【読書メモ】「読む力」と「地頭力」がいっきに身につく東大読書
読書メモの目的
東大読書[1]を読んだので忘れないうちにアウトプットする。
この本の内容を実践して、資格学習や技術書を読むときの理解度を上げることが目的。
東大読書に記載されている「仮説作り」「取材読み」「整理読み」「検証読み」「議論読み」ができるようになる。そこから自分にできそうな読み方を実践する。
概要
まず、結論から言うとマネをするだけで読書の効率が上がる読書方法が書かれていて、たくさんの技術書を読んでいるエンジニアにも薦めたい本です。
内容としては、東大生の西岡壱誠さんが実践していた読書方法が書かれています。もともと偏差値35だったが本書の読書方法を実践することで成績を上げて東大に合格しています。
全体を通して、ただ本を読むのではなく能動的に読むことを意識することが大切だということが分かります。
PART1 地頭が良くなる「東大読書」の5ステップ
STEP1 仮説作りで「読み込む力」が劇的に上がる
本を読む前に、やることがある
文章外から情報を集めることで理解度とスピードを上げることができます。
具体的には以下のことをやります。
- 装丁読み
- 仮説作り
「装丁読み」 とは?
本のカバーや帯を読んで一を聞いて十を知ることができます。本を読んでもらうために表紙やカバーには少ない情報からたくさんの情報を詰め込んでいます。また著者のプロフィールも把握しておきます。
1冊の本の内容をタイトルではひと言で表しています。
「装丁読み」どういう手順
- カバーなどから情報を引き出す
- 引き出した情報を付箋に書きだす
- 本の最初の「見返し」に付箋を貼る
「仮説作り」 とは?
文章全体の大きな流れを理解するのに役立つ。装丁読みで引き出した情報に対してどういう内容が書かれていて「スタート地点」と「ゴール地点」が何かという自分に合った仮説を作ります。たとえば、学生であれば東大読書を読む目的が教科書を理解するためかもしれないですが、エンジニアだったら技術書をどう読むかという目的になると思います。
「仮説作り」を進める手順
- 「ゴール」を付箋に書く
- 目次を見ながら「ゴール」に到達するまでの「道筋」を考えて目標の下にまとめる
STEP2 取材読みで「論理の流れ」がクリアに見える
本は読むな
授業を受けるときのイメージをしてみてください。ただ話を聞くのではなくノートにメモを取ったり質問をしたりします。同じように本を読むときにも 「読者」でなく「記者」 になったつもりで読みます。
「ただの事実」よりも「感情」を読み取る
例:「第一次世界大戦でドイツは敗北した」
という文章があったときにそうなんだっていう感想では事実しか理解することしかできません。ドイツが負けたのはなぜだろう?戦力差?戦略?とか1つ踏み込んで分を読むほうが理解しやすいです。
著者がどういう感情をもって(否定的なのか肯定的なのか)を知ることで論理の展開が追いやすくなります。
質問読みで「情報」を「知識」に変える
「質問読み」とは?
「○○君はカッコいい」と聞いたとき。
「そうなんだ」「会ってみたい」「どうでもいい」⇒情報を得ているだけ
「どこの人」「カッコいいって本当にそう?」⇒質問をすることで知識になる
「情報」は「知識」にする
知識にするには質問を考えることで、自分の抱いた疑問に対して回答を出すプロセスが必要です。
スマホでネットサーフィンをしても情報は手に入るけど、応用できる知識にはならないです。
「質問読み」の方法
- 質問になる部分を探す:この言葉はどういう意味?著者がいたら何を聞きたい?
- 質問が見つかったページに付箋を貼る
STEP3 整理読みで難しいことも「一言」で説明できる
整理読みとは?
著者が本で何を伝えたかったのか一言で言い表してくてください。
「要するに何」
少ない文字数で自分の意見や人の意見をまとめることができないということは、ちゃんと理解していないということです。
結論を理解するためのポイント
- 著者の「結論」と「言いたいこと」は冒頭に来ることが多い
- 最後にもう一度結論に立ち戻る
- 章や項に注目する
「整理読み」 をする
「要するに何?」を表せるか、著者が本当に言いたいことがどの文に表れているのかをチェックする。
整理読みができるようになれば、次に何が来るか推測できるようになります。著者の言いたいことを理解してやっと「自分で考える」ことができます。
「要約読み」 のやり方
要するに何というのを具体的にする方法は以下の手順
- 1節・1章を読み、その中から「要約的な一文」を探す
- その一文を踏まえて、ノートに30文字以内でまとめる(節・章それぞれ)
- 「まとめ」を踏まえて、章全体・本全体のまとめを140字以内で作る
「推論読み」 をする
「しかし」の後にはどんな文章が来るでしょうか?
だいたい予想が付きますよね、それを想定しながら読みます。
推論読みの手順
- 新しい節・章ごとに「要約読み」の内容を見直す
STEP4 検証読みで「多面的なモノの見方」を身につける
「検証読み」 とは
同じ分野の本を2冊同時に読みます。
同じ内容でも意見が違っていたり、理解を深めることができます。
同時じゃないとダメ?
1冊ずつだと、内容を忘れるから
「パラレル読み」
別の本との共通点を見つけながら本を読みます。
パラレル読みの手順
- 関連性のある2冊の本を選ぶ
- 選んだ本を同じスピードで読み進める
- 2冊の共通点、違いがあるのか考えてみる
- 思いついた共通点を付箋に書いて貼っておく
- 付箋を見直してなぜ違うのか「検証」していく
自分の中で1つの「結論」を出そうとしてみることで、多面的・客観的にとらえる力につながる。
クロス読み
複数の本を読む中で「意見と意見が交差するポイントを見つける」
クロス読みの手順
- 複数の本の中で議論が分かれる「交差ポイント」を探す
- 見つけた「交差ポイント」を別の本を参照して検証してみる
- 「交差ポイント」をノートに書き様々な意見をまとめておく
この読み方で、モノの見方がこんなに違うんだなと実感できます。
具体的には「言葉の定義」から
例:「日本はいい国だ!」、「日本はいい国でない!」
「いい国」という言葉の定義が重要
STEP5 議論読みで本の内容を「ずっと記憶」しておける
本とは、「会話」しよう
本と会話するには?
「質問に答えてくれるツール」として使います。 「アウトプット」 して自らの意見を外に出すことが重要です。
「議論読み」 とは?
本を読んだ後の感想を書くことも「議論」です。
内容をかみ砕いて理解して、自分が感じたことを表明することで「感想」は生まれます。
仮説の「答え合わせ」をしよう
- STEP1の仮説から「道筋」があっていたのか確かめる
- 「目標」が達成できたのか確かめる
- 達成されていないなら次に何をしたら達成できるか
- 達成されたなら次の目標を考える
自分なりに本を読んだ要約・結論を出します。
おわりに
6年振りに本を読み返してみましたが、東大読書の内容が実践できているかと言われると微妙です。改めて見てみると文章は読みやすく、実践しやすい内容だと感じました。
個人的に刺さったキーワードは【「情報」は「知識」にする】という部分でした。エンジニアとして学んでいく際にも似たようなことはあります。
付箋を貼るという部分はハードルが高いかもしれませんが、本を読みながら頭の中で疑問を持ってスマホにメモするなどしていけるのではないでしょうか。
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