪い」という認知バイアスだそうです
2. ワークフロー起動の仕様
これも1に関連するのですが、Slackのワークフローは実はスラッシュコマンドで呼び出せる仕様があり、そもそもチャンネルに来なくても起動できるようになっています。
当時の自分はチャンネルに来てワークフローを起動していると信じ切っていたので、この使い方を知ったときは結構びっくりしたことを覚えています。
わかっている人からすれば楽で使いやすい一方で、情シスチームから見るとチャンネルで使える他のワークフローを知らせる/知る機会がそもそも無いということが分かり、このことも新しいワークフローを使ってもらえない要因の一つと考えました
どう改善したか
以下のような感じになりました。
- 入口は一つに、明確に
- Canvasを通って、見つけて、それでも分からなければ聞いてネ
イメージ
改善ポイント
- チャンネルの導線の改善
- こちらはチャンネルへ到達した前提で改善を実施
- ワークフローを目立たせる機能で聞きたいことがあれば押すしか無い状況を作り出す
- 実態はクリックすると、個人にしか見えない投稿でCanvasへ案内
- 情報をまとめる
- Slack Canvasを使って案内
- テキストは少なく、アイコンやタイルを用いて視覚でも理解しやすい構成にする
- 最後に出口を用意
- フリーテキストでの窓口が最後で、これ以上はなし
- 起動仕様への対処
- どうやっても防ぐことができないので、フォームの名称から「情シス」を取り外すことで暫定対処
- これは解決しなかったが、仕方なし 😗
効果
ワークフローを目立たせるは最近の機能なので、最終形とそれ以前とでの比較は難しいですが、Canvasを導入する前後では月間の問い合わせ数に大きな差がでました。
長期のグラフデータがすぐ手元で用意できなかったのですが、それまで月間125件程あった問い合わせが90->80->60と減り現在は60〜70件で安定しています。(半分くらいに...!!!!)
(※今の情シスチームでは、フリーテキストでの問い合わせを月間の数値として捉えています)
終わりに
Slackのワークフローを生みまくればお手軽に問い合わせが減るだろうという安易さから、基本を見落としており、そこを見つめ直して改善したお話でした。
苦労はありましたが、向き合うことで良い解決策を見つけることができたと思っています。
またこのテーマを通して色々な本を読み色々な考え方に出会えたので結果プラスです
参考にした本
エンジニアのためのドキュメントライティング
今回、この本が一番刺さりました。まだまだ実践できていないことも多いので次は効果測定に取り組んでいきたい
GitLabに学ぶ 世界最先端のリモート組織のつくりかた
この本で、SSoTの考え方を初めて知りました、最近良く聞きますが本当に大事な考え方だなと思います。
その他
「エンジニアのためのドキュメントライティング」から派生して、色々なSaasのFAQサイトは見まくりました。今まで意識していませんでしたが、各社どうやって自己解決を促そうとしているのかを知ることができて、FAQサイトのありがたみと裏に苦労が隠れているんだなと...w
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