Elm初心者が感じたElmの魅力【知識0から始めるElm入門ハンズオン参加レポート】
昨日、@ababupdownbaさんが主宰している Elm 初心者向けの勉強会(知識0から始めるElm入門ハンズオン )に参加したので、勉強会の振り返りも兼ねて書いてみました。
Elm とは?
2012 年にエバン・チャプリッキ(Evan Czaplicki)氏によって発表されたプログラミング言語で JavaScript にトランスパイルされる AltJS の一種です。
Haskell の影響を受けた関数型言語という特徴もあります。
Elm の魅力
ハンズオンで色々勉強してみて、自分が感じた Elm の魅力です。もし理解に間違いがあれば、コメント頂けると嬉しいです。
ほぼ全てが関数である
最初に Elm のコードをみたときは「う、、全然分からん😇」ってなっていたのですが「Elm ではほぼ全てが関数である」というのを聞いてからは少し読みやすくなりました。
以下、The Elm Architecture での View コードの抜粋です。
ここでdiv
やbutton
など HTML 要素ぽいものが出てくるのですが、これらも関数です。属性の配列と、子要素の配列を受け取ります。
関数なので型チェックが効き、誤った構文だとコンパイルが落ちるので HTML の閉じタグ忘れでのレイアウト崩れなど起こりようがありません。また、View のテストも容易にかけるそうです。
view : Model -> Html Msg
view model =
div []
[ button [ onClick Increment ] [ text "+1" ]
, div [] [ text <| String.fromInt model.count ]
, button [ onClick Decrement ] [ text "-1" ]
]
パイプライン演算子がある
式の評価結果を次の式に渡す|>
と<|
のパイプライン演算子がとても便利でした。
例えば値x
をfuncA
関数で処理して、その結果をfuncB
関数に、さらにその結果をfuncC
で処理する必要がある場合を想定します。
JS で書くと、、
const result = funcC(funcB(funcA(x)))
// または、冗長に書くと、、
const aResult = funcA(x)
const bResult = funcB(aResult)
const cResult = funcC(bResult)
となると思います。
これを Elm のパイプ演算子を使うとかなり直感的に書くことができます。
result = x |> funcA |> funcB |> funcC
-- もしくは
result = funcC <| funcB <| funcA <| 1
ちなみにパイプライン演算子も関数なので、型定義があります。
フレームワークが言語に内包されている
JS で Web アプリを作ろうとすると、フレームワークの選定は 「React or Vue or Angular?」 もし、React を選んでも「Store の設計は Recoil を使う? Redux を使う?」と迷うと思います。
Elm では、言語に The Architecture Architecture というフレームワークが内包されています(この表現があっているのかちょっと自信がないです)。全てはこのフレームワークにそって行うので、設計に迷いようがありません。
一見すると、柔軟性がないように感じますが、1 つのフレームワークを覚えれば、他 Elm を採用しているどの会社、どのプロジェクトでも使えるというのは魅力的だなと思いました。
The Elm Architecture · An Introduction to Elm
実行時例外が発生しない
Elm では基本的に実行時例外が発生しないという話も驚きました。型によってパターンの網羅性のチェックをしていて、null や undefined が発生しないようになっているようです。
例えばパターンマッチでの網羅性のチェックなどが強力です。
以下 The Elm Architecture の update のコードなのですが、update 関数のパターンマッチでFoo
バリアントが考慮されていません。
type Msg
= Bar
| Baz
| Foo -- これがcase句で考慮されていない
update : Msg -> Model -> Model
update msg model =
case msg of
Bar ->
{ model|message = 'bar' }
Baz ->
{ model|message = 'baz' }
この場合は、コンパイル時に以下のような警告がでます。
This
case
does not have branches for all possibilities:Missing. possibilities include: Foo
コンパイル時に考慮漏れを未然に防ぐことが出来るのはよいですね。
また、副作用のある処理は明示的に別に管理するようで、万が一何かエラーが発生した際も原因の特定が容易との話でした(ここら辺曖昧な理解です)。
構文が少ない
今回 4 時間の勉強会だったのですが、その時間でほぼ全ての Elm の構文を学べました。
実際に後半、OSS で公開されている Elm パッケージのコードをみたのですが、何となく何が書いてあるのか理解できたのは驚きでした。
Elm はバージョンアップの度に機能が増えるのではなく、機能を減らすこともあるそうです。他の言語とは真逆でなかなか珍しいですよね。
覚える文法が少ない=学習コストが少ないとなるので、今後 Elm を学びたいと思っている自分のような人には嬉しいです。
おわりに
最後に勉強会の感想を。
今回の勉強会はなかなか変わった形式で、Elm の知識 0 の状態で、Elm の Playground であるEllieにあるサンプルコードをみながら、参加者が自分から疑問点を質問していくという形式でした。
全くの初心者向けの勉強会ということで、Elm のデータ型や、構文を一通り講義形式で受けられるものかな? と参加前は思っていたので最初は驚いたのですが、この質問形式での進め方のおかげで、かなり理解が進みました。というのも、知識 0 の状態からコードみるのでそもそも疑問点しかなく、なんの抵抗もなく質問できます。質問のハードルがとても下がります。
また所々で@ababupdownbaさんから理解を確認するために「このコードの説明をしてみてください」と逆に質問されるので、そこで自分の言葉で説明することによって理解が正しいのかの確認もできました(ここでも、そもそも分からないこと前提なのでなんの恥ずかしげもなく答えられました)。
この方式でやるには参加者数をかなり制限する必要がありますが(今回は 4 人)、初めての言語を学ぶ方法として、とても優れているのではないかと思いました。
定期的に開催するようなので、是非 Elm に興味がある方は参加してみてください。
知識0から始めるElm入門ハンズオン
Elm について今回の勉強会を通してとても魅力を感じたので今後も継続して勉強していくつもりです。
まず、公式ドキュメントを読んで、その後こちらのサンプルでもやってみようかなと思ってます💪
Discussion