Rancher Server on Rancher Desktop
はじめに
以下を参考に、前回インストールしたRancher Desktopで構築したKubernetes環境に、Rancher (Rancher Server)をデプロイします。
Rancher on Rancher Desktop | Rancher Desktop Docs
デプロイ方法の選択
前回の記事でRancher Desktopをインストールした際に、docker互換のCLIであるnerdctl
コマンドや、Kubernetes用パッケージマネージャーのCLIであるhelm
コマンドが使えるようになっていました。
公式ドキュメントでは、以下の方法が挙げられています。
nerdctl
docker
helm
今回はせっかくなのでhelm
コマンドを使用してRancher Serverをデプロイします。
Helmでのデプロイ
Helmは、他のパッケージマネージャーと同じように、リポジトリを追加し、そのリポジトリのパッケージ(Chart)をインストールする形で使用します。
Jetstackリポジトリの追加
まずは、Rancher Serverの構築に必要な証明書を管理してくれる「cert-manager」をインストールするため、Jetstackのリポジトリを追加します。
helm repo add jetstack https://charts.jetstack.io
Rancherリポジトリの追加
続いて、Rancher Serverをインストールするため、Rancherのリポジトリを追加します。
helm repo add rancher-latest https://releases.rancher.com/server-charts/latest
cert-manager用のnamespaceの作成
cert-manager用のnamespaceを作成します。
kubectl create namespace cert-manager
cert-managerのインストール
作成したnamespaceにcert-managerをインストールします。
記事作成時、参考にしている公式ドキュメントではv1.7.1となっていますが、現時点でv1.10.1がリリースされているようです。
Rancher Serverの醍醐味として、デプロイしたアプリケーションをGUIからアップデートすることが挙げられるため、あえてv1.7.1をデプロイして、次回の記事でGUIからアップデートしてみようと思います。
helm install cert-manager jetstack/cert-manager --namespace cert-manager --version v1.7.1 --set installCRDs=true
Rancher Server用のnamespaceの作成
Rancher Server用のnamespaceの作成します。
kubectl create namespace cattle-system
Rancher Serverのインストール
作成したnamespaceにRancher Serverをインストールします。
helm install rancher rancher-latest/rancher --namespace cattle-system --set hostname=rancher.rd.localhost --wait --timeout=10m
インストール完了には数分かかりますが、これでデプロイ完了です。
Rancher ServerのWeb UIにアクセス
Rancher Serverのインストール時に--set hostname
オプションで設定したホストにhttps
でアクセスします。
記事の通りに実行した場合はhttps://rancher.rd.localhost/になります。
Passwordの入力
Web UIにアクセスするとPasswordの入力を求められます。
このパスワードは構築時に自動生成されるもので、Web UIに表示されている指示に従ってkubectl
コマンドを実行し、参照・コピーします。
Passwordを入力すると、Passwordの変更を求められるので適切に設定しましょう。
以下のようにRancher Desktopインストール時に構築されたk3sクラスターが表示されればOKです。
おわりに
次回は、v1.7.1でデプロイしたcert-managerを、Rancher Serverを使ってGUIからアップデートしたいと思います。
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