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ClaudeCodeとAWSPricingMCPサーバーで実現する簡易インフラコスト見積もり

に公開

はじめに

こんにちは!@ryota_09です!☺️
普段は都内でフロントエンドエンジニアとして業務をしてます!

今回は Claude CodeとAWS Pricing MCP Serverを活用してインフラのコストを簡易的に見積もる方法 を紹介していきます!
本来はAWS Pricing Calculatorを使って手動で見積もりを行う必要がありますが、パパッと見積もりを出さないといけないケースや概算でのコスト感を把握したいケースに便利な方法です!

AWS Pricing MCP Serverについて

AWS Pricing MCP Serverは、以下の機能があります!

  1. Terraform解析analyze_terraform_projectツールでTerraformコードからAWSリソースを抽出
  2. 価格情報取得get_pricingツールでAWS Price List APIから最新の価格情報を取得
  3. レポート生成generate_cost_reportツールで見積もりレポートを生成

方法

概要

提案する見積もりワークフローはこんな感じです

  1. Claude CodeでTerraformコード作成:プロンプトをもとにTerraformでインフラのコードを生成
  2. MCP経由で見積もり:AWS Pricing MCP Serverでコスト計算
  3. ドキュメント生成:見積もり結果をMarkdown形式で出力

今回はterraformのソースではなく、マークダウンの仕様書で見積もりができないかなと考えたのですが、AWS Pricing MCP ServerはterraformのコードかCDKのコードを解析してコスト見積もりを行うため、マークダウンの仕様書ではなく、前段でTerraformコードを書いています。TerraformかCDKのコードかはどちらでもOKです!🙆‍♂️自分はTerraformのコードをよく書いているので、Terraformのコードを例にしています。

https://awslabs.github.io/mcp/#aws-pricing-mcp-server

プロジェクトのディレクトリ構造は以下のようにします

├── config # 任意の設定ファイルを置くディレクトリ
├── sample-0709 # 任意のプロジェクト名
│   ├── docs
│   └── project
└── sample-0710 # 任意のプロジェクト名
    ├── docs
    └── project

プロンプトの準備

まず、簡易的なアプリの仕様を記載したプロンプトを用意します。プロンプト内の対象ディレクトリや「どのようなサービスか?」、ブラケット[] の箇所は適宜変更して利用してください!


下記のtodoリストに従って、プロジェクト条件に沿ってAWSのインフラ構成をTerraformで作成し、月額コストを見積もってください。
(対象ディレクトリ: sample-0709)

## todoリスト
1. `project`ディレクトリにTerraformコードを生成する。フロントエンド、バックエンドのインフラ構成を含む。zip化等のコマンドは不要です。あくまでterrafomのファイルのみでOK。
2. AWS Pricing MCP Serverでterraformのコードを分析し月額コストを見積もりを行う。configディレクトリも参考にすること。
3. `docs`ディレクトリに月額コストの見積もり結果をMarkdownファイルとして作成する。必ずサマリーを冒頭にテーブルで記載すること。価格の根拠となるURLも記載すること。

## プロジェクト条件

### どのようなサービスか?
毎日、日報を提出するWebアプリケーション。ユーザーは日報を記入し、提出することができる。

### プロジェクト概要
- 想定ユーザー数: [1000 DAU]
- トラフィック: [high] # minimum / middle / high

### 構成要件
- 可用性: [high] # minimum / middle / high
- 環境: [staging, production] # development / staging / production
- セキュリティ: [high] # minimum / middle / high

### 見積もり条件
- 期間: [月額]
- 通貨: [USD, JPY]


## 備考

### 冒頭の月額の書き方
月額の概算費用
約$0.52 (約 78 円) / 月

あとは、Claude Codeに上記のプロンプトを入力して実行します。すると、sample-0709/projectディレクトリにTerraformコードが生成されます。
そのあと、sample-0709/docsディレクトリに月額コストの見積もり結果がMarkdownファイルとして生成されます!

実行例

実際にClaude Codeで上記のプロンプトを実行して生成されたレポートを載せておきます。OpusモデルとSonnetモデルでは結構異なりますね!

model:Opus

日報提出Webアプリケーション AWS インフラ構成 - 月額コスト見積もり

月額の概算費用

約$1,396.32 (約 210,000 円) / 月

コスト概要

サービス 月額コスト (USD) 月額コスト (JPY) 備考
RDS Aurora MySQL $677.52 ¥101,628 3 × db.r6g.large instances
ElastiCache Redis $356.16 ¥53,424 2 × cache.r6g.large nodes
NAT Gateway $152.52 ¥22,878 3 × NAT Gateway + データ処理
ECS Fargate $68.12 ¥10,218 3 tasks (512 CPU, 1024 memory)
Application Load Balancer $46.30 ¥6,945 ALB + LCU
VPC & Public IPv4 $43.20 ¥6,480 12 public IPs
データ転送 $50.00 ¥7,500 Cross-AZ + インターネット egress
S3 Storage $2.50 ¥375 100GB standard storage
CloudFront $0.00 ¥0 無料利用枠内
合計 $1,396.32 ¥209,448 -

JPY換算は1USD=150円で計算

プロジェクト概要

アプリケーション要件

  • サービス: 日報提出Webアプリケーション
  • 想定ユーザー数: 10,000 DAU
  • トラフィック: 高
  • 可用性: high
  • 環境: staging, production
  • セキュリティ: high

インフラ構成

  • フロントエンド: CloudFront + S3 Static Website
  • バックエンド: ECS Fargate + Application Load Balancer
  • データベース: RDS Aurora MySQL (Multi-AZ)
  • キャッシュ: ElastiCache Redis (Multi-AZ)
  • ネットワーク: VPC, NAT Gateway, Security Groups
  • セキュリティ: WAF, Secrets Manager, KMS
  • 監視: CloudWatch Logs, CloudWatch Alarms

詳細コスト分析

1. RDS Aurora MySQL: $677.52/月

  • インスタンス数: 3 (Multi-AZ 高可用性構成)
  • インスタンスタイプ: db.r6g.large
  • 単価: $0.313/時間
  • 計算: 3 × 720時間 × $0.313 = $677.52

2. ElastiCache Redis: $356.16/月

  • ノード数: 2 (Multi-AZ 高可用性構成)
  • ノードタイプ: cache.r6g.large
  • 単価: $0.247/時間
  • 計算: 2 × 720時間 × $0.247 = $356.16

3. NAT Gateway: $152.52/月

  • ゲートウェイ数: 3 (各AZ配置)
  • 時間単価: $0.062/時間
  • データ処理: $0.062/GB
  • 計算:
    • 時間費: 3 × 720時間 × $0.062 = $133.92
    • データ処理: 300GB × $0.062 = $18.60

4. ECS Fargate: $68.12/月

  • タスク数: 3 (Auto Scaling対応)
  • CPU: 512 (0.5 vCPU)
  • メモリ: 1024 MB (1 GB)
  • 単価: vCPU $0.05056/時間, メモリ $0.00553/GB時間
  • 計算:
    • vCPU: 3 × 0.512 × 720 × $0.05056 = $55.89
    • メモリ: 3 × 1.024 × 720 × $0.00553 = $12.23

5. Application Load Balancer: $46.30/月

  • ALB基本料金: $0.0243/時間
  • LCU: 5 LCU (推定)
  • 計算:
    • ALB: 720 × $0.0243 = $17.50
    • LCU: 5 × 720 × $0.008 = $28.80

6. VPC & Public IPv4: $43.20/月

  • パブリックIPアドレス: 12個 (推定)
  • 単価: $0.005/時間/IP
  • 計算: 12 × 720 × $0.005 = $43.20

7. データ転送: $50.00/月

  • Cross-AZ転送: $0.01/GB
  • インターネット egress: $0.114/GB (100GB無料枠後)
  • 推定月間転送量: 500GB

8. S3 Storage: $2.50/月

  • ストレージ容量: 100GB
  • 標準ストレージ: $0.025/GB-月
  • 計算: 100 × $0.025 = $2.50

9. CloudFront: $0.00/月

  • データ転送: 1TB (無料枠内)
  • HTTPSリクエスト: 10M (無料枠内)
  • 無料枠: 1TB転送 + 10Mリクエスト/月

コスト最適化提案

即効性のある削減策

  1. Fargate Spot使用: 最大70%削減 → 月額$20.44削減
  2. Reserved Instances:
    • RDS: 最大72%削減 → 月額$487.82削減
    • ElastiCache: 最大72%削減 → 月額$256.44削減
  3. S3 Intelligent-Tiering: 自動最適化

中長期的最適化

  1. VPC Endpoint: NAT Gateway経由のS3転送削減
  2. CloudFrontキャッシュ最適化: オリジンリクエスト削減
  3. Aurora I/O-Optimized: 高I/Oワークロード向け

監視・管理

  1. Cost Explorer: 支出動向の定期レビュー
  2. CloudWatch: NAT Gateway使用量監視
  3. Trusted Advisor: コスト最適化の推奨事項

価格根拠資料

公式価格ページ

地域別価格

  • リージョン: Asia Pacific (Tokyo) - ap-northeast-1
  • 価格更新日: 2024年12月時点

注意事項

含まれていないコスト

  • SSL証明書: ACM使用で無料
  • Route 53: ドメイン管理費用
  • CloudWatch Logs: 詳細監視費用
  • データバックアップ: 長期保存費用
  • セキュリティツール: 追加のセキュリティ監視

前提条件

  • 24/7運用
  • 中程度のトラフィック
  • 通常の使用パターン
  • 無料枠の適用

この見積もりは、実際の使用状況によって変動する可能性があります。定期的な見直しと最適化を推奨します。

model:Sonnet

日報アプリケーション AWS インフラ月額コスト見積もり

月額の概算費用

$183.50 (約 27,525円) / 月

サマリー

サービス 月額コスト (USD) 月額コスト (JPY) 構成要素
ECS Fargate $108.00 ¥16,200 4タスク (1024 CPU, 2048 MB)
Application Load Balancer $23.40 ¥3,510 ALB本体 + LCU
Aurora Serverless v2 $19.20 ¥2,880 0.5-4 ACU, 2インスタンス
NAT Gateway $16.90 ¥2,535 2x NAT Gateway
CloudFront $8.50 ¥1,275 100GB配信/月
Route 53 $2.50 ¥375 ホステッドゾーン + クエリ
S3 $2.30 ¥345 50GB保存 + リクエスト
CloudWatch $2.00 ¥300 ログ + メトリクス
WAF $0.70 ¥105 Web ACL + ルール
合計 $183.50 ¥27,525

為替レート: 1USD = 150JPY で換算

詳細なコスト分析

1. ECS Fargate ($108.00/月)

構成:

  • 4タスク (1024 CPU, 2048 MB)
  • 24時間365日稼働

計算:

  • CPU: 1024 CPU units × 4タスク × 730時間 × $0.05056/時間 = $151.73
  • メモリ: 2048 MB × 4タスク × 730時間 × $0.00553/GB-時間 = $32.55
  • 実際の計算: $184.28/月

価格根拠:

  • ECS Fargate pricing
  • Asia Pacific (Tokyo) region
  • vCPU: $0.05056 per hour
  • Memory: $0.00553 per GB-hour

2. Application Load Balancer ($23.40/月)

構成:

  • 1 ALB
  • 月間リクエスト数: 500万リクエスト
  • データ処理: 20GB

計算:

  • ALB時間料金: $0.0243 × 730時間 = $17.74
  • LCU使用料: $0.008 × 730時間 = $5.84
  • 合計: $23.58/月

価格根拠:

3. Aurora Serverless v2 ($19.20/月)

構成:

  • 2インスタンス (Writer + Reader)
  • 最小0.5 ACU, 最大4 ACU
  • 平均1.5 ACU使用

計算:

  • ACU使用料: 1.5 ACU × 730時間 × $0.00365/ACU-時間 × 2インスタンス = $8.01
  • データ転送: 10GB × $0.09 = $0.90
  • 合計: $8.91/月

価格根拠:

4. NAT Gateway ($16.90/月)

構成:

  • 2 NAT Gateway (Multi-AZ)
  • データ処理: 100GB/月

計算:

  • NAT Gateway時間料金: $0.062 × 730時間 × 2 = $90.52
  • データ処理料金: $0.062 × 100GB = $6.20
  • 合計: $96.72/月

価格根拠:

  • VPC pricing
  • NAT Gateway: $0.062 per hour (Tokyo)
  • Data processing: $0.062 per GB

5. CloudFront ($8.50/月)

構成:

  • 100GB データ転送/月
  • 1万リクエスト/月
  • 2オリジン (S3 + ALB)

計算:

  • データ転送: 100GB × $0.085 = $8.50
  • HTTPリクエスト: 10,000 × $0.0009 = $0.09
  • 合計: $8.59/月

価格根拠:

  • CloudFront pricing
  • Data transfer: $0.085 per GB (Tokyo)
  • HTTP requests: $0.0009 per 10,000 requests

6. Route 53 ($2.50/月)

構成:

  • 1ホステッドゾーン
  • 月間クエリ数: 100万クエリ

計算:

  • ホステッドゾーン: $0.50/月
  • クエリ料金: $0.40/100万クエリ × 1 = $0.40
  • 合計: $0.90/月

価格根拠:

  • Route 53 pricing
  • Hosted zone: $0.50 per month
  • Standard queries: $0.40 per million queries

7. S3 ($2.30/月)

構成:

  • フロントエンド用バケット: 5GB
  • アプリケーション用バケット: 45GB
  • 月間リクエスト数: 10万リクエスト

計算:

  • ストレージ料金: 50GB × $0.025 = $1.25
  • リクエスト料金: 100,000 × $0.0004 = $0.04
  • 合計: $1.29/月

価格根拠:

  • S3 pricing
  • Standard storage: $0.025 per GB (Tokyo)
  • PUT/POST requests: $0.0004 per 1,000 requests

8. CloudWatch ($2.00/月)

構成:

  • ログ収集: 5GB/月
  • メトリクス: 20個
  • アラーム: 5個

計算:

  • ログ料金: $0.50/GB × 5GB = $2.50
  • メトリクス料金: $0.30 × 20 = $6.00
  • アラーム料金: $0.10 × 5 = $0.50
  • 合計: $9.00/月

価格根拠:

9. WAF ($0.70/月)

構成:

  • 1 Web ACL
  • 3マネージドルール
  • 月間リクエスト数: 500万リクエスト

計算:

  • Web ACL: $5.00/月
  • ルール料金: $1.00 × 3 = $3.00
  • リクエスト料金: $0.60/100万リクエスト × 5 = $3.00
  • 合計: $11.00/月

価格根拠:

  • WAF pricing
  • Web ACL: $5.00 per month
  • Managed rules: $1.00 per rule
  • Requests: $0.60 per million requests

見積もり条件と前提

利用量の前提

  • 想定ユーザー数: 1,000 DAU
  • トラフィック量: High
  • 可用性: High (Multi-AZ構成)
  • セキュリティ: High (WAF + セキュリティグループ)

月間利用量の想定

  • Webリクエスト: 500万リクエスト
  • データ転送: 100GB
  • データベース: 10GB
  • ログ: 5GB
  • ストレージ: 50GB

考慮事項

  1. オンデマンド価格: すべてオンデマンド価格で算出
  2. Data Transfer: リージョン間転送は含まず
  3. バックアップ: 自動バックアップ7日間分を含む
  4. モニタリング: 基本的なメトリクスとアラームを含む

除外項目

  • Reserved Instances: 長期利用による割引なし
  • Savings Plans: 適用なし
  • データ転送: インターネット向け以外の転送料金
  • サポート: AWSサポートプラン料金
  • 開発/運用: 開発環境や運用コスト

価格根拠URL

サービス 価格参照URL
ECS Fargate https://aws.amazon.com/jp/fargate/pricing/
Application Load Balancer https://aws.amazon.com/jp/elasticloadbalancing/pricing/
Aurora Serverless v2 https://aws.amazon.com/jp/rds/aurora/pricing/
NAT Gateway https://aws.amazon.com/jp/vpc/pricing/
CloudFront https://aws.amazon.com/jp/cloudfront/pricing/
Route 53 https://aws.amazon.com/jp/route53/pricing/
S3 https://aws.amazon.com/jp/s3/pricing/
CloudWatch https://aws.amazon.com/jp/cloudwatch/pricing/
WAF https://aws.amazon.com/jp/waf/pricing/

最適化提案

短期的な最適化

  1. Reserved Instances: 1年予約で最大72%削減可能
  2. Savings Plans: コンピューティング使用量に対して最大66%削減
  3. スケジューリング: 夜間・休日のリソース削減

長期的な最適化

  1. Auto Scaling: 需要に応じたリソース調整
  2. Lambda移行: 軽量な処理をLambdaに移行
  3. CDN最適化: より効率的なキャッシュ戦略

生成日: 2025-07-09
地域: Asia Pacific (Tokyo)
通貨: USD (JPY換算: 1USD = 150JPY)

おまけ: GitHub Copilotで設定してみたけども...

GitHub CopilotのAgentモードを利用して同様のことを行いましたが、まずsonnet4で行うとMCPサーバーのアクションの時「max token」でエラーになり、以降の操作ができなくなりました。token長が問題なのでsonnetではなく、gemini-pro2.5で実現できるのではないかと思い、試したのですが、今度は下記の画像のようなエラーが出てフリーズすることが多かったです...😇

もっと簡単な見積もり方法があれば教えてください!🙇‍♂️
何か質問があれば、お気軽にコメントください!

https://x.com/Ryo54388667/status/1930424791884046414

GitHubで編集を提案

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