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【FRENZ2025】航空機の航跡データを3DCGで可視化する

に公開

FRENZ2025に以下の映像を出展した。

https://www.youtube.com/watch?v=ZBjo9RG92jI

制作のモチベーション

  • 航空機の航路データは一見わかりやすいが、ときに解釈が難しく、そこから誤情報の発生につながってしまう事例がある(事例1, 事例2)。ryo-aはこれを長らく問題であると考えており、デザインによって解決できないかという実験をしたかった
  • 実データ自体のおもしろさというものを伝えるデータビジュアライゼーション映像を作りたかった
    • 電波法上の問題がクリアでないため、音声部分については断念して模擬的な音声を当てている

ワークフロー

完全なプロシージャル化は行えなかったものの、簡易的なパイプラインを組むことで製作工程の効率化を図っている。

(クリックで拡大)

筆者としては「やることは自明であるが、作業量が多く腰が重い」ようなタスクが多かったので、仕様をカッチリと決めた上でGPT-5に投げてPythonスクリプトを書いた(私が書いたと言えるのか問題はある)。

航跡データ

航跡データ、すなわち飛行機の動きについてはFlightradar24(以下、FR24)から入手したCSVデータを用いている。

また、Flightradar24 APIを使えばより詳細な情報も得られそうだが、今回は試していない。

地図データ

機械可読な地図データとして、OpenStreetMap(以下、OSM)を利用した。OSMは画像だけでなく、パスデータでも地図を出力できるというメリットがある。今回はこれをC4D上でスプラインに変換している。
当初はPLATEAUも検討していたものの、滑走路のデータがないということで断念した。

また、OSMは各データにタグが付与されており、「道路」「建物」「滑走路」「誘導路」などの属性で地物を絞り込むことができる。これを活用し、建物・滑走路・誘導路をインポートし、滑走路と誘導路でオブジェクトの幅を変えている。

ラベルデータ

残念ながら、各航空機や誘導路、ゲート番号を示すラベル部分についてはパイプラインに組み込めておらず、C4D上にて手動で配置している。航空機部分については確実に組み込めると思うので、改良の余地がある。


AE上でのデータ可視化

ややマイナー機能かもしれないが、AfterEffectsはデータ駆動型アニメーションがサポートされており、CSVやJSONをレイヤーとして読み込むことが可能である。

これを利用し、エクスプレッションで「どのフライトの、どの項目について、C4Dファイル上での何秒部分から再生する」ということをレイヤー名から指定できるようにしている。

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