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ゼロ知識証明とzk-SNARKsフレームワークまとめ【2025年版】
ゼロ知識証明(ZKP: Zero-Knowledge Proof)は、「ある主張が正しい」ことを、秘密の内容を漏らさずに証明する暗号技術です。
例えば、「私は正しいパスワードを知っている」という事実を、実際のパスワードを見せずに証明できる、という魔法のようなことが可能になります。
ブロックチェーン、認証、プライバシー保護、選挙など多くの分野で活用されており、特にzk-SNARKsはその中心的な存在です。
zk-SNARKsとは?
zk-SNARKs(Zero-Knowledge Succinct Non-interactive Argument of Knowledge)は、ZKPの中でも以下の特徴を持つ強力な方式です。
- Succinct(簡潔): 証明サイズが小さく、検証が高速
- Non-interactive(非対話型): 一回の通信で証明が成立
- Argument of Knowledge(知識の主張): 特定の秘密を知っていることを保証
Zcashなどの匿名通貨や、機密性の高いブロックチェーンアプリケーションで広く利用されています。
zk-SNARKs関連の主要フレームワーク一覧
以下に、zk-SNARKsを扱う代表的なフレームワークをまとめました。
libsnark
- 言語: C++
- 開発元: SCIPR Lab
- 特徴: Zcashで使用。Groth16やPinocchioを実装。
- GitHub: libsnark
gnark
- 言語: Go
- 開発元: ConsenSys
- 特徴: Groth16とPLONKに対応。高レベルAPIあり。
- GitHub: gnark
arkworks
- 言語: Rust
- 特徴: Groth16、PLONK、Marlinをサポートするモジュール群。
- GitHub: arkworks
Zokrates
- 言語: DSL(Python風)
- 用途: Ethereum向け。スマートコントラクトも出力可能。
- GitHub: ZoKrates
その他のZKPフレームワーク
hyraxZK
- 信頼できるセットアップ不要。Fiat-Shamir変換対応。
- GitHub
libspartan
- SpartanプロトコルをRustで実装。
- GitHub
Mirage
- Java製。普遍的なセットアップ対応(メンテ停止)。
- GitHub
LegoSNARK
- libsnarkベースのモジュール式zk-SNARK。
- GitHub
PySNARK
- Pythonで書けるZKPライブラリ。プロトタイピング向け。
- GitHub
SnarkJS + RapidSNARK
- Circomと併用。RapidSNARKはC++/ASMで高速化。
- SnarkJS / RapidSNARK
Virgo
- セットアップ不要な階層型ZKP(未メンテ)。
- GitHub
libiop
- IOPベース。Aurora、Fractalのzk-SNARK実装。
- GitHub
Noir
- Rust風のZKP DSL。ACIR形式を出力。
- GitHub
Dusk-PLONK
- Rust製PLONK実装。低レベルゲート記述が必要。
- GitHub
Halo2
- Zcashチーム製。再帰的証明対応。
- GitHub
🎯 まとめ
zk-SNARKsは、ゼロ知識証明の中でも高速かつ簡潔で、広く採用されている技術です。
この記事では、zk-SNARKsの基礎から、代表的なフレームワークの特徴を紹介しました。
プロトタイピングならPython系、パフォーマンス重視ならRustやGo系、スマートコントラクトと統合するならZokratesやSnarkJSなど、目的に応じた選択が重要です。
今後もZKP技術は進化を続け、Web3やプライバシー保護の基盤となっていくでしょう。
🗣 ご意見・修正などあれば、コメントでぜひ教えてください!
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