【Unity Tips】ゲーム内の日没を再現するには? ~時間経過による環境変化の入門~
ゲーム内の日没を再現するには? ~時間経過による環境変化の入門~
ゲーム世界の空が、プレイ中に静かに日没へと移り変わる──そんな演出を取り入れると、プレイヤーは「生きた世界」を感じることができます。
初心者のうちは「背景画像は固定」「光は固定」という固定的な状態が当たり前に見えますが、Unityを使えば簡単なコードと設定で、時間経過に応じて空の色やライティングを動的に変えることが可能です。
ここでは、画像や動画を使わず、あくまでテキスト情報だけで日没を再現する基本的なテクニックを紹介します。環境が静かに移ろう様子をエディタ上で試してみると、ゲームの雰囲気ががらりと変わることに気づくでしょう。
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なぜ日没演出が魅力的なのか
-
世界観への没入感:
朝から昼、昼から夕方、夕方から夜へと光や色合いが変化すると、プレイヤーは「時が流れている」ことを直感的に感じます。 -
単調さの解消:
同じ背景や環境が永遠に続くと飽きが来ますが、時間による変化があると、同じフィールドで過ごす時間が豊かな体験へと変わります。
初心者の段階では、凝ったアセットや特殊なシェーダーを使わず、シンプルな色変更やライトの強弱変化から始めると良いでしょう。
基本的なアプローチ
たとえば、以下のような流れを考えます。
1. ゲーム内時間を持つ変数を用意
float gameTime = 0;
のような変数を用意し、Update()
で毎フレーム経過時間を加算します。
2. 時間帯を定義
24時間サイクルを表現したいなら0~24、あるいはシンプルに0~1の範囲で一日に相当する時間を表しても構いません。
たとえば、0を朝、0.5を昼、1.0を夜、といった具合に時間を正規化して考えることができます。
3. 色を徐々に変える
背景色(カメラのClear Color)や2Dの場合は背景スプライトの色などをColor.Lerp()
で徐々に変化させます。
具体例:
朝(0.0付近)は明るい青空色(明るい水色)
昼(0.5付近)はより白っぽい明るい色
夕方~夜(1.0付近)はオレンジ→紫→紺色へと変化
UnityのColor.Lerp(colorA, colorB, t)
を使えば、tが0ならcolorA、tが1ならcolorB、0~1の間で徐々に色が混ざります。
4. ライティングの調整(2Dの場合)
2Dゲームでも、例えば2Dライト(Universal Render Pipelineの2D Light機能)を使うことができますが、シンプルな方法としては、シーン全体をやや暗くするオブジェクト(半透明の黒いレイヤー)を前面にかぶせ、その不透明度を時間帯に応じて変える方法もあります。夜になるほど不透明度を上げて画面を暗く見せることが可能です。
簡易的なコード例
public class DayNightCycle : MonoBehaviour {
public Camera mainCamera;
public Color morningColor = new Color(0.5f, 0.7f, 1.0f);
public Color noonColor = new Color(0.9f, 0.9f, 1.0f);
public Color eveningColor = new Color(1.0f, 0.5f, 0.3f);
public Color nightColor = new Color(0.1f, 0.1f, 0.2f);
public float dayLengthInSeconds = 60f; // 1分で1日経過する例
private float gameTime = 0f;
void Update() {
// 時間経過
gameTime += Time.deltaTime;
float t = (gameTime % dayLengthInSeconds) / dayLengthInSeconds;
// t=0 → 朝、 t=0.5 → 昼、 t=1.0(=0と同じ) → 再び朝
// ここでは、0→0.25を朝~昼、0.25→0.5を昼~夕方、0.5→0.75を夕方~夜、0.75→1.0を夜~朝と分ける
if (t < 0.25f) {
// 朝→昼へ移行
float lerpT = t / 0.25f;
mainCamera.backgroundColor = Color.Lerp(morningColor, noonColor, lerpT);
} else if (t < 0.5f) {
// 昼→夕方へ移行
float lerpT = (t - 0.25f) / 0.25f;
mainCamera.backgroundColor = Color.Lerp(noonColor, eveningColor, lerpT);
} else if (t < 0.75f) {
// 夕方→夜へ移行
float lerpT = (t - 0.5f) / 0.25f;
mainCamera.backgroundColor = Color.Lerp(eveningColor, nightColor, lerpT);
} else {
// 夜→朝へ移行
float lerpT = (t - 0.75f) / 0.25f;
mainCamera.backgroundColor = Color.Lerp(nightColor, morningColor, lerpT);
}
}
}
このコードはあくまでイメージです。実際には値や色を自分好みに調整し、パラメータをInspectorで編集できるようにすると、ゲームの雰囲気に合った変化が作れます。
シンプルなアプローチから始める
「日没」や「夜明け」を完全にリアルに再現しようとすると、特殊なシェーダーやライト、スカイボックス設定などを使う必要があります。
しかし、初心者はまず「色が徐々に変わる」「画面が少し暗くなる」といった簡単な変化からスタートするだけでも、ゲームに動きが生まれ、プレイヤーに新鮮な体験を提供できます。
2Dゲームであれば、背景として使うスプライトの色を徐々に変更したり、不透明な黒いオブジェクトを重ねてゆっくり暗くするだけでも、雰囲気は大きく変わります。
この段階で、「あ、こうやって時間変化を演出するのか」という基本概念をつかむことが大切です。
今後の発展
慣れてきたら、以下の発展的な要素にもチャレンジしてみてください。
- スカイボックスやシェーダーの活用:3D環境で本格的な朝焼けや夕焼けを再現したい場合、スカイボックスやカスタムシェーダーを使い、空のグラデーションをよりリアルに変化させられます。
- サウンドやBGMとの連動:時間帯に応じてBGMを変えたり、夜になると虫の鳴き声や風の音が増えるなど、音声面での時間変化演出も追加可能です。
- ゲームプレイとの連動:時間帯により出現する敵やアイテムを変えたり、特定時間だけ開くお店を実装するなど、ゲーム性に組み込めば、プレイヤーに戦略的な行動を促せます。
まとめ
日没を表現するという一見シンプルな演出も、実際に手を動かして実装してみると、「時間経過を管理」「値に応じた色変化」「スクリプトで計算」という基本的なテクニックが詰まっています。
初心者は、これをきっかけに「ゲーム中のパラメータを動的に変える」という発想を身につけることができます。こうした小さな工夫を積み重ねることで、ゲーム世界に深みと魅力が増し、より完成度の高い作品へと成長していくでしょう。
まずは、背景色をLerpで変える簡易的な日没シミュレーションから始めてみてください。それだけでも、あなたのゲームは「ずっと同じ」から一歩抜け出し、奥行きのある世界へと生まれ変わるはずです。
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