AWS RDS for MySQL5.5 => 5.6 アップグレード手順 (CLI) (2017年検証)
AWSから5.5の古いバージョンアップデートするよー。って通知がきたので
手動アップグレードをすることに。
ググッてみたけども、RDSって枯れてるからか、古い情報しかないんですよね。
そこでメモがてらに手順を記載します。
やること
- 本番稼働しているRDS MySQL 5.5.40b を MySQL 5.6.29にアップグレードする
- (注意!!)ダウンタイムが数分発生します
- エンドポイントはそのままでアプリケーション側等の変更は行わない
環境
- MacOSX ElCapitan (HostOS)
- 10.11.6
事前準備に必要なもの
-
AWS CLI
- 入っていない人は何も考えずに
pip install awscli
と打とう。
- 入っていない人は何も考えずに
参考にしたサイト
全体の流れ
全ての手順を AWS CLI で実行しています。
- アップグレードしたいRDSインスタンス(Masterインスタンス)にリードレプリカを作成する
- リードレプリカを作成したら、リードレプリカ側のMySQLをバージョンアップする
- リードレプリカのインスタンスをマスター昇格させる
- 厳密にはリード専用ではなく、独立したインスタンスにさせる
- この時点でマスターインスタンス側がデータが更新されるとデータ不整合が発生します。
- マスターインスタンスとマスター昇格させたリードレプリカインスタンスのエンドポイントを切り替える。
- この切り替えの期間がダウンタイム発生時間です。
手順
以下ここから全体の流れの詳細。
作業はHostOS(Mac)から作業しています。
バージョンアップしたいRDSインスタンスの確認
マスターインスタンス名を変数にエクスポート
MASTER_INSTANCE='{DBインスタンス名}'
変数の確認
cat << ETX
MASTER_INSTANCE ${MASTER_INSTANCE}
ETX
マスターインスタンスの確認
aws rds describe-db-instances --db-instance-identifier ${MASTER_INSTANCE}
マスターインスタンスのMySQLバージョンの確認
aws rds describe-db-instances --db-instance-identifier ${MASTER_INSTANCE} --query 'DBInstances[].EngineVersion' --output text
レスポンス
5.5.40b
マスターインスタンスのリードレプリカを作成
- 今回は同一AvailabilityZoneに作成しています。
- AvailabilityZoneの指定をしない場合違うAvailabilityZoneに作成されてしまう可能性がありますので、用途に応じて実行してください。
アップグレードインスタンス名を変数にエクスポート
UPGRADE_INSTANCE='{DBインスタンス名}'
変数の確認
cat << ETX
UPGRADE_INSTANCE ${UPGRADE_INSTANCE}
ETX
マスターインスタンス側のAvailabilityZoneを確認
AZ=$(aws rds describe-db-instances --db-instance-identifier ${MASTER_INSTANCE} --query 'DBInstances[].AvailabilityZone' --output text)
変数の確認
cat << ETX
AZ ${AZ}
ETX
リードレプリカを作成する。
実行後、マスターインスタンス側にリードレプリカの設定が走るので多少の負荷がかかります。
リードレプリカの作成に数分かかります。
aws rds create-db-instance-read-replica \
--db-instance-identifier ${UPGRADE_INSTANCE} \
--source-db-instance-identifier ${MASTER_INSTANCE} \
--availability-zone ${AZ}
マスターインスタンス側にリードレプリカが設定されていることの確認
aws rds describe-db-instances --db-instance-identifier ${MASTER_INSTANCE} --query 'DBInstances[].ReadReplicaDBInstanceIdentifiers' --output text
レスポンスが作成したリードレプリカと一致していることを確認
cat << ETX
`aws rds describe-db-instances --db-instance-identifier ${MASTER_INSTANCE} --query 'DBInstances[].ReadReplicaDBInstanceIdentifiers' --output text` == ${UPGRADE_INSTANCE}
ETX
レスポンス
{マスター側リードレプリカ設定DBインスタンス名} == {アップグレードDBインスタンス名}
スレーブの同期状態の確認
- マスターインスタンスに接続できるEC2インスタンスから一旦mysqlコマンドで接続します。
- Seconds_Behind_Master はスレーブ遅延の秒数です。 0であればスレーブ遅延していません。
mysql -h {アップグレードインスタンスのエンドポイント} -u {ユーザー名} -p --auto-rehash
スレーブのステータスを確認
> SHOW SLAVE STATUS\G
Seconds_Behind_Master: 0
となっていることを確認してください。なっていない場合スレーブ遅延が発生しています。
リードレプリカインスタンス用のパラメーターグループの作成
マスターインスタンスのパラメーターグループファミリーがmysql5.5の為別途パラメーターグループを設定する必要があります。
パラメーターグループを作成しなくてもよい場合は default.mysql5.6
を使用してください。
ただしデフォルトパラメーターグループだとMySQL側の細かな設定を変更できないのでおすすめはしません。
パラメーターグループ名を変数にエクスポート
PARAMETER_GROUP='{任意の名前}'
変数の確認
cat << ETX
PARAMETER_GROUP ${PARAMETER_GROUP}
ETX
パラメーターグループの作成
aws rds create-db-parameter-group \
--db-parameter-group-name ${PARAMETER_GROUP} \
--db-parameter-group-family 'mysql5.6' \
--description 'mysql5.6 parameter group'
パラメーターグループの確認
aws rds describe-db-parameter-groups \
--db-parameter-group-name ${PARAMETER_GROUP}
リードレプリカインスタンス側のMySQLバージョンアップ
- リードレプリカインスタンスのStatusが
available
になってから作業してください
リードレプリカインスタンスの状態確認
aws rds describe-db-instances --db-instance-identifier ${UPGRADE_INSTANCE}
MySQLのバージョン確認
cat << ETX
`aws rds describe-db-instances --db-instance-identifier ${MASTER_INSTANCE} --query 'DBInstances[].EngineVersion' --output text` == `aws rds describe-db-instances --db-instance-identifier ${UPGRADE_INSTANCE} --query 'DBInstances[].EngineVersion' --output text`
ETX
レスポンス
5.5.40b == 5.5.40b
リードレプリカのバージョンアップ
-
--apply-immediately
を指定しないと即時反映されません。 - アップグレードに数分かかります
aws rds modify-db-instance \
--db-instance-identifier ${UPGRADE_INSTANCE} \
--apply-immediately \
--allow-major-version-upgrade \
--db-parameter-group-name ${PARAMETER_GROUP} \
--option-group-name 'default:mysql-5-6' \
--engine-version 5.6.29
リードレプリカのマスター昇格
コレを実行した時点でマスターインスタンスからのデータ同期は解除されますのでこれ以降の作業は
速やかにやりましょう
aws rds promote-read-replica \
--db-instance-identifier ${UPGRADE_INSTANCE} \
リードレプリカインスタンスからリードオンリーのフラグが外れていることの確認
aws rds describe-db-instances \
--db-instance-identifier ${UPGRADE_INSTANCE} \
--query 'DBInstances[].StatusInfos' \
--output text
上記パラメーターで replicating
read replication
の設定がなくなっていたらOK
マスターインスタンスのエンドポイントの変更
マスターインスタンス側のエンドポイントを先に剥がさないとリードレプリカインスタンスにエンドポイントを付け替えできません。
確認
cat << ETX
MASTER_INSTANCE ${MASTER_INSTANCE}
ETX
エンドポイントの切り替え
- 実行後rebootが走ります。
aws rds modify-db-instance \
--db-instance-identifier ${MASTER_INSTANCE} \
--new-db-instance-identifier "${MASTER_INSTANCE}-cold-standby" \
--apply-immediately
リードレプリカインスタンスのエンドポイントの変更
確認
cat << ETX
UPGRADE_INSTANCE ${UPGRADE_INSTANCE}
ETX
- 実行後rebootが走ります。
aws rds modify-db-instance \
--db-instance-identifier ${UPGRADE_INSTANCE} \
--new-db-instance-identifier "${MASTER_INSTANCE}" \
--apply-immediately
補足 バージョンアップ失敗時のロールバック手順
何かしらの原因でバージョンアップで動作不調の場合は下記の方法にてロールバックを行います。
- 切り替え後すぐの動作不調の場合の方法になります
- 時間がしばらく経過の場合はsnapshotからの復元のほうがいいかと思います
アップグレードしたインスタンスをコールドスタンバイに変更
aws rds modify-db-instance \
--db-instance-identifier ${UPGRADE_INSTANCE} \
--new-db-instance-identifier "${UPGRADE_INSTANCE}-cold-stanby" \
--apply-immediately
元のインスタンスのエンドポイントを変更
aws rds modify-db-instance \
--db-instance-identifier "${MASTER_INSTANCE}-cold-stanby" \
--new-db-instance-identifier "${MASTER_INSTANCE}" \
--apply-immediately
最後に
以上でMySQL 5.5 => 5.6のアップグレード手順になります。
公式のドキュメントで記載していますが、5.6 => 5.7 も同様の手順でできるとは書いてあります。
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